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初めての血、最初の奇跡

奴隷狩りたちの自信は石に砕かれたガラスのように粉々になった。ゴンドの待ち伏せが壊滅的な精度で展開された。隠れた位置から矢と弩の矢が唸りを上げ、落とし穴が馬と騎手を飲み込み、連携した攻撃が狩人を獲物に変えた。


ゴンドは剣を抜き、戦いに加わる準備を整えた。鞘から現れた刃は、もはや数週間持ち歩いていた粗雑で黒い鉄ではなかった。代わりに磨かれた銀のように輝き、その刃は冬の星光のように鋭かった。


「神々よ」近くの人が弓を下ろし、目を見開いた。「ついに指導者にふさわしい武器を選んだな」


ゴンドは流れるような優雅さで戦場を駆け抜け、刃が敵の間を舞い踊り、足は危険な地面で完璧な足場を見つけた。すべての判断が角の向こうを見通すような直感から流れ出た。敵が左に回り込もうとすれば、彼はすでにそこで反撃の待ち伏せを仕掛けていた。高地に退却しようとすれば、彼の弓兵が待ち構えていた。戦闘の流れが地図のように彼の前に広がり、一手一手が予測可能で、反撃の一手一手が必然だった。


近くでコルヴェンが職人の几帳面な精度で戦っていた。鍛冶屋のハンマーが鎧と骨を等しく効率的に砕いていく。大男は待ち伏せ隊への参加を主張し、鍛冶場での仕事が他の者には持ち上げられない武器を振るう力を与えたと主張していた。一撃で奴隷商の胸当てを陥没させ、青銅で補強された鋼鉄を羊皮紙のように潰してその主張を証明した。


「後ろだ!」ペルが叫び、谷の入り口近くで二人の奴隷商と交戦した。


ゴンドが振り返ると、巨大な奴隷商隊長の降り下ろされる剣と刃が交わった。男の力は凄まじく、一撃一撃がゴンドを一歩ずつ後退させた。鋼鉄が鋼鉄と鳴り響き、隊長の経験が計算された一撃一撃に表れていた。


奴隷商の刃がゴンドの防御をすり抜け、切っ先が太腿の奥深くまで突き刺さった。炎が脚を駆け上がり、彼はよろめいた。血が自由に流れ、靴の中に溜まった。見守る人々が息を呑んだ。そのような傷は男を不具にし、生き延びたとしても一生足を引きずることになる。


しかしゴンドは戦い続け、動きはほとんど妨げられなかった。変化した刃が超自然的な速度で空気を切り裂いて歌った。隊長がゴンドの次の一撃を防ごうと剣を上げたとき、銀の刃は鋼鉄を羊皮紙のように切り裂き、胸当てと兜の隙間を見つけて弧を描き続けた。男は後ろに倒れ、切断された武器が二つに割れて石の上でガタガタと音を立てた。


戦況は決定的に変わった。指導者が倒れ、待ち伏せが自分たちに向けられたのを見た残りの奴隷商たちは、崩れて逃げ出した。ゴンドの民は谷の端まで追撃してから、雄叫びを上げて引き返した。


戦いの余韻が静まる頃には、ペルがゴンドに近づいた。顔は青白かった。「その傷は…」彼はゴンドの脚を指差した。血が布地に染み込んでいる。「神よ、ゴンド、あの忌々しい刃が完全に貫通するのを見たんだ!お前は痛みで叫んでいるはずなのに、なぜ立っていられる?」


ゴンドは見下ろし、破れた布をめくった。深い傷を予想していたところに、太腿に浅い擦り傷があるだけだった。出血はすでに止まっていた。彼は軽い切り傷を見つめ、眉をひそめた。


「確かに見たんだ!」ペルは頭を振り、一歩後ずさった。「あの刃は深く突き刺さった。一体どうなってるんだ?」


しかし勝利に酔う間もなく、野営地への帰還は別の恐怖を明らかにした。ひっくり返った鍋、散らばった持ち物、土に残された引きずり跡が物語を語っていた。二人の奴隷商が戦闘中に忍び込み、戦えない者たち、老人、女性、子供たちを狙っていた。主力が壊滅したと悟ると逃げ出していた。


