↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『彼方と日常の境界、そのリアル』 ―ある日、大阪上空に未知の紋様が現れたら、現実社会はどう動く?―  作者: そらと ソラ
プロローグ 変わる日常

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
6/42

第五話 現状把握


2027年3月10日(水) 08:00


「知事!」


 危機管理室から出迎えに来た危機管理監が、声を掛けた。


 その隣には、副知事の姿もある。


 知事は小さくうなずき、歩みを緩めることなく二人のもとへ向かう。


 そこへ、待ち構えていた記者たちが一斉に駆け寄った。


「知事!」


「上空の現象についてコメントをお願いします!」


「府としての対応は!」


 矢継ぎ早に質問が飛ぶ。


 知事は足を止めない。


「現在、状況を確認しています。」


 それだけ答えると、三人は足早に正面玄関を抜けた。


     ◇


 危機管理室。


 扉が開く。


 室内にいた職員たちが一斉に顔を上げた。


「そのまま続けてください。」


 職員たちは再び、それぞれの作業へ戻る。


 危機管理監が知事を室内中央の机へ案内した。


 副知事もその隣に立つ。


 知事は椅子には座らない。


「現在確認できている事実だけを。」


 危機管理監が資料を開く。


「現時点で最も早い映像は、午前7時43分頃のものです。府内のお天気カメラに記録されていました。」


「現時点では、円の中心直下は阿倍野付近とみられます。大阪市のほぼ全域を覆い、堺市、八尾市、東大阪市の上空にもかかっています。」


「根拠は。」


「複数地点からの目視情報を照合した結果です。正確な位置は確認中です。」


「現象は現在も同じ位置に留まっています。」


「現時点で、落下物など地上への直接的な影響は確認されていません。」


「府警、消防、航空関係機関とは直通回線で情報を共有しています。」


 知事は静かにうなずく。


「何か被害は。」


「現在のところ、人的被害の報告はありません。」


「府内の状況は。」


「問い合わせが相次いでいますが、現時点で大きな混乱は確認されていません。」


「交通機関は。」


「鉄道各社は現在もダイヤどおり運行しています。」


「一方で、関西国際空港、大阪国際空港、神戸空港の3空港では離着陸を停止しています。」


 室内が静まり返る。


 知事は机上の資料へ視線を落とした。


 分かっていることは、まだあまりにも少ない。


 危険なのか。


 安全なのか。


 なぜ現れたのか。


 判断するには、材料が足りない。


 知事はゆっくりと顔を上げた。


「分かりました。」


 一拍置き、危機管理監へ視線を向ける。


「新しい情報が入り次第、直ちに報告してください。」


「承知しました。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。