第42話 韋駄天の加護は
主人公は、ゲームで仲間にした人達について思い出しつつ、この異世界で誰を仲間にするか考えていました。
何故か違和感もあるのですが。
なので、もう少し考えるようです。
生まれ育った村から旅立ち、東へと向かっている。
北にある王都方面へと向かう為には、西と東に延びる街道のどちらを選択しても良いんだけど。
東に進路をとったのは、次の町に居るはずのNPCに相当する人を仲間にする為だ。
多くのプレイで仲間にしたあの人は女性だった。
しかも、俺が仲間にしないまま国外に移動したら仲間に出来なくなる。
その理由は、追加でダウンロードできた各プレイヤー用の設定資料集によると『嘘の証言により犯罪者になって奴隷落ちし、絶望と環境の悪さと同性による虐待で衰弱して亡くなった』なんだよな。
他にも、仲間にしないと死ぬキャラは居た。
それで、仲間にする人は、仲間にしないと死ぬ人を優先していたんだけど。
でも、男は自分で運命にあらがってもらい、俺は女性を救う方を選ぶ。
と言う感じで女性ばかり仲間にしていたんだったか。
なんか、助けたのに凄く嫌な気分になりゲームを止めたが、また何故かゲームを始めてまた助けるを繰り返していた様な……。
でも、それは最初の頃だけだったか。
で、誰を仲間にするかだけど。
男性だって、救うだけ救ってパーティに入れなければいいんだろうけど、どうなんだろうな。
と言うか、男性で仲間にしたキャラなんて、設定資料集で見つけた馬鹿みたいに素質と才能を持つキャラ数名だけだったから、それ以外の男性を仲間にする為の会話、知らないや。
そう言えば、あの人達は俺が仲間にしないと死ぬってキャラではなかったし。
……。
女性を仲間にする流れになるのかな。
そう言えば、クレリーアさんやエーリックも、初期に仲間にしないと仲間に出来なくなるタイプだったか。
理由は、設定資料集に載っていなかったけど。
スタート地点にいるキャラだから、クレリーアさんを仲間にする時は、最初に仲間にした。
だけど、パターンを変えてみるか、と仲間にしないでおくと、ある程度時間が経つと居なくなったんだよな。
何でだろう?
そんな事を考えていた後、感知スキルが作ってくれているマップを見たんだけど、もう村から20キロ以上は離れられた様だ。
なら、村の人からの監視で強いのがバレル、という事は無くなったといえる程の距離にはなった。
「だよね。補佐さん」
【村から放たれる感知の魔力は最大のモノでも5キロ程度まででしたから、おそらく大丈夫でしょう】
なら、本格的に、魔物を狩って強くなろう。
と、念の為の座標刻印を行い、経験値増加スキルと戦利品向上スキルの能力をONにする。
そして「韋駄天の加護、どうしよう?」と補佐さんに聞く。
【何を気にされているのでしょうか?】
「韋駄天の加護は強すぎるんだよ。
これをONにすると、初心者が必ず通るべき経験をしないままになる気がする。
それは、不味くないのかなって」
【どう不味いのでしょう?】
「当然する苦労をしていない訳だからね。
その辺に関する言動で、同行者や俺に係わった者に、俺が全能者ってバレたり疑われたりすると思う」
【それは、ありえるでしょう】
「だから、1回天からの恵みで蘇生するまでは、韋駄天の加護はOFFの方が良いかもって」
【悲惨で痛い目に会いますが】
「それでも、弱い状態で俺が全能者だと他人にバレルよりは、危険が少ないかなって」
【そう言う意味だと、強くなる為に必要な時間と手間を実感できるまで、韋駄天の加護はOFFで良いかと】
「そう言いつつ、もうチートの経験値増加スキルは使うんだけどね。
その上、2級職でレベル上限になる為に、韋駄天の加護をONにするとか、ありそうだけどね。
ユニークスキルのレベルアップも急務だから」
【それも良い選択かと】
「意見をありがとう」と一応の方針を決めた。
さて。
戦闘において切り札になるであろう韋駄天の加護の使い方は決まったし、次は隣町であるラーカム町に到着する前に最低限しておきたい事は、を考えておくべきか。
まあ、1級職は全てレベル上限になっておきたいか。
それで、一通りスキルを得て、ある程度の力にする事が出来るから。
それを終えたら、斥候の上位職である隠密になりたい。
隠密になれば、斥候で得た感知スキルのレベルを上げて行けるし、新たに偽装スキルを得られるから。
それで、隠密でレベル上限のLV10MAXになれれば、仮装スキルと言ったユニークスキルも1レベルが上げられるんだけど。
そこまで行けるかどうかは微妙か。
そう言う意味だと、隠密ではなく魔導士になれば、四元素魔法が強力になり、強い魔物すら倒せるようになる。
だけど、ステータスに差があり過ぎる魔物との戦いは、気が付いたら殺されていた、とかありそうだからな。
ゲームだと、戦闘画面になり、こちらのターンになる前の魔物の最初の攻撃で即死と言うのはあった。
あれが、現実だと……。
魔物の動きが速過ぎて認識できなかった、遠くからの攻撃に気が付けなかった、隠れて奇襲して来たのに気が付かなかった、と言うパターンになりそうなのかな。
そう言う形で死ぬパターンを減らすのだと、遠くまで感知出来る及び感知漏れを減らせる様に、感知スキルを強化できる隠密が良いのか。
まあ、最優先は今LV10の魔法使いでLV10MAXになり、四元素魔法の槍系魔法を単発で撃てる様になる事か。
各魔法スキルとしては、単発しか撃てないけど、4種同時に1発ずつ撃てるんだよね。
まあ、力を隠すとしたら火魔法の火槍だけしか人前では使えないんだけど。
幸いにも、感知している範囲内に人は居ない。
この街道は廃れているのか、危険すぎて市町村間の移動をする人が居ないのか、偶々なのか。
隣の町へ行く乗合馬車も、西と東に向かう便のどちらもが昼の1本だけだしな。
そう思いつつ、ポポとチモに街道の近くで隠れている様に指示し、俺一人で街道から少しずつ離れる事にした。
主人公は、本格的に強くなる為の魔物狩りを始めるようです。




