表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢見る羊は何を知る  作者: 藤本レン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/6

夢見る羊は何を持つ

ため息交じりの運転でホームセンターについた。


「あの椅子地味に高いんだよねぇ……はぁ……。」


そうしてオフィスチェアコーナーまでとことこ歩いていく。


「やっぱり平日って人すっくないな~」


「うーん、どれがいいのかしら。」


オフィスチェアコーナーにつくと、どうやら先客がいるようだ。


(あの女の人、椅子選びで悩んでるのかな?)


と、思いつつも、口出しするものでもないと課長の椅子探しへ戻る。


「えーっと、718の椅子…718の椅子……あった!!」


約5万円のオフィスチェアだ。


「私給料日までまだ1週間あるのに…あんのクソ課長め、あいかわらず変な顔と頭しやが——」


「すみません。ちょっと聞いてもいいかしら?」


「ファイ!!どうかしましたか!?」


突然の呼びかけに心臓がキュッとなる。


「私の椅子探し、手伝ってほしいんだけれども、いい?」


なんと、先にこの場所で椅子探しを見ていた女性が話しかけてきた。


「えっ、あっ、椅子探しですか?」


「そうなの。私ね、モノを見つけるのが苦手で、良ければ手伝ってくださりませんか?」


「まあ、それくらいなら全然……どの椅子を探しているんですか?」


「この椅子なんだけれども…」


そう言われ、女性の画面の椅子を見ると——


「さささ30万!?」


「貯金がたまってきたから、思い切って買おうとおもってね。最近仕事で腰も痛めること増えてきたし。」


なんと贅沢な使い方であろうか。


「ここら辺は値段通りに椅子が置いてあるので、右のほうに行くほど、高い椅子が置いてあるんですけれども……見当たらないですね……」


「うーん、どこにあるのかしらねぇ」


二人で、オフィスチェアコーナーで探しても見つからないと嘆く。


すると——


「どうかなさいましたか?」


店員さんが声をかけてくれた。


「実は、この椅子を探してて、」


「うぇ!?お、お客様、本当にこちらの商品をお探しなのですか?」


「少々お待ちくださいませ!」


そう言って、裏へと走って行ってしまった。


二人の間に流れる沈黙。


「あなたも今日、椅子を買いに来たの?」


「えっ?あっ、はい。本当はそんな予定じゃなかったんですけどね」


「こんな時間にスーツで買いに来てるってことは……事務員さん…とかかしら?」


「よくわかりましたね!?実は、課長が椅子を壊して、私が新しいの買うことになっちゃって……」


「あら、たいへんねぇ。そういう人はちゃんと相手しちゃだめよ。こっちがつらくなるんだから。」


「へぇー。結構詳しいんですね」


「そうよ~。私も元事務員だもの」


少し聞きづらいけども……聞いてみたい。


「つかぬことをお聞きしますが、現在のご職業は一体…?」


「私の仕事?今はね——」


「お客様!!お待たせいたしました!!」


そのとき、店員さんが誰かを連れてきた。


「こんにちは。私は店長の小林です。革製のパーソナルチェアをお求めと聞いております。」


「こんにちは。私が探しているんだけれども、どこにあるのかしら?」


「この製品はこの場所にはないんですよ。高額商品ということもあって、二階の最上級製品シリーズの場所に置いてあるんですよ。良ければご案内いたしますよ。」


「じゃあ、お願いしようかしら」


どうやら、私が手伝う必要はなくなったようだ。


「大丈夫そうなので、それじゃそろそろ私は帰ります」


「ほんとにごめんなさいね。良ければ、今度お礼がしたいの。※¹FAINやってる?」


「そんな大丈夫ですよ!別に大したことしてないですから。」


「あら。あなた、なにかつらい悩みを抱えてそうな顔をしていたから、相談相手にでもと思ったのだけれど……」


突然核心を突かれたことで、心臓がキュッとなる。


「それに、年上の厚意は素直に受け取るものよ?どう?」


この人は何か違う。


この短時間で、そう思ってしまった。


「じゃあ、お言葉に甘えて……QR出すので読み取りお願いします」


「は~い。いいわよ~」


——ピッ


{NAME:雨宮 愛莉}


「えっ?この名前って……?」


この人、有名漫画家だった。


ホームセンター名:MITORI


※¹この世界での大手連絡アプリ



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