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こうして俺とジーネは再び都市内に戻ったのだが、
神殿でジーネが狩人を獲得。俺は霊格成長に失敗した。
ジーネ「狩人… これは結構役に立ちそうな…?」
俺「斥候と被る点も多いな。隠密・危険感知。一般職で覚え方が違うが。
宝箱は開けられないが、わなを仕掛けられる。野外サバイバル能力もある」
ジーネ「とっとこうね」
それはそれとして
俺「昨日銭を使い切ってしまったんだ。組合に寄っていいかな」
ジーネ「大丈夫?」
俺「朝一ならともかく、今ならウデンタもいないと思う。連中だらだらあそこにいる理由がない」
ジーネ「それもそうだね。あたいも一緒に行く」
と組合に入った。
受付嬢に頼んで銭を下ろしてもらうと、先日キグヅリ鬼崩しについて尋ねた老人たちが、また屯していた。
そばによって声をかける。
俺「やあ爺さんたち、この前の情報は助かったよ」
爺「誰だお前さん」
俺「何日か前にキグヅリ鬼崩しについて訊いた者だよ。酒奢ったろうが」
爺「そんなこともあったかな? 同じ酒を奢りなおしたら思い出せそうだぞ」
俺「その必要はねーわ。じゃあまた用あったら」
婆「待ちな。お前さん最近野豚街に言った覚えはあるかい?」
立ち去ろうとしたら、ばあさんの一人が呼び止めてきた。
その内容に思わずジーネと顔を見合わせる。
俺「目の色変わっているが、なんかあったのか? ふつうだとその情報、いくらくらいでやり取りしてる?」
婆「ただの世間話だよ。おいぼれの挨拶に、そう邪険にするもんじゃないよ」
世間話の割には真剣そうな、強欲そうなマナコである。
爺「まあまあ。実はそこで揉め事があってな。当日そこにいたものを探してるのよ。さてこの情報が代金じゃ。どうする?」
俺「こっちも大したことじゃないから答えるけど、出かけたことはあるな。だけどこれということもなかったし、行き来の時にも不審なものは目にしていないな」
婆「何日前だいっ?」
俺「そんなの数えてねーよ。少なくとも昨日じゃないわ」
婆「若いんだからしっかりおし。お嬢ちゃん、名前は?」
ジーネ「え? ジーネ」
ち。ぼんやりしてた彼女を不意打ちしやがった。
俺「銭になるならこっちのも噛ませろよ。一方的にネタを絞ろうとするな。誰がどんな情報欲しがってるかくらい言えるだろ」
婆「いえるもんかそんなこと。世間知らずの甘ちゃんのガキだね」
爺「喧嘩はするなって。いいから兄さん話してみなよ、どんなことだっていい。それが銭に変じたら、十分な分け前出すから」
俺「記憶に残る変わったことと言ってもなあ。
その前の鬼崩しで『呪い外しの石』を一つ見つけて、高く売れたくらいかな」
爺「なんだと! あれはわしでも何年かに一度拾えるか、というものだぞ」
婆「これっ、今話しとるのは野豚街のことだぞっ」
俺「といっても拾えたものは仕方ない。最近じゃそれくらいしか記憶にないよ。5000ギルほどで売れたよね」
婆「5000?!」
ジーネ「そーね。そのあと飲んじゃったから記憶ないけど」
爺「かーっ。そりゃ大損よ」
俺「まじかよ。ぼられたんか」
爺「表じゃ、ただの呪い解きにしか使えん建前だからな、その値段でしか引き取らんわ」
婆「裏じゃどの程度になるんだい?」
爺「え? いやわしは知らんよ。そんな噂話もあったかなと又聞きしたような」
俺「なら次見っけたら、爺さんのところに持ってきたら買うかい? 3倍くらいで」
爺「3倍はちょっとぼりすぎではないかなー」
婆「あんたのツラからすると5倍は堅いね。なんで今まで黙っていた!」
爺「何でもへったくれも、勝手なことを」
俺「じゃあな」
実際にはこの会話にはさらに4人ほどのジジババが参加していたが、それまで採録しては何を言ってるかわからなくなるのでカットさせていただいた。
なんか言い争ってる老人たちを置いて、俺たちは外に出る。
騒ぎに気付いた受付嬢が迷惑そうにこっちを見ていた。
◇ ◇ ◇
ジーネ「野豚街の事件って、あれかなー?」
俺「かもな。どっちにせよ俺らに関係ないことだ。飯買って戻ろう」
できれば誰が聞いてるかわからない路上での会話にも気を使ってくれると嬉しいぞ。
あとあの婆さんが喧嘩のうちに「ジーネ」の名を忘れてくれたなら。
◇ ◇ ◇




