第6部
俺が追い返された門番に御者は通行証を見せ、門をくぐり抜ける。
領内は夜の活気で賑わっていた。
町は中世風のレンガ造りで露店もちらほらとあり、馬車は門から続く大通りを走り続けどんどん町の奥へと進んでいく。
「ねぇ、異世界からきたって本当なの?」
彼女はいきなり問いかけてきた。
「え、あ、あぁ、そうだよ。」
なんてところなのどんな場所なの、と矢継ぎ早に質問をしてくる。挙げ句にはこっちの世界で仕事が見つかるまで家にいればいいとまで言ってくる。
彼女が何故そんなにもよくしてくれるのか、俺は訳もわからないうちに彼女の家、もとい屋敷へとついた。
屋敷と言うにふさわしく、かなり立派な構えの邸宅だ。
門扉を抜け
「さぁ、ここが私の家よ」
彼女は俺を屋敷の中へと誘おうとする。
馬車を降りた俺は今までの疑問を彼女へとぶつけ
「さっきも言ったけど、なんで俺にそこまでよくしてくれるんだ。身元も知れない俺なんかのために。」
しかし、彼女の答えはすぐにかえってきた。
「それはさっきも言ったけど後悔したくないからかな。」
真剣に話す彼女
「押し付けになっちゃってるのかもしれないけど、困ってる人見たらどうしても助けないとって思うの。もちろん、私にできることなんて微々たるものだし困ってる人すべてを助けられるなんて大それたことも言えない。でも、自分の目に留まった人だったり、周りの人にぐらいは幸せでいてほしいって思うの。」
最後に迷惑かな?っと少し寂しげに首をかしげる彼女に俺は何も返せなかった。




