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第11話 終結

「ラル!! 」


 くそっ。もはや自分の意思で軌道を変えることができない俺のストレートがまさにラルに突き刺さるその瞬間ラルが消えた!?と思うと俺の拳は地面に激突し人が2人入れるくらいに大きいクレーターを生み出していた。だがそこにラルはいなかった周りを見回すと魔族の女性がラルを抱えてたっていた。本当に危機一髪のところだった。


「……助かった」

「私は攻撃してこないならお前達のことを傷つけるつもりはない」


 彼女はそう言ってラルのことを手放した。そういう彼女からは戦闘意欲はなさそうだった。俺の失敗からラルをかばった彼女はなぜ魔族の住む魔族領側からケンブ帝国をまたいだここにいるのか。俺がこのまま戦ってもそこの計り知れない彼女に勝てる可能性はわずかだろう。それならいったん戦いをやめ彼女の話を聴いてみるか。


「ウスカンさん!このまま戦いを続けてもこちらが被害を被るばかりです。1度この方の話を聞きませんか? 」

「そうですね、そうしましょう」

「ちょっと待ってくれ。ほんとに魔族の話を聞くなんて言ってるのか!?こいつらは信用できない」

「ミハマすいません、ラルは子どもの頃に両親を魔族との戦争でなくしているんです。ラル!お前の気持ちはわかるがお前はここで両親の願った『お前が生きること』を裏切るつもりか。お前だってわかっているだろうあの魔族と我らの力の差を」

「く、そうだ。弱い俺が悪い。しょうがない、ここは魔族の話を聞こう」


 いつもの柔らかな口調から一転した力強い口調でラルに話すウスカンさんに負けたラルが同意の意を示したので俺は魔族の女性に質問をすることにした。


「なぜ魔族のあなたがここにいるんだ? 」

「私の名前はウノン。魔族領の中でも人間領に1番近い城塞都市スカルスの近くのジリーナという小さくも森に囲まれ豊か村に住んでいたが昨日の夜村が人間によって襲撃されたのだジリーナには戦闘の強い者は少なく1番戦える者は知の悪魔と契約する私だった。村の人々を守れるのは私しかいないと全力で戦い、撃退することができなくともできる限りの村の人をスカルスまでのがそうと思った。最初は順調だった私達だったがある男が現れてからは一瞬だった。まばたきをする度、隣に立っていた仲間がまたひとり、またひとりと倒れていった。仲間を誰一人として守ることのできなかった私ができたことは敗走だけだった。そいつを魔族領に入れてはだめだと思った私は人間領へと逃げ出した。数千の兵に追われる私はひたすら逃げ続けこの森に辿り着いた。この森に入る頃には数万人へとふくれあがった軍もいなくなっていたがこの角じゃ街に入った所でまた追われるだけ。そう思った私はこのジリーナの周りの森のようなここで態勢を整えることにしたの」


 なるほどな。一応話は筋が通っているな。


「それならなぜイグザがここにいるんだ? 」

「それはあの恐ろしい声から私は気絶せずに耐えたがこの女は道端で横たわっていたからな。そのままにするのは気が引けたから周りを見張っていただけだ。このイグザというのはお前らとどんな関係なんだ」


《あの技を守った!?それならこやつ相当強いぞ》


 ラルの疑問に対する返答にあったすこしの違和感にティポタが反応していたがこの魔族の女性も悪魔との契約者?なんだろ。神の技を神の技で守るってできそうだが……


《当然できるが究極の生命体である神同士がたとえほんの一部だろうと下界にて攻防したら、こんな小さな森など吹っ飛んでしまうぞ。だが全くなにも森が壊されてないのだ》


ふーん。そうなのか、それは気になるな。そう思っているとカイとラルが魔族の女性の質問に答えていた


「なんでそんなことを聞くのか全くわからないがイグザは私とラルの同僚だ」

「そうかその発言に嘘偽りはないな? 」

「ある分けがないだろう。逆にお前はイグザの何なんだ? 」

「なんでもないが守ろうと思った人に危害を加えるようなやつじゃないか判断していただけだ。だがお前たちは大丈夫そうだ」


そういって俺達とイグザの間からよけた魔族の女性を抜け、イグザを起こしに行った


「イグザ!起きろ」

「イグザー! 」


「っは!イガウの実は!? 」

「イグザ!起きたか」

「イグザ!!お前のおかげで私達は生き残ることができたんですよ」



「……ってなったんだ」

「そうなんだ!王子、ラル、カイ生きててよかった!それに勇者様もありがとう! 」


俺の説明を聞いたイグザは3人の生存を心の底から喜んでいた。こうして、セイウス、いや俺達を襲った初めての戦いは誰一人として欠けることなく大勝利に終わった。

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