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男女逆転から始まる異世界冒険譚  作者: ペンちゃん
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ユウキとの出会い

 「皆さん!落ち着いて避難してください!!」

 

 カルブの父は避難誘導をしていた為、まだ母とは会えていなかった。

 そんな中、良からぬ知らせが舞い込む。

 

 「父さん!! カルブとはぐれた!

 どうしよう…俺…見失って…」

 「しっかりしなさい!!

 女の子でしょ!」

 

 ガルフはその言葉を聞きはっとした。

 

 「いいから、貴方は逃げなさい!

 後は私と母さんが何とかするから」

 

 もう近くまで戦いの喧騒は聞こえている。

 

 …

 

 カルブは母の足にしがみつき目の前の光景に恐怖していた。

 人が魔王軍に挑み倒れていく。

 その中でも一番前で人を次々となぎ払い倒していく斧を振り回す女性は恐ろしかった。

 牛の獣人。

 彼女ヴェルデスタは顔に返り血を浴びながらも笑い舌なめずりしさらに人を屠っていく。

 

 「カルブ! 早く逃げるんだ!!」

 

 母にそう言われるが怖くて…足がすくんで逃げることができず、ただ母の脚にしがみつく事が限界だった。

 

 「あなた!!カルブ!!」

 

 後ろを振り向くとそこにはカルブの父がフライパン片手に息も絶え絶えに走って来ている所だった。

 父はつくなりカルブをこれでもかと抱きしめ迫りくる敵を見据える。

 もう敵は目の前まで迫って来ていた。

 

 「カルブを連れて早く逃げろ!」

 

 母はそう言い魔王軍幹部ヴェルデスタに向かい剣を構え走っていくのが見えた。

 

 「お母さん!!」

 「見ちゃだめ!」

 

 父はカルブを抱きしめ涙を流し走る。

 数度、剣と斧がぶつかり合う音が聞こえ、響く。

 そして…。

 戦いは終結する。

 一人の敵兵が矢を逃げる父に向けたのだ。

 魔王軍幹部との戦いを無視しその軌道を少しでも変えようと自らの剣を投げ敵兵の肩に命中させた。

 母が大きな斧で切り裂かれ血が舞う光景…が目に焼き付く。

 

 ドスッ

 

 「ううっ!」

 

 父の背中に矢が突き刺さった。

 しかし、倒れない。

 気力が彼を支えている、子を思う気持ちが痛みを超え、限界を超えた。

 

 倒れ、血を流す母が遠くに遠ざかっていく。

 

 …

 

 「父さん…なんで…ねぇ?…」

 「…………」

 

 雨が降る中、親子二人は燃える街の煙が見える森で雨宿りしていた。

 父は息が荒く今にもその呼吸が止まりそうで恐ろしい。

 何より受けた矢傷が深く血が止まらない。

 それでもカルブはどうすればいいのか分からず涙を流す事しかできずにいた。

 

 「カルブ……そばにいる?」

 「うん……いるよ…お父さん…」

 

 父は目を開けているが虚ろな目をしている。

 まるで自分んが見えていないようだった。

 

 「カルブ…約束……して欲しい事があるの…」

 

 カルブは父の手を強く握り応える。

 

 「多分あなたはこの…世界が……辛く…苦しい世界だと言う事を…今まで知らなかった…と思うの…だから…」

 

 ヒューヒュー

 

 どうやら無理をしているらしく息がおかしい。

 カルブはいっそう強く父の手を握る。

 

 「強く…そして…優しく生きて……それと…ごめん…もう…そばにいられないみたい。

 ここは…魔物がいて危険な……場所だから…私は…ほおっておいて……早く隣街に…逃げなさい…………」

 

 その言葉を最後に、父は返事を返さなくまるで人形になってしまったかの様に動かなく……冷たくなっていった。

 

 …

 

 時はそれから最近まで遡る。

 私は、姉と再開する事も出来ず、たださまよい父に言われた通りに街の中をさまよっているなか生きる道を見つけた。

 冒険者への道。

 

 

 姉はあれから見ていない。

 あの襲撃に、父と母の様に巻き込まれたのだろうか?

 そうつい考えてしまう自分がいる。

 そしてその事らを出来るだけ考えない様に生きてきた。

 考えてしまうと辛くて苦しくて何もできなくなってしまうから。

 あの、魔王幹部の笑いながら母を殺した顔が頭から離れない。

 

 「なに?

 獣人が一緒の冒険者パーティーに入りたい?

 はっ冗談じゃねぇ」

 

 ここでも獣人と言う重りが私を苦しめた。

 獣人だからなんだと言うのだろう。

 私は生きている、彼らと何も変わらない。

 言葉だって、通じる…なのに…獣人と言うだけで、馬鹿にされ…軽蔑されるもう沢山だ。

 でも…そんな時…一人だけ心のそこから自分の事をそんな目で見ず笑顔で話しかけてくる人に出会った。

 

 彼は私を初めて見るなり近づいて、嫌な笑いじゃなくそれは温かい笑顔で話しかけて来てくれた。

 そして初めてだった、誰か特定の人をつい目で無意識に追ってしまう様になったのは。

 

 「今日は、なんの依頼を受けに来たの?」

 

 彼、ユウキさんの名前を聞き出し、必要無いのに何度も何度も用事をでっち上げ会話の機会を作った。

 うまいこと…気づかれずに…。

 好きな花の事を聞き、プレゼントした。

 

 家族がいなくなり、久しぶりの感覚だった、心から毎日が楽しいと思える感覚は。

 

 …

 

 「カルブ!

 ほら…ご飯まだ食べてないだろ?

 お肉、焼いてきたぞ。

 悪いなもっと早く持ってくるつもりだったのにコトミの奴が焼いた肉全部取るもんだから」

 「ふぇ!? 

 あ…ありがとうございます。

 ユウキさん」

 

 隣にユウキが座り一緒になって空を見上げる。

 とても幸せな時間…。

 苦しい事や悲しい事を魔法で消してくれているかのような時間…。

 大切な時間…。

 読んでいただきありがとうございます     m(_ _)m

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[良い点] 人間よりずっといい子です(落涙)。
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