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アンナプルナ小鳩  作者: あかあかや
氷河には氷があるよね編
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隠者に相談

 カルパナが、他の修験者達に食事を提供し終えてから、隠者の元に戻ってきて、合掌した。

「はい、隠者様。人柄は、とても良いですね。微生物の専門家なので、知識も豊富だと思えました。KLを使って、堆肥や有機肥料を増産する目標を成功させるためには、とても頼りになりそうな方だと思います」

 カルパナが、真剣な眼差しで隠者を見つめた。黒褐色の瞳が鋭く光る。

「隠者様は、どのような印象を、お持ちになりましたか? 今度こそは、成功できるでしょうか」

 隠者が、二重まぶたで切れ長の目を細めた。琥珀色の瞳が優しい光を帯びる。口元等のヒゲは、綺麗に剃られているのだが、半分以上は白いヒゲのようだ。

「成功とは、君が常に思い浮かべてきた存在に、なれたかどうかを指す。他人によって、与えられるものでは無い。ゴパル君の助けを得ながら、君が自力で成し遂げるのだ。成功があるとすれば、その努力の先にあるだろう」


 カルパナが合掌して、頭を下げた。そのまま、隠者の裸足に右手で触れて、次に、自身の額を右手で触れる。ヒンズー教では、最敬礼に相当するものだ。

「はい、隠者様。頑張ってみます」

 隠者が、ニッコリと無邪気に微笑んだ。右手の平を、カルパナの頭にかざす。ヒンズー教では、頭は聖なる部位なので、触れてはいけないのだ。雰囲気としては、仏像が手を衆生にかざしている姿に似ている。

「ラムラム、善きかな。人任せにするよりも、自力でやった方が、三倍くらい早いものだよ。ドゥルガ神の祝福があるように、ワシも祈っておこう」

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