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24.遥か昔話〜戦い(前)〜
私を包み込む赤黒い炎
目の前の人間が憎い
呪い殺したい程に忌々しい
私はハルと一緒に居たかった
それをこの人間は阻んだ
許せない
許してはならない
この炎でこの人間を葬ろう
じわじわと痛みを与えながら
泣き喚き泣き叫んでも
殺してやらん
私の気が晴れるまで永遠に
この人間に苦しみを与えねばならない
想いに呼応するかのように私の全身を蠢いていた炎が意志を持ったかのように動き出す。
「おい!お前が俺様の下僕達を燃やし尽くした糞野郎か!ぶっ殺してやる!」
下卑た笑みに段々と変わって行く人間の顔を見て胸糞悪くなって行く。糞野郎はこの人間だ。何故私がそんなことを言われなければならんのだ?許せない。
「最期に言い残すこたぁねぇのか?ねぇよなぁ?じゃあ、死ねぇぇぇ!」
人間が私にナイフを振り下ろしてくる。単調な動き、ハルなら簡単に避けらる程にゆっくりとした攻撃。
後衛職の私ですら見極められるとは、雑魚だな。しかし私は避け無い。避ける必要すらないのだ。
左上から迫って来るナイフの先と、醜悪で吐き気が起きる顔の雑魚を交互に見ていると、雑魚の右腕が肘の辺りから吹き飛んだ。放物線を描きながらナイフは雑魚の後方へ落ちる。
私の前方には何が起こったか分かっていない、間抜けな顔をした雑魚がいる。