しかし彼らは痕跡を残していた。


老ヘンリクが子供たちの避難所の近くに横たわっていた。弩の矢が体に無数に刺さっている。風雨にさらされた元兵士は、守ると誓った者たちを守って死んでいた。風化した手は、奴隷商たちを食い止めるのに使った折れた槍をまだ握りしめていた。近くで、若い母親が木にもたれて座っていた。虚ろな目が虚無を見つめ、胸の傷からまだ血が滲んでいた。ゴンドは彼女がつい二日前に避難所に到着したばかりだったことを思い出した。


シムが子供たちの避難所の横にひざまずき、右手を胸に押し当てていた。拳は割れて血まみれで、奴隷商の剣が近くに放棄されていた。持ち主はどこにもいなかった。ゴンドが近づくと、司祭は苦痛に満ちた目で見上げた。


「そうするしかなかった」シムは静かに言った。声は苦悩で重かった。「やつは子供たちを狙っていた。私には…」彼は強く飲み込んだ。目は古い痛みで遠くを見つめていた。「やつの手首を打った。剣を落とすのに十分なだけ」肩が落ちた。「でもそれで楽になるわけじゃない」声がかすかな囁きまで落ちた。「楽になることは決してない」


そして野営地の中央で、若いダックスが自分の血の広がる水たまりの中で喘いでいた。


少年の胸が荒く絶望的なリズムで上下していた。苦しい息のたびに唇から紅く染まった泡が湧き出た。奴隷商のメイスが肋骨を砕き、骨の破片を肺の奥深くまで押し込んでいた。一息一息が闘いで、一つの鼓動が前のものより弱かった。


シムは子供たちの避難所からダックスの横にひざまずくために移動し、負傷した手の痛みを無視して持てる限りの治癒力を注いだ。汗が司祭の額に玉を作り、努力で顔が青ざめた。手が震え、煌めきが死にゆく蝋燭のようにちらついた。


「だめだ」シムは息を詰まらせ、涙で視界がぼやけた。「アラニィよ、お許しを、損傷が…ひどすぎる。私には…できない」手が脇に落ち、かすかな煌めきが消えた。


周りで生存者たちが静かな輪を作った。肩が敗北に落ちた。手が口を覆ってすすり泣きを押し殺した。目が死にゆく少年から逸らされ、自分たちの無力さを目撃することに耐えられなかった。アリアが兄の横にひざまずき、涙が血に染まった顔に落ちた。


ゴンドは、抗うことも名付けることもできない何かに、心を引き寄せられた。足が意識的な思考なしに前に運び、心と死にゆく少年を結ぶ見えない糸に引かれた。嘆く者たちの輪が彼の前で分かれ、顔には諦めが刻まれていた。


彼はダックスの横にひざまずき、手をひどい傷の上に浮かべた。少年の呼吸が浅く、より苦しくなった。時間がなくなっていた。


アリアが見上げ、涙で頬が濡れていた。彼を止めようと手を伸ばした。


「彼にやらせろ」シムが静かに言い、彼女の手首を掴んだ。目はゴンドの顔から離れなかった。


ゴンドは手のひらをダックスの胸に置き、目を閉じた。最初は何もなかった。暖かさも、力も、神の存在もなかった。ただ血のべとつきと、手の下で衰えゆく心臓の壊れたリズムだけ。


*アラニィよ*彼は心の中で祈った。言葉が意識的な思考なしに形作られた。*もしあなたがそこにいるなら、これが本当なら、彼を救うのを手伝ってください*


徐々に、夜空に現れる最初の星のように、彼は存在を意識するようになった。生命のちらめき、死にゆく燃えさしのようにかすかだった。ダックスの本質が、体の壊れた殻にかろうじてしがみつき、闇に滑り落ちる準備ができていた。


ゴンドはその脆い火花を心の中で包み込み、冷たい炉の最後の石炭に命を吹き込むように息を吹きかけた。少年が完全であることを想像した。肋骨は折れておらず、肺は澄んでいて、血は流れるべきように流れている。その幻想にすべてを注ぎ込み、燃えさしを持てるすべてで養った。


