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40 ニワトリの罠、仕掛けます

 貝殻で作った水着を身に着け、池で水浴びを楽しむ女の子たち。


 大きな胸を隠しきれてないラヴィさん、ツヤツヤ肌のアンジュさん、なぜか恥ずかしがっているクルミさん。

 まるで泡から生まれたみたいに、すっごくキレイだ……!


「わあーっ! みんなヴィーナスみたい! ボクもまぜて!」


 とっても楽しそうだったので、ボクもオーバーオールを脱ぎ捨て、パンツ一枚になって飛び込んでいく。


「よぉし、ソラを集中攻撃だっ!」


「うふふふっ! ソラちゃん、それっ! きもちいいでしょ!?」


 さっそく水を浴びせてくる、アンジュさんとラヴィさん。

 クルミさんだけは、まるで肝をつぶしたみたいな表情をしている。


「どうしたの? クルミさんっ! いっしょに水かけっこしようよっ!」


 ボクはアンジュさんとラヴィさんにやり返しながら、クルミさんを誘う。

 クルミさんはアワアワしながら、両手をワイパーみたいにブンブン振り返してきた。


「そそっ、そんなっ! ソラ様にお水をかけるなんて、とんでもない……!」


「そんなに遠慮しなくても……アンジュさん、ラヴィさん! クルミさんを手伝ってあげて!」


 ボクがふたりにお願いすると、すぐさまクルミさんの両側についてくれた。

 クルミさんの右手をアンジュさんが、左手をラヴィさんが取る。


「えっ……!? アンジュ様、ラヴィ様……!?」


 クルミさんがアタフタしている間に、


「クルミ、ソラをやっつけるよっ!」


「クルミちゃん、ソラちゃんも涼しくしちゃいましょ!」


 ふたりはクルミさんの手を導いて、ボクに水をかけてくれた。


「……ははっ! やったなっ! このぉーっ!」


 ボクは腕いっぱいに水を抱えて、三人にぶっかける。


 すると、いつの間にか犬のポポがボクの側についていた。

 後ろ足で砂かけするみたいに、水しぶきをあげている。


 これは、心強い味方だ……!

 でも、まだ2対3……!


