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第6話 武器屋

「ご主人朝だよ〜起きて〜」


ユサユサ、ユサユサ


煩いなあ。俺はそう思いながら手を払いのけて布団を被る。


「起〜き〜て〜!」


ユサユサ、ユサユサ、ユサユサ、ユサユサ


「ご主…」


バキャッ!ズゴンッ!


「朝から五月蝿えぞこの糞女‼︎」


余りにも煩かったので全力でベルフェゴールを殴り飛ばした俺はベッドから降りた。靴を履き、服を着ているとベルフェゴールが俺に殴られた頬をさすりながら起き上がった。


「ご主人、朝から過激だね……」


「チッ無事だったか(ぼそっ)」


「聞こえてるよ」


「黙ってろこのなまくらが。お前は道具で仲間じゃない、それを忘れるな」


「分かってるよご主人。でもボクは刀でもあって契約している悪魔でもあるってことも忘れないでほしいな」


「俺も分かってるよ。飯食い行くからさっさと刀に戻れ」


ベルフェゴールが瞬時に刀に戻った。最近こいつは俺の許可を得ないで勝手に人型になる時がある。まあ、刀のままだと窮屈かもしれないと思って黙認はしているが。


着替えを終え、部屋を出て階段を降りて一階の食堂に向かうと早速女将さんが挨拶をしてくれた。女将さん(ライナさんと言うらしい)に挨拶を返して朝食を頼む。今朝の朝食は鶏肉の野菜スープに黒パンだった。美味い。


俺は女将さんに食器を返すと宿の裏の井戸へ行って顔を洗った。顔を拭き、カウンターで女将さんに部屋の鍵を預けて宿から出た。今日の行き先はギルドじゃない。俺は暫く歩いて目的の店を見つけると扉をくぐる。


「誰かいるか?」


「なんだ坊主。冒険者か?珍しい格好してるな」


奥の作業場から声が帰ってきた。髭もじゃで筋骨隆々のおっさんの姿が見える。俺が来たのは武器屋だ。ブルボア討伐を受けてから2週間の間に俺は様々な依頼を受けたがその中で最も重要だったのは遠距離攻撃手段が俺たちにはなかったことだ。事の起こりは3日前に遡る。


俺たちは依頼でホーンバードというEランクのモンスターの討伐をしにとある村の近くの森にいった。Dランクに比べればたいしたことないだろうと軽い気持ちで挑んだのが失敗だった。


森に入って最初の1匹、2匹は良かった。初撃に1匹仕留め、飛び立とうとした時にもう1匹仕留めた。だが、他のホーンバードはその間に空に飛び立ってしまった。


ホーンバードの討伐任務での討伐規定数は10以上。基本的に近接攻撃しか出来ない俺たちは残りのホーンバードに攻撃を当てることがなかなか出来なかった。一応俺には飛斬ひざんという斬撃を飛ばす攻撃手段があったが当てるのは難しかった。ーー結局はベルフェゴールに紐を縛って人型になったベルフェゴールに俺を放り投げてもらった後に刀に戻ったベルフェゴールを引っ張って手元に引き寄せて空中にいる間に倒すという荒技を使って倒したのだが。


そんな訳で遠距離攻撃の手段を得る為に武器屋に来たのだった。それと、個人的に作ってもらいたい武器もあるのだが。


「おっさん、弓はあるか?とびきり強力なのをだ」


「おっさんじゃねえ、俺の名前はデンガってんだ。覚えとけ」


「分かった分かった。デンガ、さっきも言ったか弓をくれ。あと矢もだ」


「強い弓なんて坊主みたいなヒョロヒョロじゃ無理だ。使えないなら武器が泣く。弱いのにしときな」


「力がないってのはこれを見ても言えるか?おっさん」


俺はそう言って手近にあった巨大なハルバートを持ち上げた。全て金属で出来ている2m半はあるハルバートの重さは言わずとも分かるだろう。それを俺は片手で持ち上げて見せたのでおっさんは口をあんぐりと開けてポケーッとしている。


「これで分かっただろ?弓と矢だ。強い弓をくれよ」


「ああ、分かった。ここから選んでくれ」


おっさんはハッと気を取り戻して弓が置いてあるコーナーから強い弓を選んで俺の前に出した。俺は鑑定を使いながらその中で最高品質の物を選んで買った。値段は銀貨8枚、つまり80,000モールと意外と安い。弓も200本ほど買ってアイテムボックスに仕舞った。


