表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/37

7-1

【二〇XX年 五月四日 月曜】

東京都 目黒区大橋 都立慶馬高等学校



 高校生となり初めてのGWゴールデンウィーク

 本日は月曜日だがみどりの日、つまり祝日だ。

 運動部はこんな日でも練習をしているようだが、今日の空模様は数日前と比べてとても大人しい。

 雨の気配はないが、曇天。

 ここ最近暑い日が続いていのでかなり涼しい、いや、少し肌寒くすら感じる。

 運動部ではない俺が祝日に学校にいるのには、当然理由がある。

 ギター部、これが俺が属してる部活動だ。

 軽音部が別にあるのだが、我らがギター部はその名の通りギターに特化した内容だ。

 たまに軽音部と合同で何かしたり、近隣の他校とも合同で何かある、と部長から聞いたことはあるが、基本的に部室でギターを弾く、というのがこの部の基本的な活動内容。

 もう少し語るとギター演奏、録音や撮影なども行い部活動用のSNS、動画サイトのアカウントがあるので部の宣伝として投稿することもある、らしい。

 一年生で入部して日が浅い俺はそうしたそうした経験するないが。

 ちなみに個人でギターの演奏動画を投稿するという習慣ならある。

 毎日ではないが、なるべく多く投稿してアウトプットするように心がけている。

 さて、この部について語るとなると、まあ異質かもしれない。

 ギター部は基本的に土日祝日は休みだが、部室で練習するのは自由。

 参加も原則自由だが、家に篭って練習するだけではと思い、今日は気分展開にもなると思ってわざわざ部室で練習することを選んだ。

 そこまでは良いのだが、俺以外にも今日という日を部室で過ごすことにした部員がいるという事実についさっき気付いた。

 俺は今、肩に力が入っているわけでも腕がだらんと伸び切ったわけでもなく、部室の前、佇んでいる。

 緊張でもリラックスでもなく、極めて普通の状態だろう。

 一息吐き、引き戸を開ける。

 すると無駄に広々とした部室内のほぼ中央に設けられた紺色のカウチソファーに腰を落とし寛ぐ二人の女子生徒の姿が真っ先に目に飛び込んだ。

 それ以外に目に映るものといえば、その二人の間を隔てる高校生の部活動にしてはアットホーム感のある少し大き目な木製のフォールディングと、その上に置かれた一般的なマグカップが二つ。

 二人の女子生徒は、当然我が校の生徒。

 慶馬けいまの後頭部の制服に身を包み、紅茶の入ったマグカップを口元まで運び至福の時を過ごしているのだ。


春音はるね、私、以前から気になっていたことがあるのよ」

「うん。どうしたのかな? 夏緒里かおりちゃん」


 長い黒髪をポニーテールに束ねた背丈の長い女子が口に付けていたマグカップをテーブルの上の受け皿にカタンと小さく音を立てて置き、向かい側に座る眼鏡かけた小柄な方の女子に話しかけた。


「ペットボトルの先端をジッと見たことはあるかしら?」

「先端を? うぅ〜ん……ジッと見たことはたぶんないかな」

「あれ、よく見てみると……重度の仮性包茎のペ●スに見えるわよ」

「へぇ〜、そうなんだね。でも仮性包茎にも重度とかあるんだね〜」

「仮性包茎にも軽度や中度、そして重度と余った包皮にやって度合いがあるのよ。重度の場合平常時は完全に隠れていて、勃起しても手で剥かないと亀頭が隠れたままで大変だわ」※

「へぇ〜」

「ペットボトルの先端に注目して、私は最初、真性包茎をイメージしたのだけれど、飲み口は口をつけるところだからある程度広さがあるでしょ? 真性やカントンにはそんなゆとりすらないのだから、それを患う男性にとってはペットボトルを眺めるという日常的に珍しくない行為すら死活問題かもしれないわね」

「そっかぁ……。男の人って大変だね」


 ____マジで何言ってんの、コイツら。


 特に背が高い黒髪の方。

 そしてもう一人の方も、何故そんな話題におおらかな態度で付き合えるのだろう。


「あら、稲本いなもとくん。遅かったわね」

「あっ、稲本くんだ。ようこそぉ〜!」


 会話の内容に呆気に取られ佇む俺に、二人はようやく気付いたようだ。

 この二人には、今の俺はどのように見ているのだろう。


「……お疲れ様です、部長。それと副部長も」

※https://mammoth.or.jp/genitalia/foreskin-surgery/pseudophimosis#ttl-01-02

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