火花が燃え上がった。成長した。眩い炎に燃え上がった。


突然、ダックスの生命力が野火のように爆発し、あまりに明るく燃えてゴンドの意識を押し戻し、その強烈さで感覚を圧倒した。黄金の閃光が手から注ぎ出し、午後の太陽を上回る輝きで野営地全体を照らした。


少年の傷が閉じ始めた。骨が聞こえるようなクリック音で繋がった。引き裂かれた肉が自分自身を修復した。下に溜まっていた血が逆流するように見え、まるで傷そのものが記憶を失っていくかのようだった。


灼熱がゴンドの腕に洪水のように流れ、血管に血の代わりに溶けた金が流れているかのようだった。手のひらが少年の胸に触れているところで焼けるように熱かったが、痛みではなく、骨を痛ませる強烈さだった。力が稲妻のように彼を駆け抜け、筋肉を震わせ、息を鋭く喘がせた。


ゴンドの視界が白くなった。燃え盛る本質が彼を押し出し、治癒への繋がりを断ち切った。意識が断片的に戻ってくる中、彼はよろめいた。手がダックスの胸から離れた。指先はまだ残留する暖かさでうずき、口の中に清らかな甘さが残っていた。


視界がはっきりすると、ダックスが起き上がっていた。手が致命的な傷があったところに動いていた。無傷の肌以外何も残っていなかった。目は澄んで明るく、痛みや怪我の痕跡は若い顔に影を落としていなかった。


息一つ空気を動かさなかった。風さえ静まり、自然そのものが息を止めているかのようだった。倒れた料理の火から出る燃えさしのパチパチという音が、絶対的な静寂の中で雷のように響いた。五十人の逃れてきた人々がゴンドを見つめ、畏敬から恐怖、崇拝に近いものまでの表情を浮かべていた。黄金の光は消えたが、その記憶がすべての見守る目に燃えていた。


「アラニィの慈悲よ」群衆の後ろから誰かが囁いた。


「奇跡だ」別の者が息を漏らし、ひざまずいた。


年老いた女性がアラニィの絡み合う円を繰り返し指で作り、唇が無言の祈りで動いた。若い父親が子供たちをより近くに抱き寄せ、驚きと恐怖で目を見開いた。数人の人々が後ずさりし、そのような神の力の近くに立つことを恐れているかのようで、他の者たちは前に押し寄せ、聖なる力の残り香に触れようと震える手を伸ばした。


ゴンドはよろめいて後ずさり、足が下で崩れた。地面に重く座り込み、残留する力で震える手を見つめた。もはや否定することはできなかった。合理化することもできなかった。彼を流れた力は神聖で、その性質と範囲において間違いようがなかった。


シムがゆっくりと近づき、顔が輝いていた。「今度は信じるか?」彼は優しく尋ねた。


ゴンドは手を見た。まだあの燃える光の記憶でうずいている。神殿、幻視、希望を運ぶと語った声のことを考えた。すべての兆候がそこにあったが、彼はそれらが何であるかを見ることを拒んでいた。


「信じる」彼は息を漏らした。認めることが魂から重荷を取り除いた。それから、より荒い祈り、ほとんど呪いのように:「信じる、アラニィよ、助けてください」


司祭は微笑み、ゴンドの肩に手を置いた。「彼女はすでに助けている、友よ。すでに助けている」


ダックスが立ち上がって彼のところに歩いてきた。若い顔が年齢を超えた理解で厳粛だった。「ありがとう」彼は簡潔に言い、それからひざまずいてゴンドの手にキスをした。


「頭を上げろ」ゴンドは慌てて言った。「俺は神でも王でもない」


その仕草がゴンドの胸の中で何かを壊した。彼は少年を立たせ、それから自分の民の顔を見回した。彼らは今や彼の民だった。信仰と奇跡と手から流れた黄金の光によって彼に結ばれていた。


彼はアラニィに選ばれ、力を授けられた者だった。望んだかどうかは関係なく。


周りで人々が歌い始めた。天に昇る賛美の讃美歌で、抑圧された者たちの希望と来るべき正義の約束を運んでいた。ゴンドは彼らの中に立ち、もはや運命と戦うのではなく、それを受け入れ、神の目的という重荷と祝福を担う準備ができていた。


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