↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王子様との婚約って大変!  作者: 宿月ひいな
第三章 アスター侯爵令嬢 キャサリン
48/72

貴族令嬢

「では、これで授業は終わります。プリントがまだの人は、週末までに提出するように。」薬草学の先生がこう告げると、学生たちはパラパラと教室を出て行った。


「そこの2人(おふたりさん)! 悪いけど、この図鑑と標本を図書館に戻しておいて。」と頼まれた。キャサリンの隣にいたスーザンが「しまった。。。」と呟くのが聞こえる。

キャサリンは図鑑を、スーザンは標本を持つと、図書館へ向かって歩き出した。


「今日は早くに帰りたかったのになあ。」スーザンが愚痴をこぼす。

「何か予定があったの?」

「妹の誕生日プレゼントを買いに行きたかったのよ。」スーザンは不満げに口をとがらせる。


「キャサリン様!」突然、後ろから呼び止められた。

キャサリンとスーザンの2人が振り向くと、クーパー伯爵家のエミリーがいた。


「少しよろしいかしら? あなたがフレデリック殿下と婚約された、という噂をお聞きしたのですが本当ですの?」エミリーが詰問してくる。


「私とフレデリック殿下ですか? 殿下はステフとの婚約を解消して、まだ3ヶ月しか経っていません。まだ次の婚約を結ぶ時期ではないと思いますけど。」

キャサリンがいつも通りにゆっくりと話すことに、エミリーはイライラさせられたようだ。口調がキツくなる。

「しらを切るつもり? 私のお兄さまが、殿下とあなたが王城でお茶を飲んでいるのを見ているのよ!」


「お茶を一緒に飲むことと、婚約することは別ですよ。」

キャサリンは、エミリーの兄に見られていたことに少し驚いたが、中庭から丸見えだったから誰が見ていても不思議ではないわね、と思い直した。

「でも、殿下がドレスを仕立てたって聞いたわ! 婚約者に決まったってことでしょ!」


「私の婚約が決まったとは、父から聞いたことがありません。」

キャサリンは冷静にエミリーに言うと、ニッコリと微笑んだ。

「エミリー様の言われた『少し』にはお付き合いしましたので、失礼しますね。図書館に資料を戻しに行きたいのです。邪魔をしないでいただけると嬉しいですわ。では、ごきげんよう。」

エミリーはまだ何かを言いたそうにしていたが、キャサリンはスーザンを促して、その場を離れた。



「なんだか、すごかったわね。」スーザンが気の抜けたような声を出した。

「エミリー様のこと? ステフにも話しかけていたし、耐性ができていたから。」

キャサリンが、何でもないわ、と笑う。


「キャサリンは普段はおっとりしているけど、さっきのやりとりを見たら、貴族令嬢なんだなあって再認識したわ。」

「私だって、アスター侯爵家の者として教育を受けているのよ。やろうと思えば、貴族らしく出来るんだから。」

キャサリンはそう言うと、『妖艶な笑み』を浮かべた。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。