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第20話 セイウス帰還

 ユニントンを退けた俺たちはひとまずセイウスに戻ることにした。

 だが、まさか昨日身に着けたスキルに救われるとは......



 昨日、ウノンとの特訓を終えた俺は屋敷にまで戻ると早速ここ最近ティポタとともにこねくり回している魔方陣をいじくり始めた。

 数日前までは3×3の魔方陣から4×4、5×5とやっていたが、今は形の違う魔方陣について考えていて、今日は魔六角陣について考えることになった。魔六角陣とは普通の魔法陣とは違って正方形9マスではなく六角形1マスまたは19マスでできた魔方陣で、なんと一列のマスの数が5個のところもあれば3個のところもあるという不思議な魔方陣なのだ。

 そして俺たちは俺が魔六角陣は辺のマスの数が1の時と3の時にしか作ることができないというのを地球にいたときに聞いたことがあったということでそれを証明しようとしていた。


《ミハマ、これは何の記号だ? 》


 俺が計算の途中でΣを書いているとティポタにそう聞かれた。


「ああ、これはシグマと言って指定された範囲内の整数をすべて足し合わせるという意味の記号だな」


《なるほどな、ミハマの元居た世界には便利な記号が多いな》


などと言いながら試行錯誤して1時間少しすると俺たちは証明を完成させた。


「これで証明完了だな」


《ああ》


《「Q.E.D」》


〖スキル:魔六角陣を獲得〗


 俺たちが証明完了を告げると突然気着心地の良い中性的な声が新たなスキルの獲得を俺に伝えたのだった。どんなスキルかわからなかったので俺は次の日ウスカンさんと親衛隊の3人に新しいスキルを獲得したということを話し、ウノンとの特訓でそのスキルの力を確かめることにした。そしてそれがシールドのようなもので敵の攻撃をはじき、相手をよろけさせることができるスキルであるということが分かったというところでユニントンの襲来があったのだ。



《ひとまずやつを退けたのはよいが、やつが操っていたのは重力であったというのになぜザイアグルが動かないのか......》


 ザイアグルって誰だ?と思ってティポタに聞くと


《ああ、重力を操る悪魔だ。我と同じようなものだ》





「ミハマ、このままセイウスに戻るつもりか?それなら私はナジュールの森に戻るぞ」


 セイウスの町が近くなると急にウノンがこう言いだした。そうか、そういえばそうだった。ウノンも俺もかなり切り傷が多いからセイウスで治療したほうがいいかと思ってセイウスに向かってたがなにも行かずに町の中にウノンを連れてくのはちょっとまずいかもしれないな。だが、ウノンの切り傷も浅くはないから一人にさせるのは気が引ける。


「じゃあ、ちょっとそこで待っててくれ。すぐ戻る」


 そういってセイウスの町に戻ると中央の広場の噴水の前で住民たちと意見交換をしているところだった。


「ミハマ!?どうしたんですか、そんな傷で」


「ちょっと強い敵と戦いましてね。でも大丈夫です」


「そんな......カイ!救急箱はありませんか? 」


「すぐとってきます」


 ウスカンさんや広場の人たちに心配されたがとりあえず最優先事項はウノンの話だ。


「ウスカンさん、俺はユニントンと名乗る男と戦ったんですが......」


「「......「ユニントン!? 」......」」


 ウスカンさんだけでなく広場中の人が驚いたような顔をしているがなぜだろう。まあ、あれだけ強かったから俺が知らないだけでそこそこ有名な人なのかもしれないが。


「ミハマ、ユニントンは国王直属の五大近衛兵の一人ですよ!!それに勝ってしまうなどさすがミハマですね」


「それが違うんです。俺一人で撃退したわけじゃなくて、ウノンとともに戦ってなんとか撃退したんです。それでウノンも傷ついているのでセイウスの町に連れて治療させたいんですがだめですか? 」


と聞くとウスカンさんとラルとイグザからは即承認をもらった。その後、とりあえずウノンを館まで連れていき日が暮れる前に住民の人々を集めてウノンを受け入れられるかどうかを聞くことになった。俺の傷は万が一のためにみてもらったが深い傷はなかったがウノンは深めの傷がひとつあり、きちんと治療したから何事もなかったが治療が遅れたら右腕が動かなくなっていたかもしれないそうだ。


 そして、住民の判断は全会一致でウノンを受け入れるというものだった。ユニントンを止めることができていなかったらセイウスが壊滅していたかもしれなかったというウスカンさんの言葉がかなりその判断を後押ししてくれることになった。





 その頃、王都ではブリッツによって国王討伐完了の報告が行われ、新生ウガルス共和国の建国を発表した。そこでは自由セイウス王国については触れられなかった。しかしながら新生ウガルス共和国から勇者という圧倒的な存在がある自由セイウス王国に人が流れるようになるのに時間はかからなかった。

 投稿が1週間遅れてしまい申し訳ございません。

 魔六角陣を何とかして表現したかったのですがうまく表現できなかったのでもしイメージがわかないという方はぜひ魔六角陣と調べてみてください。図があると一気にわかりやすくなりますからね。

 さらに続けて投稿します第20.5話では話に出てきた魔六角陣に関する証明の話を可能な限りわかりやすく紹介します。いつもの??.5話に比べると少し難しい内容かもしれませんがわかるとなるほど~となるはずなのでぜひ見てみてください。

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