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第11話 異変④

戦闘はこれで取り敢えず終了です。次回から戦後処理と新たな波乱が始まっていきます。これからも温かく見守っていてください!


それと少なくてすみませんm(_ _)m

「影渡り」


木の影の中に入ってエンペラーオーガの影から外に出る。脚に魔力を溜めて瞬間的に武雷強化ボルテックブーストを発動し、跳びかかる。


「ヴヲオオオッ!」


エンペラーオーガの持つ大剣が俺を叩き斬らんと迫る。


物質劣化マテリアルディテレイション


怠惰に“堕落”を纏わせて大剣を迎え撃つ。怠惰の能力である“堕落”は、堕落、怠惰、憂鬱などの影響を他のモノに与える。今回の物質劣化マテリアルディテレイションは怠惰の影響を与えて触れた物質を急速に劣化させることが出来る。


つまり、魔力で強化された特別級ユニークと劣化しきった大剣では触れた瞬間に大剣が崩れることになる。


「ヴヲオッ⁉︎」


「スラッシュ」


剣術Lv2で使えるようになるスラッシュでエンペラーオーガの胸に傷を負わせた。だがすぐに塞がり始める。


「ちっ、固えな」


バックステップで離れる。直後、俺がさっきまでいた所に振り下ろされたすぐ側を拳が通り過ぎた。


「影縛り」


周りの影という影が伸びてエンペラーオーガに巻きつく。逃れようとエンペラーオーガが全身に力を込めて影を引きちぎり始める。


「グレイプニル」


ウィップグローブからグレイプニルが飛び出してエンペラーオーガに影縛りの上から更に巻きつく。


「ヴオオオオオオオッ‼︎」


エンペラーオーガが更に力を込めてグレイプニルも引きちぎろうとするがガシャガシャと音がするだけで千切れる様子はない。


「無駄だよ。武氷強化フローズンブースト


俺の全身から冷気が周りに及ぶ。持っているグレイプニルが凍りつき、地面も凍る。滑りやすくなった地面を踏みしめ、グレイプニルを思いっきり引っ張る。


「うおらあああああああっっ‼︎」


エンペラーオーガを俺を中心として円状に振り回してあちこちの岩や木にぶつける。斬ってダメなら打撃に切り替えるだけだ。


すっぽーんっとエンペラーオーガが吹っ飛んでいった。俺は武氷強化フローズンブーストを解除して追いかける。グレイプニルを綱渡りのように使って上空へ。


「サンダーヘイル」


雷氷合成魔法。雷を纏った雹がエンペラーオーガに降り注ぐ。


「グオオオオオオオオッ⁉︎」


エンペラーオーガは全身に雹に穿たれた傷と凍傷、そして電撃を浴びてまともに動くことが出来ない。俺は怠惰を上段に構えて振り下ろ


「とどめっ⁉︎」


そうとして蹴り飛ばされた。


「がっ、がああああああっ⁉︎」


咄嗟にガードしたが右腕は明らかにおかしな方向へ曲がっていた。確実に肋骨も何本か折れている。


「ぐっ、こいつ何が…」


鑑定でエンペラーオーガを見る。すると



種族 エンペラーオーガ【状態異常:支配】

性別 雄

レベル97


スキル

身体強化Lv9

咆哮Lv7

剣術Lv2

生命力強化Lv9


特殊スキル

オーガ支配

起死回生


称号

オーガの王

******



「くそっ、起死回生か」


知識によると起死回生の効果は死にかけたとき、全てのリミッターを外して行動する。代償として寿命が減るが、死にかけならそんな事は気にしないだろう。文字化けといいわからないことが多い。


「怠惰、出力をあげろ」


「いいけど負担が凄いよ?大丈夫?」


「るせえ。悪魔が心配をすんな気持ち悪い」


「じゃ、いくよ?」


怠惰だけでなく俺の全身にも禍々しい紫の魔力が纏われ流れ込んでくる。その魔力は俺の身体を、精神こころを蝕んでいく。


「ぐっ、がっ、がああああああ⁉︎」


ミシミシと精神こころが軋む、身体が耐えられない力で破裂しそうだ。


「はぁ、ぐっ、はぁがっ、」


「オオオオオオオオオオオオオオッッッ‼︎」


エンペラーオーガが拳を振り上げる。俺の身体は動かない、拳が迫ってくる。周りから悲鳴が上がる。はたらかない頭でああ、死ぬんだなと思ったとき


「ご馳走様でした。ご主人、同調終わったよ〜?」


頭がサァッとクリアになっていく。だがボーッとしたままだ。拳がもう当たる寸前、俺は動いた。


……チンッ


動きが止まったエンペラーオーガを尻目に怠惰を納刀する。エンペラーオーガの脇腹に引っかき傷のような小さな小さな傷。


「………第七之太刀だいななのたち 怠傷たいしょう


ボソッと、一言。エンペラーオーガが、倒れた。


シーン、と辺りが静かになる。痛くなるほどの静寂が辺りを支配する。2秒、3秒と過ぎた頃、爆音が響いた。


『うおおおおおおおおおおおおおおっ‼︎』


静寂とは全くの真逆の圧倒的な歓声。多くの冒険者とレウスが俺に向かって走ってくるのをボーッとした頭で茫然と見ながら、俺は意識を手放した。

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