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ーUntil the Daybreakー  作者: Lauro
序章 ーin the Duskー
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第9章 ーTalk in His Sleepー

「ッ…!?」

ラルクがベッドから勢いよく体を起こした時には

もう既に焔のような紅髪のセルシウスの姿はなく仲間の姿があった

「あ、ラルク気がついた?」

隣にいたメリッサがホッと安心したような顔でラルクの顔を覗き込む

「………そうか、俺…負けたのか…」

ラルクの胸から腹にかけて巻かれた包帯が全てを物語っていた

「ラルク、ごめんなさい…僕に力がなかったばかりに……」

シルヴィアには珍しく眉尻を下げた悲しそうな表情を浮かべる

「いやぁ、おかげでシルヴィアの困り顔なんて珍しいものが見れたから俺は満足だぜ?」

ライカが冗談で場を和ませようとしたがシルヴィアの紅い瞳に睨まれる

「ライカ…民間人は大丈夫だったのか…?」

ライカに聞くと少し彼は眉間にシワを寄せた

「いや…やっぱり犠牲者が出ちまったな……」

ライカは静かに答えた

「…そうか……メリッサは負傷者の手当に加わらなくていいのか?」

「負傷者ならアタシの目の前にいるでしょ!でも、さっきエルシアさんがラルクの治療してくれた後に、アタシの代わりにやってくれてるって…だからラルクが眼を覚ますまで看ててあげてってさ」

メリッサはラルクに巻かれた包帯を解きながら言う

確かにあれだけの傷を受けたにも関わらず痛みが全く残っていない

それどころか傷跡がすっかり消えている

「ありがとなメリッサ………悪りぃけどちょっと1人にしてくれるか…?」

ラルクはおもむろにベッドから起き上がり

心配そうなシルヴィアの頭を優しく叩き部屋を出て行った


ラルクは夜の闇の中三日月の灯りを頼りにレギオン王城の裏の丘にある父と母の墓に向かった

両親の墓は前に父を弔いに来た時と変わらず静かにその場所にあった

生暖かい風がラルクの肌を撫でて行く

「…親父、母さん……守るってやっぱ難しいんだな…命があるだけじゃ守りきったって言えねぇよな…」

ラルクは両親の墓標である剣に向かってそう語りかけた

「必死に剣振り回して恐怖と戦ったって…肝心の心が守れてねんじゃな……」

今思えば自分達は周りの助けで今まで生かされて来たが

それぞれが心に傷を負う結果になってしまった

「確かにセレンは生きてる…けど、母さんを失っちまった…おまけにアルトがそれを隠す事に悩んで、俺はセルシウスに負けて剣まで折られて……」

ラルクはそこで言葉を切って腰を下ろして勢いよく寝転んだ

墓の周りに彼らに寄り添う様にして咲く白い花の香りが優しくラルクを微睡みに誘う

「何か疲れた……悪りぃ、親父、母さん…少し寝かせてくれ………」


【「ラルク、眼が覚めたか…?」

眼を開けるとぼやけた視界の中にラルクの顔を覗き込むグレンの姿があった

「イッテェ……木剣で本気で殴る事ないだろぉ!?父さんのせいで俺の剣折れちゃったじゃんか…」

ラルクは体を起こし隣におかれた無残な木剣を見る

「バカを言え、子供の訓練で本気を出したら危ないだろ」

グレンはラルクの頭に手をおく

「ッテェ…そこ腫れてんだから触んなよっ…!」

ラルクは小さな手でグレンの大きな左手をどかそうとする

「それぐらいならまだ大した事はない…それと訓練用の剣ならまた新しいのを父さんが作ってやる」

グレンはそう微笑みながら少し乱暴にラルクの頭を撫でる

ラルクは彼の手の温もりに安堵を覚えながら身を委ねる

「だったら今父さんが腰につけてるやつくれよ」

ラルクにそう言われグレンはゆっくりと腰につけている剣を抜く

「これか?この剣を使いこなすのは大変だぞ?…まぁ、俺が引退する時になったらラルクにやってもいいぞ?」

グレンの剣はその刀身がラルクが今までに見た事がないくらいに輝きを放ち

ラルクが一眼見てもその剣が普通の物ではない事が分かった

「…ルク……ラルク……!」

その時遠くで自分の名を呼ぶ声がした

どこか聞いていて懐かしいような安心するような

「アルナ…ラルク、母さんが呼んでる。行くぞ…」

グレンにそう言われてラルクは声が呼ぶ方へ振り返った】



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