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王子様との婚約って大変!  作者: 宿月ひいな
第三章 アスター侯爵令嬢 キャサリン
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慣れと変化

計画通り、夏休みの終わり頃にフレデリック王子とステファニーとの婚約解消が発表された。ステファニーはまだ頭を打ったケガの後遺症のため、夏休み後も領地で静養し、学校は休んでいる。


キャサリンは、ステファニーがいない学校生活に初めは寂しさを感じていたが、1ヶ月も経つ頃にはだいぶ慣れてきた。ステファニーからは10日に1度の頻度で手紙が届く。手紙には、魔の森で役に立つ花や草をみつけたこと、夜空に光る星を観察したことなどが書かれてあり、ステファニーが生き生きと過ごしていることが想像された。


フレデリック王子は婚約者がいなくなったため、さまざまな令嬢から、直接的にも間接的にもアプローチされているようだ。フレデリックと仲のいいエドワードは、「手紙や贈り物を殿下に渡して欲しい、と仲介を頼まれて困る」と珍しく愚痴をこぼしていた。




いつのまにか、11月になっていた。先週、フレデリック王子から「12月の王城舞踏会で着るドレスの準備をしたい」と言われ、王城を訪ねた。


「キャサリン、これから君の周りは騒がしくなるかもしれない。」

採寸を終え、キャサリンとフレデリック王子が、中庭に面したテラスでお茶を飲んでいる。

「私がドレスを贈る準備をしていることや、キャサリンが王城を訪れたことなどを、断片的に噂で流そうと思う。」


フレデリック王子の言葉を、キャサリンはしばらく考え、ようやく口を開いた。

「エミリー嬢の仲間を揺さぶるのですか?」

「君が私の婚約者候補の筆頭であると思われれば、私の婚約者になりたい者には、大変な不都合だ。きっと何か仕掛けてくると思う。迷惑だろうが、すまないね。」


「大丈夫ですよ、予想できたことですから。そういう面倒ごとも含めて、婚約の申し込みを引き受けたのですもの。今さら、文句は言いません。」

キャサリンはの口ぶりからは、感情はあまり読み取れない。怖がる様子も強がる様子もなく、自信を持っているのかもわからない。ただ、彼女ならなんとかなるかも?という安心感がした。


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