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第一話「不幸体質」




日がささない暗い部屋

本に囲まれた少年が1人鏡の前で座り込む


「???」・・・・・・あのこ、、。


「⁇?」・・・・・・


「⁇?」綺麗だ。



…………



私の名前は結衣。

普通の女子高生!

普通に幸せ。家族がいて友達もいて毎日が平穏!

の、はずなんだけど、、、。


「あっつい!何なのこの日本の熱い夏は!てか!

まだ7月あたまだよー?!なんだろうね!ほんと!」


あっつい!といいながらバス停までの道を歩く。

朝っぱらから大きな独り言を言いたくなるくらい今日は暑かった。


「はぁー、やばい。水持ってきてないよぉ!

あぁーみずぅ、みずぅぅぅー!」


なーんてつぶやいていたら、きたよ。水。


(ぽたっ)


「えっ、?」


(ザーー!!!)


「へ?えっ!!雨!?豪雨!?

なんでぇ!さっきまで晴れて、、いや!天気予報士嘘つき!今週はずっと!晴れって!もぅ!!」


鞄を傘にしながらとりあえず私はバス停まで走った。

「水って!雨のことじゃないのよぉー!!」


誰もいないバス停までもう少しのところ。

そう叫びながら走ると、あんだけ降っていた雨が急に弱まり、、、

.......やがて、すぐに降り止み、日が出てきた。


「え、えぇー、何だったのよ。

もう、。通り雨!?あんな豪雨の!?」

なんて悶々していると、自転車に乗った男子生徒が通りかかり声をかけてきた。


「おい!何してんだよ。遅刻するぞ。」

「あっ。」


クラスメイトの海斗だ。

いっつも私のこと馬鹿にして、いっつも偉そうな奴。きっと私のこと嫌いなんだわ。

わざわざ声かけてきてやな人だな。


「あんな豪雨の中だったんだからしょうがないでしょ!なんか、バスも遅れてるし。

てか海斗くん。めっちゃ濡れてるじゃん!

ハンカチ貸してあげようか?」


海斗「なっ!いや!いいよ!

お前のなんか借りれない!

それより大丈夫ならいいや!

遅刻すんなよ!」


いや、私のなんかって。

失礼な。ちゃんと洗っとるわい。


「はいはい。お先どうぞー

私は次のバス待つから。」


私がそう言うと、海斗は自転車を漕ぎ先に学校へ向かった。


「とはいえ。バスの遅れとかほんとについてない。まぁでも、びしょ濡れでバス乗るのもあれだし、歩いて行こうかな、、。

わぁー遅刻するかも。バスがすぐ来てくれればなぁ。」


なんてことをぼやくと一つ前の信号でバスが赤信号に捕まってるのを見た。


「おっ。来た!服もだいぶ風で乾いてきたし、乗っちゃお。何なら海斗より先に着くかも!」


なんとなく海斗にご愁傷様ですと心の中で手を合わせながら、私はそのバスに乗り学校に向かった。

校門前で海斗を見かけたけど、さっきのことがあり、なんとなく気まずくて小走りで教室まで向かってしまった。


「おはよー」


可奈「おはよう!」

志保「おはよー」


この2人は親友の可奈と志保!

可奈はスポーツが得意なボーイッシュな子で歌を歌うのが好き。よく一緒にカラオケに行く。

志保は朗らかな子でメイクとかオシャレとかが大好き。吹奏楽部に入っていて今は部活で忙しいらしい。


「さっきの雨やばくなかった?いきなり降ってきてさー。もうやんなるよねー」


可奈「雨?降ってたっけ?」


志保「んー、私朝練で学校早くから来てたけど降ってなかったと思うよ?」


「えっ!?どういうこと?私の家の前あたりだけ豪雨?めっちゃ強い通り雨でさー!ほらっ!まだちょっと制服湿ってるし!鞄も濡れてるでしょ?」


志保「ほんとだー!」

可奈「それはなんというか、うん。災難だったね。」


「ほんとだよー、バスもその雨のせいで遅れてたし、まぁ、その後すぐ来たからいいんだけど、

しかもその時海斗くんに会ってさーなんかちょっかいかけられたし、まじ嫌われてるよね。

私やっぱり不幸体質かも。」


可奈「いやぁー?」

志保「海斗くんは、、まぁ、いっか。」


「ん?なに?」

可奈「なんでもない、なんでもない!」

志保「あたたかく見守ってあげて?」

「どゆこと?意味わからん。」


可奈「ほらほら、先生来るよ!座りな?」

「あ、うん。わかった、?」


なんというか腑に落ちないが1時間目は文化祭も近いためホームルームだ。

先生が来るのを待とう。

そう思って急いで座ったので、私は斜め前に座る海斗の顔が見れなかった。

彼の耳が少し赤いのを親友2人がニコニコして見てることにも気づかなかった。



そして放課後。

志保は部活で遅くなるし、可奈もおばぁちゃんのお見舞いがあるとかで病院に向かってしまった。

ここ最近は一緒に帰れていない。


「今日はお母さんも帰るの遅くなるって言ってたし、ラーメンとか食べて帰ろうかな!

途中の龍松拳のラーメンはまじで毎日でも飽きない!」


なんて帰り道ウキウキしながらラーメン屋に向かうと夕方、いつも2、3人の客しかいない龍松拳の店前には10メートルくらいの行列ができていた!!


「えっ!なんで!いつも行っても人居ないのに!」


こんなことを言うと失礼だが、すぐに入れるラーメン屋というところも私のお気に入りの理由だったので、こんなに並ぶのは聞いてない。


「え〜、こんなに並んでるの初めてみた、。

うわぁ〜店主めっちゃくちゃ焦りながら作ってる、。これは今日は無理かも。なんでよー新メニュー?とか?一昨日から楽しみにしてたのにぃ!」


母の帰りが遅くなると聞いた一昨日から楽しみにしてた分落胆も大きかった。

昨日なんか、店の前を「ラーメン♪ラーメン♪龍松拳のラーメン♪」とか謎の歌を作曲しながら帰っていたのだ。


「はぁー今日はコンビニかなぁ、トホホ...。」


どうやら私はとことん不幸体質らしい。

そうしてこの日は肩を落として家まで帰ったのだった。



............



暗い部屋。


光る鏡の中では結衣が肩を落として歩いている。


少年は古びた本を閉じる。


「やっぱりだ。」


光る鏡を見つめながら呟く。


「また願いを叶えてしまった。」


鏡に映るのは結衣。


少年は微かに目を細めた。


「......結衣」

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