案件110.燃えろ!ゲキアツ魂!!
マッチョバーガーで昼食をとっていたカネリだが、テレビでリチャウターたちのピンチを知り歯痒い思いをしていた。
「何やってんだアイツら・・・!」
その時カネリのスマホが鳴り、画面を見ると旧友であるホタビからの電話だった。
「・・・もしもし?」
『カネリごめんね!もしかして他の案件やってる!?』
「・・・メシ食ってる」
『アゼルくんとボンゴラくんが、今どうなってるか知ってるよね!?助けに行った方がいいんじゃない?』
「ッ!アイツらはバズレイダを滅ぼした、セイブレスを助けようとしてるんだぞ!絶対行くもんか!!」
カネリが店内で怒鳴りながら立ち上がったため、他の客たちが彼女に注目した。
「あれってカネリじゃない?」
「なんでここにいるんだ?」
『・・・こんな時、レッカさんならどうしたかな?』
「!!」
その瞬間カネリは、事件発生から今までに言われたことを思い出した。
『セイブレスだろうと関係ない、助けに行こう』
『損得で人助けをするのが、おれたちが目指してる救世主なのか?』
『アイツなら、それでも行くと思ったんだが・・・』
『カネリさん、本当に行かなくていいの? 』
そして最後に、恩師レッカが微笑む姿が脳裏に浮かんだ。
『負けるなカネリ、ゲキアツに燃え上がれ! 』
「オ・・・オレは・・・くそったれぇえええええ!!!」
憎きセイブレスを見捨てるかそれとも救うのか、葛藤するカネリは無意識に叫び声を上げた。
その頃奥玉ダムの貯水池では、エスクディアン以外の異救者が巨大化した轟々爺の攻撃で満身創痍に陥るも、身体を震わせながら立ち上がった。
「早く・・・セイブレスたちを助けないと・・・!」
「3万点がかかっているのだ・・・!」
セイブレス30人が封じられたヒトリバコは、轟々爺が飲み込んでしまった。急いで助け出さないと、全員消化されてしまう!
「年寄りに刃向かう小僧共め、今度こそ引導を渡してやる!!」
轟々爺の身体が再び光り出した。2発目の『敬老感謝災』を放ち、異救者たちをダムごと消滅させるつもりだ。
「くっ!」
「やめろぉおおおおお!!!」
その時リチャウターは、溢れるほどの浄化エネルギーを両手に纏いながら、轟々爺に向かって高くジャンプした。
「ボンゴラ君!?」
「何をする気だ!?」
リチャウターは、パワーを溜め無防備になった轟々爺の身体に取り付くと、両手をぐっと力強く当てた。
『救手、パルマァアアア!!』
ありったけの浄化エネルギーが両手から放たれ、そのエネルギーが巨大化した轟々爺の全身に流れ込んだ。
「ぐぅうううおぉおおおおお!!!」
「メチャクチャ効いてるッス!」
「救手パルマにしては、出力が黒だ・・・!」
「その上位技、『救手パルマドライブ』ってところか・・・」
土壇場で習得した新技、『救手パルマドライブ』によって『敬老感謝災』を阻止できたが、その代償は大きくリチャウターの身体中にヒビが入り、活動時間は残り僅かとなってしまった。
「儂にはまだ力が残っておる!貴様らは今度こそ終わりじゃあ!」
轟々爺は再び『敬老感謝災』の準備に入った。最早彼を止められるのは、守りを捨て攻めに転じたエスクディアンただ一人!
しかしそれは仲間たちだけでなく、奥玉ダムとその周辺で暮らす人々の生活の場を、犠牲にしかねない苦渋の決断だ!
「何としても奴の攻撃を止めるんだ!!」
(盾男の名に懸けて、みんなを守る方法を―)
その時何者かが突然飛び出し、轟々爺の側腹部にドゴォと強烈な一撃を与えた。
「んぐぅおぉ!!?」
轟々爺はまたしても妨害されただけでなく、その衝撃で横に倒れ激しい水飛沫を上げた。
「援軍!?誰だ!?」
「あの巨体を一撃で倒す程の黒な実力・・・まさか!!」
黒皇の勘は当たっていた、彼らのピンチに駆けつけたヒーローの正体は・・・カネリことカネリファイヤだ!!
