表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死刑囚の母  作者: TAKIMARI
20/22

30年間の苦悩の日々

第32章 お迎え

霊柩車のライトの光が見えてきたのは20分ぐらい待ったと思います。

運転手さん1人だけでした。

降りてきてくれて

中の手続きはできてますか?

と聞いてくれました。

私は手続きが必要だとゆうことも知らずタクシーに怒られた後は呆然としていました。


いえまだ何も


それならついていきましょうか?


お願いできたら助かります。


夜中の変な時間言われて大変でしょう。

どうやってここまで来たのですか?


はい。タクシーできたのですが

怒って帰られてしまいました。


そりゃそうやね

あとあとのこと運転手は嫌がるわ


はい、そう言われました。


ここ。ブザーを押してくれました。


歩きながら話していると夜間窓口に着きました。


はい。どうされましたか。

スピーカーから聞こえてきたので


死刑囚の息子を迎えに来ました。


本人確認できるものをお持ちですか?


はい、免許証を


そのままお待ちください。


霊柩車の人は

私はここからは入らせてもらえんからね

奥さん息子さんと出てくる所に車回して待っとくからね


はい、よろしくお願いします

すみません


ええよええよ


地獄に仏でしょうか

この時のこの霊柩車の運転手さんはまさに仏のようにあたたかく感じました。


中に入ると狭い部屋で

待たされて五分ぐらいで

沢山の紙資料をそして私がいつか差し入れしていたスポーツバッグと紙袋5袋2人がかりで持ってきてくれました。


その後また、1点1点確認する作業が始まりました。

量の割には早く五分ぐらいで終わりました。


ここで捨てますか?

持って帰りますか?

と尋ねられましたので

もらって帰ります。

と答えますと


え?という感じで目を丸くしたのを覚えています。


捨てる方向への段取りをしていたのか1人の刑務官の人は部屋を出て行きました。

残ったもう1人の方から

書類用意するから待ってください。

と言われて10分近く残った刑務官の方と無言のままで狭い圧迫感の部屋で2人で気まずい時間を過ごしました。


コンコン

はい

失礼します

紙を持ってきていました。

先ほどの持ち帰る荷物の品目が一覧になっておりました。

拘置所会計課長殿への宛名になっていました。


1番下に私の氏名、住所、生年月日、間柄、電話番号を記入して

名前の横に認印を押し紙を渡しました。


この紙の控えなどをもらうことはありませんでした。


それではお母さんこちらへどうぞ


はい


2人の刑務官の人に歩いてついて行きました。

渡り廊下のような所をどんどん進んで歩くのに必死でした。

暗くてしずかな夜でした。

かなり歩いた所に

霊安室と書いてある

小さな建物があり鍵を開けてくれました。


どうぞ、はいってください。


ありがとうございます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