オレっ娘ヒカルちゃん10話:女子校と女子大の話を聞いて男子に優越感を感じるヒカルちゃん
ある土曜日の午後、ゆうまがヒカルのお家に遊びに来ていた。
二人はリビングの隅でカードゲームをしながら遊んでいたけど、すぐ横のソファではヒカルの母親と、そのお友達がコーヒーを飲みながらおしゃべり中。
お友達が楽しそうに話している声が聞こえてきた。
「うちの娘ね、来年からは女子校に通うことになったのよ~。中高一貫の有名なところ。制服も可愛いし、校則も厳しくないしすごく楽しみにしてるわ」
ヒカルはピタッとカードを置いて耳を象さんのように立てる。
そして、ゆうまの耳元に顔を寄せて小声で興奮気味にささやいた。
「ねえゆうま! 聞いた!? 女子校だって!! また女子専用だよ!! 学校まるごと女の子だけ!! すごいすごい!!」
ゆうまは少しムッとして負けじと返す。
「でもさ、男子校だってあるよね。僕のいとこ男子校行ってるもん。男の子だけの方が楽しいって言ってたよ」
ヒカルは一瞬「むっ」とした顔をしたけど、すぐに反論しようと口を開きかけたそのとき――
母親のお友達がコーヒーカップを置きながら何気なく続けた。
「そういえば女子大ってたくさんあるけど、男子大ってほとんど聞いたことないわよね~。なんでなんだろうねぇ」
リビングに一瞬の沈黙。
そして――
「やったあああああ!!!!」
ヒカルが突然立ち上がって両手を高く上げて大勝利のポーズ。
「聞いた聞いた!! 女子大はあるけど男子大はないんだって!! 大学まで女子専用があるんだ!! 女の子最強!! 最強すぎる!!」
ゆうまの顔がだんだん赤くなっていく。
「そ、そんなの・・・たまたまでしょ……」
でもヒカルはもう止まらない。ゆうまの前でくるくる回りながら、母親のお友達にも聞こえる大きな声で宣言した。
「おばさんありがとう!! 今日も優越感が爆発しちゃった!! 学校も大学も、女の子だけ特別扱いされてるんだね~!!」
母親のお友達はキョトンとして「え、私何か言った?」と笑い、ヒカルの母親は苦笑いしながら「ヒカル、またそれね……」と頭を抱える。
ゆうまはずーんと肩を落としてカードを眺めながら小声で呟いた。
「……ずるいよ、ヒカル……ほんとにずるい……」
でもヒカルは上機嫌でゆうまの背中をバンバン叩く。
「ゆうま悔しい? ふふっ、でもこれが現実だよ~。女の子ってほんと得なんだから!」
その日、ゲームはヒカルの圧勝で終わった――もちろん、カードの勝負ではなく優越感の勝負で。
帰り道、ゆうまのため息が白く冬の空気に溶けていったのは言うまでもない。




