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出会うべくして出会った二人

 オレたちはウォルテスキアを出発しだだっ広い平野を南西に向かって絶賛走っている。ただ、ラーさんの部下に合わしているためか、オレたちからすると走る速さは全然速くない。ラーさんが1日かからないぐらいと言っていたのでヘルミーに教えてもらった通り馬車と同じぐらいの速さなのだろう。

 出発してから2時間ぐらい走ったところでラーさんが部下の様子を気にし始めた。


「オレたちは休憩でも大丈夫ですよ」

「申し訳ないです。いったん休憩にしたいです」


 何もない平野だったのでオレたちはすぐに止まり1時間ぐらい休憩を取ることにした。オレはヘルミーを下ろしストレッチをしておくように言っておいた。


「やはりすごいです。3人は全く疲れてないですね。ヒーロさんはヘルミーさんを抱っこしているのに疲れた様子がないです」

「これぐらいの速さなら問題ないですよ」


 オレも軽く体を伸ばしたりしているとウィネが話しかけてきた。


「ヒーロよ、少し気になったのだが……トイレはどうするのだ」


 あぁ……オレが1人で行動してたら適当に済ますけどオレ以外全員女性だな。


『私はそこらへんで済ましますよ』

「ミコはたしかにそれでいいが、我らはどうするのだ。ヒーロになら見られても良いがそれ以外に見られる趣味はないぞ」

「わ、わたくしはまだヒーロさんに見られる心の準備ができておりませんわ」


 いや、そもそもオレもそっちの趣味はないんですが。


「私たちは慣れているので適当に済ますです。ただ、ヒーロさんに見られるのはまだ勘弁してほしいです」

「そもそも見ないので大丈夫ですから」


 オレとウィネとヘルミーはワープホールで帰ればいいからそのタイミングでラーさんたちも済ましてもらうか。


「ウィネ、ヘルミー、したくなったらワープホールで家に帰ってしたらいいから」

「うむ、それが一番だな」

「はい! そのほうが安心ですわ」

「ワープホールってなんですか?」


 そういえば昨日帰り際にラーさんが何か反応してたな。オレはラーさんたちにワープホールのことを説明した。


「そんなことができるですか!? ヒーロさんはいったい何者ですか!?」

「人族ですよ」


 まぁ、中にアースターがいるからちょっと他の人とは違うけど。


「ヒーロをただの人族と思わないほうが良いと思うぞ」

『マスターは私のマスターです』

「説明になっとらんだろ!」


 そんなこんなで休憩が終わり、再び出発することになった。オレは今度ヘルミーをお姫様抱っこせず背中に抱っこすることにした。たぶん長時間の移動だとヘルミー的にはこちらのほうが楽な気がする。


「ヒーロさんの背中……いいですわ」


 ヘルミーも十分大きいものをもってらっしゃるので当然ながら背中に当たるのだが、ヘルミーはデートのとき同様遠慮なく押し付けている。


「ヘルミー、しんどくなったら言ってな」

「はい!」


 なぜかまたラーさんたちがこちらを見ながらざわついていたが見ないことにして出発することにした。


 その後、休憩や軽い食事を挟みながら15時間ほど走り続けて、現在は日が変わり朝になろうとしていた。ちなみに、ヘルミーには寝てもいいと言っていまはオレの背中で寝ている。

 そして、ようやく目の前にウォルテスキアよりも大きい街が見えてきた。


「ようやく見えたです。あれがクラージュフェッロです」


 さらに街に向かっているオレから見て左側にはちょっとした街と同じぐらいの敷地にものすごく大きい洋風の城が立っている。


「あの城デカすぎでしょ」

「ふふっ、ロリアデラ様ぐらいであれば当然です」


 あの城高さ何メートルあるんだよ、何とかツリーと同じぐらいの高さしてないか。


「あの位置の作りだと城には直接入れるんですか?」

「そうです。街を経由しなくても城には入れるです」


 ある程度ロリアデラさんの城に近づいたらオレたちは走るのをやめ歩き出した。ヘルミーを寝たままロリアデラさんに会わすわけにも行かないので起こして一緒に歩いている。


「こっちから入るです」


 ラーさんに着いていくと大きい門が現れ衛兵と思われる方が門を開けてくれた。


「ラーさん、ミコはこのままでも大丈夫ですか?」

「大丈夫です。ミコさんの大きさでも全然問題ないです」


 この大きさの建物ならそりゃそうですよね。それにしてもものすごくワクワクしてきた、城だけ見てるとものすごい大きいテーマパークに入っていくようなもんだな。

 敷地内に入ってラーさんのあとをついていくと、明らかに他とは異なる3つの気配がこちらに近づいてくる。


「ろ、ロリアデラ様! わざわざこんなところまで来られたですか!?」

「えぇ、誘拐事件を解決していただいた大切な客人ですから」


 なるほど、この人がロリアデラさんか。たしかに、今まで会ってきた人とは格が違うな。

 ロリアデラさんはヘルミーに教えてもらった通り顔全体を覆う白いフードを被っており顔は見えない。身長は150cmぐらいと小さくどこかのお姫様みたいな白いドレスを着ている。一見すると普通の人族の少女だが、メデューサだからフードを取ると髪が蛇なのかもしれない。

