vs狂気と栄光の錬金術師デージー その1
デージーさんとの戦闘が始まった。
まずは小手調べで神罰を雑にばらまく。
ドドドドドドドォォォォォン
連続した爆発音が響き、煙が晴れた後には無傷のデージーさんが佇んでいた。
「うっそ……」
「それ、神罰之爆撃でしょ?」
「あ、はい」
数週間の子弟生活のせいか、戦闘中だというのについ返事をしてしまった。
「なつかしいな~それ、私がまだ現役の頃作ったんだよ。あ、もちろん今も現役だけどね」
ま、マジか……
まさかこれがデージーさん作だったなんて……いつもお世話になってます。
「さて問題です弟子ちゃん、それの正しい効果はなんでしょうか?」
この人は今が戦闘中だっていことがわかってるのかな?
まぁいいや。
「えっと……敵だけを爆破する?」
「まぁそれも正解ではあるんだけどね、正確には『人間と物質以外を爆破する』でした!」
ふむ、なるほどね。
「だから私は爆破されなかったわけ。ま、今の私が人間かってのは結構分かんなかったんだけどね、1000人ほど取り込んでるし」
「うひゃっ!」
こ、この人急に転換の針打ち込んできた……
「会話中は攻撃しないのがお約束でしょ!?」
「お~、今のよく躱したね~、師匠として鼻が高い!」
あ~もうリズム崩れるなあこの人と戦ってると。
「んじゃ、これはどうかな?」
「へ?」
デージーさんの周囲に大量の針が現れる。ほぼ隙間なく針が並び、とても躱しきれそうには見えない。
いいねえ、ゲーマー魂に火がついた、躱しきってやんよ。
精神転換は『針が刺さっている』状態のものにしか使えないらしいから掠るだけのものは無視して直撃を避ける。
さっそく変換で刀を造り、迎撃していていこう!
針を弾き飛ばし、弾いた針も使って他の針を弾く。
これを2,3度行うと円形の隙間を作ることに成功したのでそこに飛び込む。
あ、あぶなかった~……今の身長じゃなきゃ絶対何本か刺さってたね、間違いない。
ちみっこアバターを作ってくれたアルティちゃんに感謝しなくちゃ。
「お見事!」
「はぁ、なんとかなった……」
「それじゃ次はこれね♪」
急に視界が暗転する。うっそ刺された!?
と思ったら開けた空間に出た。どうやら広い地下室? に転移したらしい……って転移!?
と驚いてる時間はない、なぜなら全方位から矢がこちらに迫ってきているから!
できるだけ手札は見せたくないんだけど……これはあれ使わないと無理かな~。
そう考え同じ種類の手榴弾を10個ほど取り出しギリギリ矢が当たらないぐらいのタイミングで真下に叩きつける。
今使ったのは『環境破壊爆弾』というもので、私の手作りだ。
神罰や壊死榴弾にバラバラを使って火薬を取り出し、それを変換してたら偶然できたもので、効果は生き物以外を爆破するという効果。まさに環境破壊!
それを使って矢だけを吹き飛ばし、私は無傷ってわけ。
「ブラボー! ほんじゃ次これね」
今度はキマイラやホムンクルスがそれはもう大量に出てきた。
だけど残念、大量討伐は私の得意分野だからね。
「デージーさん、ここの壁とかって頑丈?」
「そりゃあモチのロンよ。ラグナロクが起こっても壊れない自信があるわ!」
それだけ言ってデージーさんは消えた。部屋に戻ったのかな?
ならよかった。まず罠作成で落とし穴を作って飛び込み、置き土産を残す。
罠作成の落とし穴、どんな材質でも穴が開くからホント便利。しかも消そうとすれば消えるっていうね。
ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!