 なんとかして、あとひとり……! と思い、ボクはあたりを見回す。


 すると、家の陰に隠れてこちらを覗いているノボルさんがいた。


 ボクはノボルさんの元に駆けていき、手を引く。


「ノボルさんも水かけっこしよっ!」


「ええっ!? い、いえ、お……俺は……いいですっ!」


 なぜか顔を、トマトみたいに真っ赤にしているノボルさん。


「どうして? 見てるってことは、やりたいんでしょ?」


 ボクが尋ねると、ノボルさんはいつもの元気をどこかに置いてきたかのようにうつむいて、「……は、はい……」とだけ答えた。


「じゃあ、行こっ! ボクを手伝ってよ!」


 ボクは手を引っ張り、ポポも後ろから押してくれて、ノボルさんを池のほうまで連れていく。


「あっ、ノボルがきたっ! やっちゃえっ!」


「ノボルくんにも、それーっ!」


「そっ……それぇっ……!」


 さっそく女の子たちからの水の洗礼。


「わあっ!? やったなぁーっ! よぉし、ノボルさん、いっしょに水をぶっかけよう!」


「は……はひぃっ!」


 ……それからボクたちは、しばらく水かけっこをして楽しんだ。

 少しするとノボルさんもクルミさんも慣れてきたのか、ボクたちと一緒になって大はしゃぎしていた。


  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆


 遊んで疲れてしまったので、ボクたちはちょっとお昼寝をしたあとに、行動を開始する。


 モンスターがいないことを確認しつつ、ジャングルの木がなるべく少ない場所に降りた。

 これだけ大きいだけあって、着陸もうるさい。


 地震のような揺れと、木々をなぎ倒す音があたりを支配した。

 どこからともなく降りてきたような草原の牧場にビックリして、動物たちは逃げ出し、遠巻きに見ている。


「あっ! サルだっ! かわいいーっ!」


 木の上にいるリスザル見つけ、真っ先に飛び出していこうとするアンジュさん。

 ボクはあわてて彼女の腰に抱きついて止める。


「ちょ、ちょっと待ってアンジュさん! ひとりで行っちゃ危ない! それに作戦があるから、聞いてからにして!」


 ボクはアンジュさんを押さえながら、みんなに呼びかけ……考えていたニワトリ捕獲作戦を話す。


 まず、ボク、ノボルさん、クルミさん、ポポ。

 そして、アンジュさん、ラヴィさん、フルール。


 この二班に分かれる。ラヴィさんはボクについて来たがったけど、なんとか説得する。

 そしてアンジュさんの班には、フルールのアイヴィーウイップを使ってのニワトリ捕獲を指示した。


 さらに念のため、セキショクヤケイのことを教えておく。

 居そうな場所や習性、そして雌雄の見分け方。


 セキショクヤケイというのはニワトリの元になったとはいえ、獰猛なところがあるのでケガにだけは注意して、とお願いする。


 作戦説明を終えたあとは、いよいよ二手に分かれて行動を開始する。

 おそらくアンジュさんチームは賑やかな捕獲に、ボクのチームは静かな捕獲になるはずなので、なるべく逆の方向に向かう。


「あの、ソラ様……こんな土器で、鳥を捕まえられるんですか?」


 背中に石ヤリを背負い、寸胴みたいな土器を抱えているノボルさんが、不思議そうに聞いてくる。


「たぶんね。セキショクヤケイが引っかかってくれるかはわかんないけど、罠を仕掛けようと思って」


「……わな、ですか?」


 投石器をタスキがけにし、同じく寸胴鍋を抱えているクルミさんも、なんだか不思議そうだ。


「うん。エサでおびきよて、その土器で捕まえるんだよ。それにしても、暑いなぁ……」


 さわやかな森の集落と違い、ジャングルは湿度が高くてムシムシする。

 それに同じような獣道でもシダやツル草が多くて、足に絡みついてくるので歩きにくいんだ。


「虫も多いですね……このっ」


 ノボルさんは手で追い払っていたんだけど、ついに我慢できなくなったのか掴み取っていた。

 そのまま投げ捨てようとしてたんだけど、


「あっ、ノボルさん、虫は罠のエサに使えるから捨てないでとっておいて」


 ボクが止めると、ノボルさんは素直に腰に吊るした葉の小袋にしまっていた。


「なんだか……へんな……甘いにおいがします……」


 顔をしかめながら、手のひらで鼻を押さえているクルミさん。


「ウツボカズラがあるのかな? ……あっ、あった、これだ。甘いにおいを出して、昆虫をおびき寄せる植物だよ」


 ノボルさんとクルミさんは道端に生えているウツボカズラを、「へぇぇ……!」と食い入るように見入っている。


「においに誘われた虫が、この袋に入ると、中の液体で溶かされるんだ。まだ虫が入ってないウツボカズラの液は飲めるらしいんだけど……喉も乾いたし、飲んでみよっか」


「ええっ!? 飲むんですかっ!?」


 揃って目を丸くするふたり。


 ボクはノボルさんが腰に携えていた石器のナイフを借り、ウツボカズラの袋を切り取る。

 袋の横に少し切れ込みを入れると……透明の液体が垂れてきたので、舌で受け止める。


 ボクの舌に、ピチョン! と落ちる雫。


「……あ! すっぱい! でもおいしいかも……飲んでみる?」


 袋を差し出すと、ふたりはしばらく迷っていたんだけど……「飲んでみます!」とノボルさんが受け取った。


 ノボルさんは苦い薬を飲むみたいに、きつく目を閉じたまま……あーんと大口を開け、ウツボカズラから垂れ落ちる液体を浴びるようにして飲んだ。


「……えっ……!? おいしい……!」


 まん丸だった目を、さらに見開くノボルさん。

 「お前も飲んでみろよ」とノボルさんに勧められ、おそるおそるウツボエキスを口にするクルミさん。


「んっ……! すっぱい果物みたいで、お……おいしいです……!」


 クルミさんはおいしさのあまり、目をパチパチさせていた。


 でもたしかにクルミさんの言うとおり、ウツボカズラの液は果物の果汁みたいな味で、とってもおいしかったんだ。


「お肉にかけたりすると、おいしいかもしれません……」


 さらに新しい使い道まで見出すクルミさん。

 なんだか持って帰りたそうにしていたので、ボクは「帰りにいっぱい取って、おみやげにしようか」と言うと、パアッと顔を明るくしていた。


 それからしばらく獣道を進むと、少し開けた所に出る。

 ボクはこのあたりでいいかな、と罠を準備することにした。


 ボクが作った罠……それは、ツタをくくりつけた木の枝で、寸胴土器の片側を持ち上げるようにして置く。

 そして土器の下に導くように、木の実や昆虫をまくんだ。


 好物につられてやってきたセキショクヤケイが、土器の下に来たところでツタを引くと……つっかえ棒が外れ、土器のなかに閉じ込められるはず……!


