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王子様との婚約って大変!  作者: 宿月ひいな
第三章 アスター侯爵令嬢 キャサリン
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舞踏会の準備

「ねえ、お姉さま、どう? 変?大丈夫?」

キャサリンが自室で、姉のダイアナに聞く。ダイアナは苦笑いで答える。

「あなた、さっきもその質問したわよ? 大丈夫よ、とても綺麗だわ。」


今日は王城舞踏会当日である。キャサリンは支度を終えて、最後の確認中だ。

ダイアナの隣で、キャサリンの母である侯爵夫人も苦笑している。

「キャシーはいつも落ち着いているから、そんな姿は初めて見たわ。」

そしてキャサリンをぐるりと1周すると、「大丈夫、完璧よ!」と言って、ウインクをした。


ダイアナがキャサリンに近づき、ドレスに軽く触れる。

「このドレス、フレデリック殿下が考えてくださったのでしょう? ウエストから裾へ広がるライン、すごく素敵ね。」

「本当に絶妙なバランスだわ。さすがフレデリック殿下ね。」

侯爵夫人も、ドレス生地の感触を確かめる。

キャサリンは正式な婚約者ではなく、成人もまだである。そのために装飾は少なく、ちょっと見た感じは地味に見える。しかし着てみると、動きに合わせて光が反射して優雅な印象になる。


「さあ、そろそろ馬車の準備ができたわ。侍女のメアリは、ダイアナに付き従って、何度も王城に行っているから、きっと頼りになるわよ。心配しないで、楽しんでいらっしゃい!」

侯爵夫人は晴れやかに言うと、満面の笑みで、キャサリンを送り出した。




馬車で王城に着くと、近衛騎士に案内され、キャサリンは控室に入った。

メアリがいれたお茶を飲むと、キャサリンも少し落ち着きを取り戻した。

「ありがとう。王城に慣れているメアリが一緒に来てくれて、心強いわね。」

メアリは静かに微笑む。


「このあとの事は知っている? 舞踏会が始まるのは6時だったよね?」

キャサリンは、ホールでの流れはフレデリック王子から説明を受けた。しかし、控室からいつ移動するのかは聞いていない。フレデリック王子が迎えに来てくれることになっている。


「去年までのダイアナ様の場合を考えますと、時間になるとホールの正面入り口が閉じられます。その後、王族がたが舞台脇の入り口から入場ですね。入り口近くまではご一緒いたしますよ。」

ここまで話すと、メアリは考える素振りをした。

「この部屋はホールから遠いので、早めに出たほうがいいかもしれませんね。」


「あら? ここは遠いの?」

王城の配置にそれほど詳しくないキャサリンは、この部屋がホールから遠いとは思っていなかった。

「ええ、この部屋のある西翼とホールとは、建物としては遠くないのですけどね。ホール入り口へは、回廊を歩いて、中庭をぐるっと回らないと行けません。去年は東翼の部屋をいただけたので、近くてよかったのですが。」

メアリは「お化粧直しをいたしますね。」と言って、道具を準備し始めた。









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