表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/57

第12話 戦後

今回で第1章は終了です。

次回からは少し、遅くなるかも?

それではどうぞ!

見渡す限り白一面のおかしな空間、俺はそこにいた。何処かでここを見た気がするんだがどこで見たっけ……?


「……あっ」


そうだ、ここには確か日本で死んだ後にデュオルに呼ばれて異世界転移の為に来たんだ。てことはここは神界になるのか?俺はまた死んだのか?


「あははっ!心配しなくても死んでないよ、鉄也君。そして久しぶりだね!」


「デュオル!」


後ろから声が聞こえたので振り返るとニコニコとしながら世界神であるデュオルが座っていた。


「久しぶりだなデュオル。で、この状況は何なんだ?」


再開の喜びも冷めないまま早速質問に入る。


「ふふっ、せっかちだね。まずここは精神世界だよ。死んだ人が転生までに漂う場所でたまに重症で死にかけの人も来るね」


「つまり俺は死にかけ、と」


「そうなるね。それにしても君は無茶をするね。《七大罪之劔ななたいざいのつるぎ》の内の一柱と契約したのも驚きだけど常人なら即死レベルの魔力を自分に流し込んだでしょ?あれ、強化した身体、精神と僕の加護がないと完全に死んでたよ?」


「まじかよ………」


衝撃の事実が判明した。かなり危険な状況だったみたいで、詳しく聞くとその後の副作用&余波?で魂にもダメージを負ったらしくここまで漂ってきたらしい。暫くここで休んでいれば回復するらしいけど本気で危なかったと思う。


「まあ、君は強いと思うよ。肉体的にも精神的にも、ね。普通、強化してあってもあそこまで魔力を流し込んだら確実に乗っ取られて暴走する。けど君はそれを制御して大罪の力を状況によって使いこなして大罪技たいざいぎも使った。誇っていいよ」


「なんかそこまで褒められると照れるな。それとあの糞女、戻ったら絶対に殴り飛ばす」


俺は決意を胸に拳を握りしめた。俺が戻ったらどうやって苦しめてやろうか頭を捻っているとデュオルが苦笑いをしながら言った。


「まあ、君の加護には強化をしておくことにするよ。全体的な強化もしておくから頑張ってね」


「それはありがたいがなんでそんなにしてくれるんだ?」


「…実を言うと最近魔人の動きが活発してきていてね。今回の騒動も魔人が関わっているんだよ。それに近々、大氾濫も起こる。君に死なれるとちょっと不味いからね」


「おっけ、それなら納得だ。」


純粋な善意なんて何があるか恐ろしくて受け取れない、と言うと苦笑しつつもデュオルは俺の中に力を流し込んでくれた。それから暫く二人で談笑をしていると俺の身体が透けて見えなくなってきた。


