第138話 危険についての教育
チェチーリア兄弟は、魔咆哮スキルを使うネイルベアに腰を抜かしたみたいに。
それの治療をし、倒してもらったので。
魔咆哮スキルを使うネイルベア。
既に治療魔法の異常無効付与、聖魔法の精神異常耐性向上と状態異常耐性向上を得た俺達にとって、それ程の脅威ではない。
でも、経験は必要だろうと、チェチーリア兄弟には付与しておかなかったんだけど、それで魔咆哮により腰を抜かした様だ。
恐怖状態かな。
それを治療し、3人に倒してもらう。
強い個体だった様で、それで3人とも生産者職でレベル上限になってくれた。
まだ若い3人だが、今までの生活で思う処が多々あるのだろう。
嬉しそうにしている。
まあ、未成年だとステータスが育ち切っていないから、同じ様な生産が出来るとは限らないんだけどね。
生産には、器用ステータスとかが影響するし、MPも必要だから。
それでも、まあね。
「本当にスキルのレベルが6と3と2になるんだね」と言っているのは妹ちゃん。
「才能高いと普通と低いだっけ」と弟君が皆に確認している。
「うん。これで生産で生活できるけど」と言ってチェチーリアは俺を見て来る。
「転職と念じたら、転職可能な職業が出る筈だけど」
俺がそう言うと「うん」とチェチーリアは返事をして確認している。
「俺、戦士になれるんだ」「私は、神官」と弟君と妹ちゃんが誇らしげに言っている。
「私の8歳の時は生産者と斥候だけだったけど、匠と戦士と魔法使いが増えている」とチェチーリアは、職業の才能が開花した様だ。
そう。
ゲームと同じなら、彼女は忍びに現状でも就ける筈。
時々、仲間になった時点で上忍にすら就けたが。
そして、偽りの俺が目指しているのと同じように、目指すのは極忍だからね。
「なあ。戦士に転職していいのか?」と弟君が俺に聞いてくる。
「まあ、この時間だから転職した後、もう一度レベル上限にする事は簡単だけど。
でも、それは俺の言う事を守れるなら、かな」
「何をだよ」と弟君は不満そうだ。
「戦士職だから、神官職だから、と安易に城壁の外には出るな。
魔物と戦おうとは思うな。
基本は、城壁の中での生産で生活をするならば、だ」
「な、何でだよ。戦士なら魔物戦えるだろう」と弟君は未だ学校で十分に教わっていない様だ。
病気で学校へ行っていないのか、それとも教わったけど、まだ実感していないのか。
城壁の外が危険なんて最初に教わる事だから、まだ実感していないんだろうな。
魔咆哮だけでは、未だ足りないのだろう。
という事で、俺が実感させておく事にする。
「甘い。
例えば二人で城壁の外になんて出たら、あっと言う間に死ぬ。
まあ、具体例を見せた方が良いか。
え~と、チェチーリアは、次の職業決まった?」
「えっ。何が良いの?」
「まあ、魔物の感知なら斥候。
攻撃力なら魔法使いかな。
ああ。
でも、妹さんと一緒に武器で魔物のトドメをしてもらうから、斥候か戦士になるのかな」
「……。斥候になります。魔物の感知が出来るんですよね」
「ああ。勿論、スキルの才能次第だけど」とは言うが、彼女は攻撃系の忍び職だったけど、トータルで見ても優れた上忍又は極忍だったし、斥候系のスキルに才能はあったんだけどね。
「……。斥候に転職しました。ガイダンスはどうしましょう?」
「あ~。感覚強化と感知だけは今聞いてもらった方が良いかな。
それが終ったら、始めるから」
「はい。……」
その待ち時間に、魔法の熟練度上げをしている風を装う。
「聞き終えましたけど」
「スキルのモード設定は」
「しました」
「なら、挑発スキルでおびき寄せるから」
そう言って空を見上げ、探索技能の感知の魔力に挑発を乗せてみる事にした。
主人公は何を誘き寄せるのでしょう。