 これはボクが本で読んだ、雀とかを捕まえる罠なんだけど……同じ鳥ならいけるんじゃないかと思って、仕掛けてみたんだ……!

■■■奇跡ツリー■■■(現在の神様レベル:22)


 今回は割り振ったポイントはありません。未使用ポイントが1あります。

 括弧内の数値は、すでに割り振っているポイントです。


 ●天空城の奇跡

  高度

   (1) LV1 高度アップ … 天空城をさらに高く飛ばせる

   (0) LV2 天空界   … 「天空界」まで飛ばせるようになる

   (0) LV3 ???   … ???

  速度

   (3) LV1 速度アップ … 天空城の移動速度があがる

   (1) LV2 高速移動  … 高速移動ができる

   (0) LV3 ???   … ???

  流脈

   (0) LV1 消費減少  … 奇跡力の消費を抑える

   (0) LV2 放出    … 天空城から物体を放出できる

   (0) LV3 ???   … ???

  障壁

   (0) LV1 防御障壁  … 天空城を守るバリアを張る

   (0) LV2 水中潜行  … 水中に潜れるようになる

   (0) LV3 ???   … ???


 ●神通の奇跡

  神の手

   (1) LV1 ジオグラフ … 大地を切り取る

   (1) LV2 ウェポン  … 武器を出す

   (0) LV3 マジック  … 天空城の奇跡を手から出せる

  神の叡智

   (2) LV1 現界の声  … この世界の声を聞く

   (0) LV2 異界の声  … 異界からの声を聞く

   (0) LV3 天啓    … 人間に知恵を授ける


 ●創造の奇跡

  魔法生物

   (4) LV1 ゴーレム  … ゴーレムを創る

   (1) LV2 小人成長  … 小人を人間にする

   (1) LV3 使徒成長  … 人間を使徒にする

  有機生物

   (1) LV1 絶滅    … 生命を絶滅させる

   (1) LV2 成長促進  … 生命の成長を早める

   (0) LV3 生殖    … 生命を親にする

  回復

   (1) LV1 治癒    … 病気や怪我を治す

   (0) LV2 死者蘇生  … 死んだものを蘇らせる

   (0) LV3 死者転生  … 異界から死者を蘇らせる


 ●水勢の奇跡

  波浪

   (0) LV1 小波    … 小さな波を起こす

   (0) LV2 大波    … 大きな波を起こす

   (0) LV3 津波    … 津波を起こす

  水かさ

   (1) LV1 減水    … 水を減らす

   (1) LV2 増水    … 水を増やす

   (1) LV3 海割り   … 水を一時的に割る

  操水

   (0) LV1 霧散    … 霧を作り出す

   (0) LV2 噴水    … 水を噴出させる

   (0) LV3 渦     … 渦を作り出す

  水中

   (0) LV1 呼吸    … 水中で呼吸できるようになる

   (0) LV2 浮力増   … 水中の浮力を増やす

   (0) LV3 浮力減   … 水中の浮力を減らす


 ●天候の奇跡

  雲

   (1) LV1 雲     … 家の煙突から雲を出せる

   (0) LV2 虹     … 虹を出せる

   (0) LV3 ???   … ???

  風

   (0) LV1 風     … 風を起こせる

   (0) LV2 竜巻    … 竜巻を起こせる

   (0) LV3 ???   … ???

  雨

   (1) LV1 雨     … 雨を降らせる

   (0) LV2 洪水    … 洪水を起こす

   (0) LV3 ???   … ???

  雪

   (0) LV1 雪     … 雪を降らせる

   (0) LV2 大雹    … 大きな雹を降らせる

   (0) LV3 ???   … ???

  雷

   (1) LV1 雷     … 雷を落とす

   (0) LV2 導雷    … 目標に誘導する雷を落とす

   (0) LV3 ???   … ???

  火

   (0) LV1 火の粉   … 火の粉を降らせる

   (0) LV2 火の玉   … 火の玉を降らせる

   (0) LV3 ???   … ???


 ●太陽の奇跡

  気温上昇

   (0) LV1 気温上昇  … 気温を上げる

   (0) LV2 猛暑    … 猛暑にする

   (0) LV3 ???   … ???

  気温下降

   (0) LV1 気温下降  … 気温を下げる

   (0) LV2 寒波    … 寒波を起こす

   (0) LV3 ???   … ???

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