「坊主はアイテムボックス持ちか。便利だなそれ」


「まあな。それと俺の名前はテツヤだ、坊主じゃない」


「おおそうか。それでテツヤ、他には必要なもんは無いか?」


「いや、作って欲しい物がある」


「作成の注文か。いいぞ、何を作る?」


「ナイフだ」


「ナイフ?」


「そう、ナイフだ。様々な、な」


そう言って俺は作って欲しいナイフを伝えていく。ハンティングナイフにコンバットナイフ、ククリナイフなど特徴を伝えて様々な用途に使えるように様々なナイフを頼んだ。


「よし分かった。それなら5日あれば出来るだろう。5日後にまた来い」


「分かった。5日後にまた来る」


俺はデンガにそう言って武器屋を出た。次の行き先は冒険者ギルドだ。


◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎


先の遠距離攻撃の無さ以外にもこの2週間で問題として分かったことは他にもある。それは俺が“遺跡で見つけた魔道具”を使いこなせていないことだ。


俺は初の依頼で行った遺跡から怠惰以外にも途中で見つけた部屋から様々な物を掻っ攫ってきていた。金銀財宝や古ぼけた本や資料、そして多種多様な魔道具だ。この魔道具には戦闘用に使えるものも多く、俺が今履いている“ガルーダのブーツ”や着ている装備も遺跡で見つけた魔道具だ。ついでだからこの機会に俺の装備も紹介しておこう。


名称 ガルーダのブーツ

等級 希少級レア

効果 ブーツを中心に風を起こして瞬間的に飛行を可能とする。また脚力も強化される為、起こした風と合わせて驚異的なスピードを得る。


名称 魔導服 上下(どちらも黒色)

等級 希少級レア

効果 ダークスパイダーの糸で作られた服。丈夫で頑丈であり、並みの刃物では傷すら付かない。耐火、耐刃、魔力補助の付与がかけられている。


名称 死神のローブ

等級 超常級スーパー

効果 魔力を通す事により高い耐魔法性能を誇る。下級魔法ならばノーダメージでまともにダメージを食らうのは上級魔法以上。装備者の状態異常を軽減する効果もある。また、闇属性の魔力を流すことによって装備者の体臭、気配、姿を隠す事も出来る。


名称 ウィップグローブ

等級 超常級スーパー

効果 闇属性の空間拡張されたグローブ。グローブ片方につき、5本の鞭又は紐状のものを設定しておける。設定したものはグローブの中に仕舞われる(グローブの付け心地は変わらない)。グローブの使用時は設定された鞭を手の甲から生やして使う。鞭は装備者が思考するだけで自動で動く。


名称 ブーストリング

等級 希少級レア

効果 魔力を流すことでその魔力を倍に出来る腕輪。効果は3時間もつが、その後5時間の冷却が必要。


こんな感じだ。戦闘用の魔道具は他にもあるけど装備しているのはこれだけだ。だけどこの魔道具はどれも癖が強くてなかなかに扱いずらい。しかもどれも黒色なので格好が奇抜だ。俺自身のステータスが上がっているとしても満足は出来ない。ちなみに俺とグレイのステータスはこんな感じだ。



名前 テツヤ タニグチ

種族 人間

性別 男

年齢 17歳

職業 無職

レベル27


スキル

モンスターテイムLv5

剣術Lv4

鑑定Lv3

闇魔法Lv5


特殊スキル

SPスキルポイントシステム:残15pt

全言語理解

アイテムボックス∞


称号

世界神の加護


従魔

グレイLv30



名前 グレイ

種族 シルバーウルフ

性別 雄

年齢 3歳

レベル30


スキル

索敵Lv8

隠密Lv5

嗅覚上昇Lv9

風魔法Lv3


特殊スキル


称号

テツヤの従魔



俺もグレイもレベルがかなり上がった。俺はレベル20から得られるポイントが20になったので闇魔法を新たに高いレベルで習得できたのでよかった。グレイはいつの間にか種族がシルバーウルフに変化してた。あと、集団戦闘が無くなって風魔法が増えてた。何故に?



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