もんのすごい爆発音が上で鳴り響く。
上に残してきた最大級のデカネードが爆発したんだ、当然エネミーの群れは……よし、全滅してるね。
「うっひゃー何今の……弟子ちゃん、かわいい顔しておっかないね~」
「ふふん、そうでしょ?」
「ほめてないほめてない」
あ、そうですか。
また逃げられたらたまったもんじゃない、ある特殊効果の付いた石ころをデージーさんの周りにまき散らしつつ一気に距離を詰める。
「お、近接戦だね? いいねいいね、受けて立つよ」
デージーさんの手に禍々しい巨大な鎌が出現する。なにあれ邪悪な笑いとか超似あっててめっちゃ怖い。
でも私にはあの人と正面切ってやりあうつもりなんてない。
斬りかかるモーションに入った瞬間デージーさんの右側にある石が爆発する。
「およ?」
あの石は神罰の見た目を変えたものだから気にせずそのまま私はデージーさんを斬りつける。
「あまい、あまあまだよ弟子ちゃん」
爆発にはチラリと一瞥するだけで対応せず、迫りくる刀に合わせて大鎌を振り鍔迫り合いに持ち込もうとする。が、鍔迫り合いは起こらず刀ごとあの私は両断された。
「へ? そんなに弱かった?」
あきらかに動揺するデージーさん。そのチャンスを逃さず私は背後から斬りかかる。
「な!?」
予想外の反応速度を見せ素早く前方に跳ぶことで背中を斬られるも致命傷を回避する……が、まだ私の攻撃は終わっていない。
私の刀が爆発し、デージーさんをさらに追撃する。
「か、はっ……!」
吹き飛んでいきつつも、まだ致命傷には足りなかった。
「なにいまの? 色々とどうなったの!?」
先ほどの流れ、その大部分で活躍したのが「千変万化」だ。
まず最初に投げた石ころ、あれは3種類あった。
1つはただの石ころ、1つはこのスキルを使って見た目を変えた神罰之爆撃、これは見破られた。
そしてもう1つは千変万化のスキルレベル15で覚えるこのアビリティ用のものだ。
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「奇跡の瞬間移動」
誰の視界にも入っていない間、事前にこのアビリティの対象として設定した5m以内にある物体と位置を入れ替える。
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これを使い、まずデージーさんの背後にある石ころと場所を入れ替える。
そして先ほど位置を入れ替えた石ころの見た目を千変万化を使って斬りかかる瞬間の私そっくりにしつつ変換を使い耐久値を下げ脆くした。
これを爆発に目が行った一瞬の内に行い、私が簡単に切断されて驚いてる隙に背後から斬りかかったのだ。
爆発した刀については結構簡単。
変換の時に壊死榴弾の火薬も一緒に内部へ詰め込み、斬った衝撃で爆発するようにするだけだ。
まぁ唯一の問題点は私に被害が出ちゃ困るからそこまで威力が出せないことかな?
相手がデージーさんじゃなければ圧縮して火力上げた神罰詰め込んで大爆発を起こせるのに~!
「にゃ、にゃはは、今のはなかなか効いたな~……」
倒しきれはしなかったけど結構な深手のはず。このまま押し切る!!
そう思い一歩踏み出したとき、ふいに視界が暗転した。
「でも残念、気を抜いた弟子ちゃんの負け♪」
「な、あああああああああああああああああ!!!!!!」
痛い痛い痛い痛い痛い!!!!
背中が焼けるように痛い! このゲームには痛覚が存在しないはずなのに!?
「にゃっはっは、さっき文字通り傷口に塩を塗っておいたからね、痛かろう痛かろう」
うっそ! いつの間に転換の針で刺されたの!?
「しっかしこの体は痛覚がないんだね、ふっしぎ~」
体によって痛覚がそんざいするなんてそんなことありえるの!?
「さてと、これで体は私のものになった。どうする? 弟子ちゃん」
ヤバい、これ詰んだかも。
「しょーがないな~、3分間だけ待ってやる。せいぜい抵抗してね♪」
ほんっとこの人はいたぶるのが好きなんだから……。
でもおかげでまだ生還の道は見えた。まだまだ足掻き続ける!!
戦闘描写ムツカシイ……てか書けねぇ
戦闘描写書ける人は本当に凄いと思いましたまる