「カネリ!」
「やっぱり来てくれたんスね!」
その後カネリファイヤは貯水池に落下したが、モズロウとルッシルバに救出され、リチャウターと一緒に仲間たちがいる岸へ運ばれた。
「ありがとうカネリ!でもどうして・・・」
「セイブレスは嫌いではなかったのか?」
「・・・ああ、助けたくないほど大っキライだ!」
「でもなあ!オレが目指す救世主は・・・そんな器の小せえヤツじゃねえんだよ!!相手がだれだろうと、ゲキアツに救ってやるぜぇ!!!」
カネリは恩師たちと故郷を奪われた私怨ではなく、恩師たちと交わした約束と異救者としての誇りを選んだのだ。
彼女の力強く迷いのない言葉は、満身創痍の異救者たちの心に再び火を灯した。
「よぉしみんな!こっから巻き返そう!!」
「真っ向勝負は自分に任せるッス!!」
「で、マナキとセイブレス共はどうなったんだ!?」
「聖女は安全な場所にいるが、セイブレスは全員ヒトリバコに閉じ込められ、轟々爺の体内だ」
「早く救けないと消化されてしまう!」
「なるほど、つまり吐き出させればいいんだな!」
するとカネリファイヤは、エスクディアンに近づき寄越せと言うように手を伸ばした。
「ツドニキ、オレの闇異鍵持ってんだろ?周りを巻き込まないなら、使ってもいいよな?」
「・・・制限時間は8分だ、頼むよカネリ」
「ゲキアツに任せろ!!」
エスクディアンが脳内通信で仲間たちに作戦を伝えると、黒皇、リンドー、トゥエバが轟々爺に一斉攻撃を仕掛けた。
「年寄りを舐めるな小僧共ぉ!」
轟々爺は反撃を試みるも、エスクディアンが盾を操って味方を守った。
一方モズロウは拡声器を持ったまま空を飛び、ヘリに乗ったマスコミたちに避難を呼びかけた。
『皆さん!奥玉ダム上空で大爆発が起こります!!急いで避難して下さい!!』
『大爆発!?それはどのような意図で―』
「聞いてる場合か!急いで離脱するぞ!!」
黒皇たちが轟々爺の気を引いている間に、マスコミたちの避難が完了した。
『避難完了!ダニュアル君頼む!!』
するとダニュアルことルッシルバは、轟々爺の背後に回り指を向けた。
「お前を、カネリちゃんのところまで『追放』する!!」
ルッシルバの追放宣言で、轟々爺はカネリファイヤが待ち構えている岸辺へと瞬間移動した。
「激熱モード発動!!雲の上までブッ飛ばしてやるぜぇ!!!」
そう言ってカネリファイヤが封じられた力を解放すると、先程の一撃よりも遥かに強力なアッパーを轟々爺の腹部に叩き込んだ!
「ゔぅぅっ!!ゔぼぇえええ!!!」
轟々爺は腹部を強打された衝撃で、セイブレスたちが封じられたヒトリバコを胃液ごと吐き出し、そのまま真上へ飛んで行った。
『救手アーム!!』
リチャウターが腕を伸ばして溶けかけたヒトリバコをキャッチし、貯水池の水で胃液を洗い流した。
「アツツ、中のセイブレスたちは無事なのか!?」
そして轟々爺が上空まで飛ばされると、地上ではカネリファイヤが必殺技の構えに入った。
「ゲキアツデカい花火にしてやるぜ!最大火力・・・チャンプファイヤアアアアア!!!」
激熱モードのカネリファイヤが放った熱線は、命中する直前に轟々爺を火ダルマにし、一瞬でボディに大穴を開けた。
「おのれ小僧共ぉ!年寄りを・・・大切にせんかぁあああああ!!!」
そう言い残して轟々爺は、ドーーーンという轟音と周囲の雲を消し飛ばすほどの大爆発を起こし撃破された!
To be next case