「回復したみたいだね。それじゃ鉄也君、今度からは気をつけてね」


「おう!じゃあな!」


すーっと溶けて消えるような俺に手を振りながらデュオルはハッとした顔を一瞬浮かべた後、すぐに不敵な何かを企んでいる笑みに表情を変えて既に消える寸前の俺に言った。


「そういえば、今回の大氾濫には君が求めてやまなかったモンスターが紛れてる。じゃあね!」


「ぅおいっそういうことはっ……」


俺は神界(仮称)から姿を消した。



◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎




「……はっ⁉︎」


俺が目を覚ますとそこは俺が知らない部屋だった。俺以外にも近くにあるベットに怪我人が寝ている。というか討伐に参加した冒険者達だ。


『主よ!目が覚めましたか!』


ふと右を見るとグレイが尻尾を千切れんばかりに振っていた。ずっと側にいてくれたのかもしれない。


『大丈夫ですか⁉︎大事はありませんか⁉︎』


「大丈夫だ。心配かけて悪かったな、それにしてもお前またデカくなったか?」


グレイはまた一回り大きくなっていた。今なら俺がグレイに乗っての移動も出来るだろうと思う。グレイと会話をしているとその声を聞きつけたのか扉が乱暴に開いた。


「テツヤ!無事だったか!」


「おう、レウス。無事だぞ?なんの問題もない」


「よかった、よかった……」


「……気持ち悪っ」


レウスは号泣していた。男泣きというやつだろう。レウスは泣き止むと自身の後ろに隠れていた人物を前に出した。


「ぐすっ。このお嬢ちゃんがな、お前が倒れた後に突然靄から現れてここまでお前をサポートしながら運んで来たんだ。ほら」


そこにいたのは人型になった怠惰ベルフェゴールだった。今は俺を見て満面の笑みと目尻に涙を浮かべている。


「…怠惰ベルフェゴール


「ご主人っ!」


怠惰ベルフェゴールは俺に向かって飛びついてきた。俺はそれを受け止めるように手を広げて……


「死ねっ‼︎」


雷魔法を全力で放った。


「アババババババッ⁉︎」


全力で放った雷に当たったベルフェゴールは体を痙攣させながら床に落ちた。


「……後で説教と折檻だ。覚えとけ」


「……知ってたのね」


「お、おいテツヤ。お前こんなお嬢ちゃんになんて真似を……」


「騙されんなよレウス。こいつの正体を知らないだろ?」


「正体?」


「やっぱりか……。怠惰ベルフェゴール、刀に戻れ」


俺が命令すると怠惰ベルフェゴールが妖刀に戻った。レウスがそれを見て茫然としている。


「やっぱ驚くよな。まぁこいつはなんていうかその…………刀に宿った精霊?みたいなやつってことで」


「ご主人、無理があるとおもうよ?」


「黙ってろ糞女」


「……お前は、本当に、非常識なやつなんだな…………」


「そんなこといちいち気にするな。で、俺が倒れた後はどうなったか教えてもらっていいか?」


「……わかった。お前が倒れるとお前が纏っていた黒と紫の魔力が辺りを覆ってそれに触れたまだ残っていた多くのレッドオーガを殺した。で、全部のレッドオーガを倒した後、ビートの街に帰ってきた。お前はさっきの嬢ちゃんが背負ってたな。面白くなさそうな顔をしてたけどよ」


ほう、面白くなさそうな顔か。俺を乗っ取れなかったのがそんなに悔しいか。そうかそうか、……説教と折檻の時間を増やそう。

手に持った刀がガチャっと震えた。


「そんでビートの街に帰ってきた俺らは報告をギルドにした。その時に怪我人はギルドの医療室に運んだんだ。お前もそうだからここが医療室だ。で、1日経っていまになる」


「おまえ、だいぶ端折っただろ」


「難しいからなぁ。ま、お前はさっさと受付で報酬をもらってきな。お前は大活躍だったから報酬は多いはずだぜ?ランクアップもあるんじゃねえか?」


「わかった。ありがとな、受付に行ってくることにするよ」


おーう、という声を後ろに聞きながら医療室から出て行く。辺りを見渡すとどうやら素材の買取カウンターの奥の方にあった部屋みたいだ。


ギルド内には討伐に参加した冒険者が多くいた。報酬を受け取りに来たのだろう、受付に着くまでに何度か討伐に参加した冒険者に声をかけられたが誰が誰だか全くわからないので適当に返事を返していた。


俺の番になって受付に行くとレナさんが受付をしていた。


「テツヤさんですか…。大変だったみたいですね、もう大丈夫なんですか?」


「ええ、問題はないですね。報酬をお願いします」


「わかりました。報酬は1人につき銀貨3枚に決まったので基本報酬の30000モール、それとテツヤさんは活躍なさったそうなのでギルド長から追加報酬として70000モール、合計100,000モールです」


そう言って、カウンターに金貨が1枚置かれた。俺はそれをアイテムボックスに仕舞う。受付を離れようとすると呼び止められた。


「まってください、まだあります。今回のレッドオーガ討伐の功績によって特例ですがランクアップが起こります。テツヤさんはBランクになりました。こちらが新しいギルドカードです」


「Bランク?それは上がりすぎじゃないんですか?」


「ギルド長の指示ですので。あと、レウスさんからも推薦があったとか」


なるほど、と思いながら礼を言って受付から離れ、ギルドを出ていく。


俺は街の道を歩きながら宿屋に向かって歩いた。この街を守ることにつながって良かったと安心していた自分がいた。いつの間にか俺はこの街を気にかけていたらしい。


宿に着いた。宿の女将さんや他の泊まっている冒険者から心配と感謝の言葉をもらった。俺はその日、とても満足した気分で寝ることが出来た。これからも頑張ろうと意気込むくらいには。


ちなみに俺の部屋から若い女の泣き声が朝までやまなかったのは俺以外誰も知らない。





















































































「……チッ、失敗したのね」


ビートの街からも他の街からも遠く遠く離れた場所で女は舌打ちを一つ、こぼした。


「まあ、いいわ。あとすこしで準備は終わるし……あと一週間ちょっとくらいかしら?これで私も認めてもらうわ」


女はそのグラマーな体を薄い娼婦のような衣で覆っていた。だが、背中には蝙蝠の翼、頭には角、女は魔人だった。


「ふふふっ。これで全部終わる、まずは……エンペラーオーガを倒したこの街からにしましょうか。ふふふっ、ふふふっ、あはははははははははははっ‼︎」


ビートの街に、脅威が迫っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