 そして、お供の女性2人がラーさんと同じ種族と思われる三蛇華姫の2人だろう。


「ラーとみなさんもご苦労様です。ここはもう大丈夫ですので、ゆっくり休んでください」

「私はここに残るです。お前たちは下がって休むです」

「はっ! 失礼します」


 ラーさんの部下がロリアデラさんに頭を下げ城の中に入っていった。


「ロリアデラ様、こちらがヒーロさんです。そして、こちらのホワイトタイガーがミコさんで、サキュバスがモデウィネさん、人族がヘルミーさんです」

「ラー、ありがとうございます」


 ラーさんがロリアデラさんに紹介してくれると、ラーさんはロリアデラさんのほうに行きオレたちと向かい合う形になる。


「お初にお目にかかります、私はロリアデラと申します。こちらのナーガがシーで、こちらのバジリスクがクーといいます」

「三蛇華姫のシー・ジェイニです」

「同じく三蛇華姫のクー・ヴァッリーサですぅ」


 シーさんは緑色のセミロングの髪型で下半身が緑色の蛇、クーさんは紫色のストレートロングの髪型で下半身が毒々しい紫色の蛇だった。さらにクーさんのほうは上半身に羽毛などの鳥の特徴がある。


「改めて、オレがヒーロです。こちらのホワイトタイガーがミコです。ミコ話せるようにだけしておいて」

『承知しました』

「我はサキュバスのモデウィネだ」

「わ、わたくしはヘルミー・ハウラプトと申します」


 ところで、ロリアデラさんって一国の王だから様付けのほうがいいのかな。


「ロリアデラ様って呼んだほうがいいですか?」

「ふふっ、お好きに呼んでいただいてかまいませんよ」

「そうですか。――――それじゃ、リアさんで」

「!? え、えぇ、それでもかまいません」


 なんだろ、一瞬リアさんの雰囲気が変わったけど。まぁ、すぐに元に戻ったから大丈夫か。


「このままここで話すのも失礼なので中に入りましょう。もしお疲れでしたらお休みになられてからでも構いませんが」

「大丈夫ですよ、疲れていないので」

「そうですか。では、中に入って話しましょう」


 オレたちはリアさんと三蛇華姫の3人のあとについて歩いている。

 後ろから見ると、三蛇華姫の3人はものすごく長いな。シーさんが一番年長とか言ってたけど見た目3人とも同じぐらいで美人さんなんだけどな。


「ヒーロさんはこの子たちのことが気になりますか?」

「ははっ、バレましたか。初めて見た種族でしたので」


 リアさんが振り返らずにオレが3人を見ていたことに気づいた。あれが魔眼なのかな、というか視界を奪ってるわけだから関係なくわかるかもな。


「私であれば好きに触っても大丈夫ですよぉ」

「ちょっとクー、はしたないことは言わないの! ヒーロさん、クーの尻尾は気を付けてくださいね。クーが毒に侵してしまいますから」


 あの紫色は見るからに毒っぽいけど体内で毒でも生成できる体なのか。


「ははっ、気を付けます。そういえばラーさんからシーさんが年長って聞いたんですが、見た感じ3人は同じぐらいに見えるんですけど」

「ヒーロさん! ダメです! それ言っちゃダメです!」

「えっ!?」

「ラー……私のことを年増って言ったんですね、おばさんって言ったんですね」

「言ってないです! 年長って言っただけで、年増ともおばさんとも言ってないです!」

「あとで覚えておきなさい!」

「うぅ……ヒーロさんダメです。シー様に年齢に関して言うと湾曲して伝わって何も聞いてくれないです」


 えぇぇ、年長って言っただけで、具体的な年齢に関して言ったわけではないんだけど。


「ふふっ、シーは688歳、クーが222歳ですよ。それで一番若いのがラーで82歳になります」

「ロリアデラ様! そんなハッキリ教えなくても……」


 リアさんがハッキリ年齢まで教えてくれたが、思ってたより年上だった……。


「私よりずっと下なんですから気にしなくてもいいですよ」

「それはそうですけど……」

「ヒーロさん、私は1500歳を超えています。もう数えるのも面倒になりました」

「ははっ、そうなんですね」


 もう魔族の年齢の基準がよくわからないな、魔族は年齢がないものと思ったほうがいいのかも。


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