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第20話

ソルの休養は公式に発表された。

「健康上の理由により活動を一時休止」

短い一文の裏に、どれだけの葛藤があったか世間は知らない。


ファンたちは心配の声と励ましをSNSにあふれさせた。

けれど業界の一部では、スヒョンが仕掛けたと噂する声もあった。

それが彼の狙いなのかは、まだ読めなかった。


私は表向き冷静に振る舞いながらも、ひとつの疑問が胸を離れなかった。


――この先、私たちは正しい未来に進めているのか?


その答えを求めて、私はレイラを呼び出した。



1 運命の選択肢


薄暗いカフェの奥、レイラはすでに座っていた。

相変わらず時代錯誤なほど古風な装いに、冷たい紅茶。


「呼ぶと思ったわ」


「教えて。今、ソルの未来はどうなっているの?」


レイラはカップを置き、私の目を見た。

「“分岐点”が現れたわ。あなたの行動次第で、彼の命運は変わる」


「どういう意味?」


「簡単に言えば、三つの道が見えている」


レイラは指を三本立てた。


「一つ、完全な引退。静かな生活を選べば、命は守られるが、彼の夢は潰える」

「二つ、復帰してトップを目指す。ただしその場合、あなたの助けが不可欠」

「三つ……一番危険な道。操られたまま走り続け、消耗して命を落とす」


「そんな……」


「でも今、あなたが彼の側にいるからこそ、“二つ目の道”が少しずつ太くなっている」



2 スヒョンの罠


「スヒョンは?」


「当然、三つ目に誘導しようとしているわ。財閥間の力を強めるためにも、彼は“消耗する英雄”を作りたがっているの」


私は歯を食いしばった。

「それなら、私が止める」


レイラは微笑んだ。

「気をつけて。スヒョンは君に“個人的な執着”を持ち始めている。ビジネスだけじゃない」


「……わかってる。私の気持ちがブレた瞬間が一番危ない」


「賢いわ」

レイラは一枚の封筒を差し出した。

「これを見て。彼の動きがわかる資料が入ってる」


私は封筒を握りしめた。

「ありがとう、レイラ」


彼女は静かに立ち上がった。

「未来は流動的。でも、あなたが動くほど選択肢は増えるわ。覚えておいて」



3 再び、誓い


その夜、病室に戻った私は封筒を机に置き、眠るソルの手を握った。

「二つ目の道……あなたの夢も、命も守る。それが私の選択」


彼の指がかすかに動く。

「ユナ……信じてる……」


「私も信じてる。だから――絶対、一緒に未来へ行こう」


静かな誓いが、部屋に響いた。

未来はまだ不確かだ。

でも私はもう、迷わない。


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