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第143話 瘴気と借金

 主人公は、今日の戦利品の売却と分配を終え、チェチーリア兄弟を母親の元に無事届けました。

 それで、その後は家の瘴気の件を衛兵に訴えに行くようですが。

 チェチーリアの母親と2人で衛兵の詰め所に向かう。


 領主の館を守る場所にある衛兵の詰め所に行くと、槍を持って立っている衛兵二人。


 義理の弟さんは、少し大きめの交番みたいな衛兵の詰め所に居る様だ。


 立っている二人にチェチーリアの母親が「夫の兄のローマンに会いたいのですが」と伝えると、一人が建物の中に入って行き、3級職と思われる人と一緒に戻って来た。


 聖戦士職かな。


 と思っていると、「ランベルトの葬式以来ですね。デボラさん」と話しかけて来た。


 そして、更に「何か話があるなら、今晩にでも家にお伺いしたのですが」と言ってくる。


 「その家の事なんですが」とデボラさんは俺に話を振って来る感じだ。


 「俺は、デボラさんの娘さんに依頼を受けた冒険者です。

  彼女の家族を救ってほしいと言う依頼で、彼女たちの家に行ったんですけど。

  俺は、魔力を詳細に感知出来るレベルの感知スキル持ちで、その力で家の中が弱い瘴気に包まれているって感じたんです」


 「瘴気? 都市の中で?」と信じられないと言う感じのローマンさん。


 「ええ。で、うちのパーティには治療魔法と聖魔法持ちが居るので対策をして意を決して中に入ったら、どうも命の呪いが家と土地に掛かっている様で、あの家にいると病気になってしまう様なんです。

  だから、万能薬でデボラさん達を治療し、今は宿を借りて貰っているんですが、あの家をどうすべきなのか衛兵に相談すべきってなり、ローマンさんの事を聞いたので相談に来たのですが」


 そうキッチリ説明すると「……、それは本当なのか?」とローマンさんは驚きつつ言ってくる。


 「こんな嘘をつく理由はありませんね」


 「今から行けるか」


 「はい」


 「ちょっと待っていてくれ」


 そう言って中に入り、忍び職っぽい人を連れて出て来て、「家に連れて行ってくれ」と言われたので4人であの家に向かった。



 移動中に、もう一人の衛兵と小声で話しているローマンさん。


 会話の内容は、感覚強化で聞こえるんだけどね。


 「彼奴の職業は」


 「上忍です」


 「マジか」と言った内容の会話がね。


 まあ、王国とかに所属していない野良の上忍ってどのくらいいるんだろう。


 そう思っていると補佐さんが【地域によって格差はありますが、上忍でも3割以上は野良です。明らかに冒険者の方が儲かりますので】との返事。


 そんな事をしていると、デボラさんが走っていた事もあり、家に到着。


 「マジか。確かに家の中まで感知すると弱いけど瘴気の気配があるぞ」


 そう呟いた忍びの衛兵とうなずき合い、ローマンさんが鍵をデボラさんに借りて、多分呪・病気対策の魔法を自分たちに掛けて衛兵二人が中に入る。


 直ぐに出て来て「確かに、命の呪いだ」とローマンさん。


 大神官の上位職である聖戦士って事は、才能が無い場合を除き呪いについて教えてくれる聖魔法スキルを持っているからね。


 そのローマンさんに、

 「この呪いで付与された病気が原因で、デボラさんの娘は金貸しに娼婦になれって言われていたんです。

  ここを貸した不動産屋とその金貸しがつながっているかどうかは兎も角、悪用されない様に管理お願いしますね」

と言っておく。


 「わかった。

  デボラさん。

  困っているなら、声をかけてください。

  確かに弟とは『衛兵になる。冒険者になる』と喧嘩をして疎遠になっていたんですけど」


 「はい。ありがとうございます。

  この方が病気を治療してくださいましたし、息子と娘たちのレベリングもしてくださったので、これからは何とかなると思います」


 「そうなのか?」とローマンさんは俺に視線を向けて来る。


 なので「ええ。未成年が二人とは言え、農業スキル持ちが3人居れば、農家で食べて行けるだろうし、幾つかの生産スキルに才能があったみたいですから」と俺の方からも言っておく。


 「そうか。なら良いが。

  いや。

  チェチーリアはどうなるんだ。お金が必要なら」


 「うちのパーティに仲間として迎える予定です。

  仮にそうならなかったとしても、彼女はレベリングの結果忍び職に就けましたから」


 そう変に心配させない様に、パーティに入らない方の説明はしないでおく。


 「そうか。

  なら、借金は返せるか。

  何かあったら、今度は早めに声をかけてください」


 「はい」とデボラさんが頭を下げている。


 借金なんて無い筈だけど、それを言わないのは、義理の兄だからなのか、訂正が面倒だからなのか。


 まあ、今後どうなるかは分からないけど、これで良いのかな。


 気になったから宿に帰る途中に「未だ借金があるのですか」と聞いたら「訂正するのもチェアの立場について誤解を受けそうなので」との返事だったし。

 デボラさんが、義理の兄に『借金は無い』と言わなかったのは。

 主人公がデボラさんの借金の肩代わりをしたけど、ゲームでは返してもらう描写がなかったので、返してもらえるモノと言う認識が無く、借用書も造らず、借金の返済に言及しなかったので、それをどう考えれば良いか、という感じだから。

 また、子供達が分配して貰ったお金が、本当に自分達のモノになるのか自信が無いから、誤魔化したと言う感じでしょうか。

 貨幣を限定鑑定すれば、世界の理が皆の意思を読み取り貨幣にその意思を刻んだ結果、所有者欄はデボラさんたち家族になっているんですけど、まだそこまでしていないので。

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