☆娼館
前回投稿日 2015/4/1
前回のお話 奴隷になる前に雇用した人が不正を行った。思いつきで娼館を作ろうと思った。
拠点に戻り娼館についての意見を皆に聞いた。
思いつきから一日で大まかな運営方針をまとめてみたがそう悪いようには思わなかった。
娼婦というのは奴隷が無理矢理させられる仕事というような認識はあるが、仕事自体に関する嫌悪感は無いようで希望するものだけを使って行うことと、娼婦が気に入らない男性は受け入れる必要がないこともあり賛成された。
性行為に積極的な数人が娼館で働くことに対し羨ましそうな発言をしていたので、部署の変更をするかと確認すると今のままでよいとの返事がきた。
実は手放したくなかったのでほっとしているが、本人が希望するなら断腸の思いで許可しようと思っていたのだ。
一応建前は自力で生きていけなくなった女性の支援ということで大量の保護奴隷を引き取ってるので俺の独占欲で引き止めるわけには行かないだろうと思ったのだ。
何度も言うが希望されなくて本当によかった。
ただ娼婦となる奴隷達が希望すれば奴隷となっての初めてだけは俺がするようにとのことだった。
精神的な問題もあるようで、主が一度も手を出すことなく主以外の男性の相手をするということは完全に道具としてしか扱われてないという気持ちになるらしい。
奴隷は道具扱いとは言え名目上そうなってるだけで保護奴隷の場合は通常人として扱われるのが普通なのだ。
俺も道具だとは思ってない。
そんな訳で娼館用物件を探すと共にサーシャさんにも希望者が居れば紹介してもらえるように頼んでおいた。
その他には恒例の用心棒募集も行ったのだが、場所が場所だけに本当に腕っ節に自信がある人の募集とした。
その代わり報酬も高めである。
数日後そこそこの規模の物件が見つかった。
一階は食堂としての十分な広さがあり、二階と三階に五部屋ずつある。
部屋は自室件職場として使ってもらうことにしようと思っている。
それにより女の子の部屋に遊びにきてる感覚にもなれて客としては楽しいのではないかと思った。
このような理由により自室の備品に関してはある程度は経費として俺が負担することにしようと思う。
また内装も個別に対応することにしたので、まずは食堂部分からの改装を開始した。
物件が決まったのでサーシャさんのところへ詳細を伝えに来た。
まず最大人数が十人だ。これは十部屋しかないから仕方ない。
労働条件は基本的に自由であるが、一ヶ月に最低限の売上げを上げてもらうことにする。
衣食住に掛かる金額の利益をあげれば後は遊んでいても良いのだ。
最低限の売上げを超えた分を解放や解放時の退職金の計算に当てていくことにするとともに奴隷契約期間中であっても解放権利取得後は自由に使えるようにする。
また、店に客が来ないがために売上げが上がらなかった日は最低限の売上げを上げてるという計算をすることにした。
最低限の売上げは飲食サービスのみで稼げる程度に設定し、無理に夜の相手をする必要がないようにしておくこと事にした。
このような条件は奴隷となる子達に優しいものに見えるが、俺が罪悪感に狩られることがないようにと自己都合で作った条件でもある。
条件を伝え終えると今数人を保護してるので確認をしてくるとのことだった。
俺としては急ぎでは無かったので、条件に合う人が見つかり次第紹介してもらえればよいと思っていた。
戻ってきたサーシャさんはかわいい子を二人連れてきた。
頼みたい仕事柄見た目は良くないと困るのだが、そこはサーシャさんも察してくれたようだ。
先ほどサーシャさんと同じ条件を説明すると働きたいとのことだった。
引き取ろうとしている俺が言うのも何だが、正直キツイ仕事のはずなので来る気になった理由を聞くことにした。
一人は性行為にかなり興味があり相手も自分の好みで選べるというところにひかれたとのことだった、もちろん仕事としてやるからには自分の好みと都合だけを優先する気はないとも言ってくれた。
もう一人は性行為自体が好きなわけではないが、奴隷として引き取られるからにはそういう役割があることも納得していた為、奴隷として当たり前の事をすることで楽な生活と将来のための貯蓄もできるところに惹かれたということだ。
一人目の子は珍しいタイプだろうが、二人目の子の考え方が一般的なことなんだろうと思った。
その後、二人が拒否しなければ俺が研修で相手をするということを伝えた。もちろん自分である程度相手を選べるという条件をつけての引き取りなので拒否したところで今後の生活に影響があるとかは考えなくても良いとは伝えた。
二人を引き取る契約をした後、今後も希望者がいれば紹介してもらえるようサーシャさんに伝えて店舗に向かった。
二人には自分の部屋の内装工事を行うための相談をするように伝えた。
今でも寝泊りだけはできるので、二人をそのままクレアに任せ俺は宿に戻った。
数日後二人の部屋と酒場の内装が出来たということで店に向かった。
二人の部屋の備品に関しては予めクレアに費用を渡してあったので各々の好みの部屋に仕上げてもらった。
研修に関しては二人ともが希望したので二日かけて行うことにする。
今日はジェシカと言う二十二歳の子研修を行う。性行為に興味があると言ってた子だ。
俺の思う研修は、働きたい子の足元を見て研修と言う名目で好きにするという悪いイメージしかない。
ユーリにも言われてた事でもあるのでこの世界で奴隷を引き取った主としては悪いことではないとは理解しつつももう一度本人の意思を確認してから始めたいと思った。
俺が直接だと主に逆らうような気持ちになられても困るのでユーリに確認してもらった。
ちなみに今回の二人は性条件はつけていない。これをつけると相手の男性を選ぶことが出来なくなるからだ。
そうして確認を取ってもらうと二人は俺の下に来て是非研修を頼みたいという事を告げて来た。
これで安心して研修が行えるというものだ。
問題があるとすれば、二人の研修を行った後で客を取らせることが出来るかという俺の独占欲との戦いが待ってるのだろう。
二人の研修を終わらせるとサーシャさんから連絡があった。
希望者が数人いてると言うことだ。
それにしても保護を求める人が多い気がする。
いくらそれなりの町とは言え割合が多すぎる気がする。
日本的に考えると小さな市一つで毎日数人の自己破産者が出てるようなものだ。
そう思い聞いてみると別の町にも使いを出し希望者を募ってたようだ。
それにしても多いがこの国ではこういうものなのだろう。
教会に行くと四人の子達が待っていた俺は個別に内容を説明して意思の確認を行おうとしたのだが四人とも決めているので早く契約してほしいとのことだ。
遠方から移動してきているので俺の気が変わるのを恐れていたらしい。
契約後に内容を説明し騙した様な形になっても困るので俺からは断らないと伝え説明を行った。
こうして新たに四人が加わったので本格的に営業開始の準備に取り掛かることになった。
研修は今回も全員希望したので部屋の内装が出来たものから行なった。




