23.開戦〜起〜
遅くなりました、すみません!
〜???〜
「我が王よ、被害報告書が完成しましたぞ」
「見せてみよ、あと2人の時はそんなに畏まらなくて良いと言っているであろう?」
「ハッ、分かりました。こちらです」
『東の山脈ハーピー討伐被害報告書(有死体)
国名:ゲルメッチヨ王国
配属部隊:人間側魔法剣士団第六部隊
役職:副隊長
名前:ハルグリッド・シローネル
状態:見つかった当初は首から下が無く、鼻から上側が地に埋まり顔の識別が、ほぼ不可能な状態だった。
だが、魔法師団の協力により顔の復元に成功しており、シローネル公爵家次男ハルグリッドの物だと判明した
原因:不明だが、ハーピー以外の何かに襲われたと断定。また、鋭利な爪を持ち腕力に優れた種だと予想。多分、オーガと言った鬼人の可能性が大である』
ふむ、ワシは目の前の物体に目を向ける。安らかに目を瞑る腐らない生首が、そこに鎮座している。忌々しい、失敗しただけではなく、この様な恥知らずの状態で戻ってくるとは!
ワシは憤慨しながらも状況を整理する。
ワシが目を覚ますと、もう事態は忙しなく動いている所であった。何事かと思い、専属給仕に話を聞いてみると「生首が中庭に放置されている」と、冗談のような話である。が、しかし、実際に現物と報告書を見てしまうと何とも言えなくなってしまう。
「のう、将軍よ。
魔法騎士団六番隊と言えば、英雄が配属されていた場所では無かったかのう?」
「ハッ、作用にございます!ですが...。多分奴ですら、負けているかと。」
英雄。ワシが無理をして帝国から手に入れた最強の駒。だった筈なんだがのう。
どうしたものか、困ったな。英雄までもが敗れ去ってしまっているかもしれない、となると大変じゃな。
実力は定かであったが、経験と知識が付いてこない素人であったのは確かだが、いや、まさか本当に死んでしまったのか?
あやつの事じゃから、いつもの様に周りを騙しながら飄々と帰ってくるかもしれん。
あやつの二つ名『詐欺師』の名の元に。
怯えたフリをして敵を魔獣ですら、油断させて屠る男。そのやり方で、単身他大陸の将軍を倒し舞い戻ってきたことから、英雄と共につけられた名前。
「如何致しましょうか?」
「帝国に応援要請だ!
英雄殺しの魔獣討伐の為
とか、言ってやれば帝国は動くじゃろう?
英雄、いやあの詐欺師は帝国の第二継承権を保持していたのだから。
1人目は女だから、実質的に皇帝になる事は無い。帝国は後釜を失ったのじゃ。その復讐となれば、必ず動く。
もしかしたら、勇者まで付いてくるかもしれぬぞ?」
「流石に勇者は......いや、あるかもしれませぬぞ!」
「ほう?」
「なんでも、先日に召喚の儀を成功させたという噂が入ってきております。
帝国が2人目の勇者を召喚した、と」
「では、今すぐ報を出せ!
渋るようだったら、娘を差し出す」
「なんと!?姫君はまだ7歳に居られますぞ!?」
「現皇帝は、先代勇者の言葉を借りると『ロリロリコン』と言うらしいから、大丈夫であろう!」
「ハッ、分かりました。では、行ってまいります!」
魔獣か、喰えば旨いのであろうな。
フフフ、フハハハハハハハッ!
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「魔獣討伐、それが、僕の初陣ですか?皇帝様。」
「うむ、そうじゃ、敵は強敵らしいから警戒を怠るなよ?勇者よ」
「分かっています、必ずや!我が名に誓って!」
「うむ、国王の娘が手に入り、勇者の強化にも繋がる。一石二鳥じゃな」
「皇帝様は俗に言うロリコンだったのですね、皇帝様の頭の中マジオワコンですね」
「あ?早く行けぃ!」
「言われなくても行きますよ。では、改めて行ってまいります。
私、『紅地 海青』が有終の美を飾ってきますよ!」
勇者『紅地 海青』は死へのカウントダウンに自ら足を踏み入れたことには気付かないのである。
そして6日後「魔獣の楽園」討伐作戦において、魔王と勇者がぶつかり合うのは言うまでもないだろう。
次回は、主人公視点で、勇者と出会う所まで行きたいと思っています。




