第16話 ゆかり
第1の問題は冷静さと観察力を測るテストだった。
ここがどこかわかったいま、次の問題はあそこにあるはずだ。手探りで床を確認していく。
時間がない?けど僕たちには全ての問題を解かせたいはず。
ならば、
「第2の問題を教えてくれないかい」
必ず僕のペアが知ってくれているはず。
「ほんとうのルールをここに記す」
またしても紙を取り出し説明を始める。
「ここから脱出するできるのは1人しかいない。
もし2人で出てしまった場合についてはどちらかが犠牲になることでしょう。確率は5分5分です」
ここで心理に問いかけてくる。2人で脱出すべきか、否か。
でも、まずは彼らの想定内で脱出方法を考える必要がある。
出れないとどちらも関係なくなってしまう。この高校の目的を明確にするところから始めるか。腕時計でメールを確認する。
・我が校の教育理念
生き残れたものが勝ち。
とだけ書かれてある。自主退学を申し出ればここから脱出することができる。つまり、はなから僕たちを退学させる気はないのか?生き残るというのは卒業するということか?
全くこのテストをおこなう理由がわからない。教師、校長はなにを考えている?これじゃあただの性格診断だ。
いや、違うのか。ここでの行動1つ1つが就職に関わってくる。母親の望みは首席で卒業すること。その先に何が待っているのかはわからない。
「解決策なら存在するわ。だけど私は合格しようとは思わない」
こいつは何かがおかしい。第六感がそう警告をしている。顔以外は人間と全く一緒なのに、すごく顔に違和感がある。僕を退学させようとしている意志だけは感じ取れた。だがまるで感情が一切ない。
「この僕が解決策を考えれないとでも思ってるのかい。流石に舐めすぎだね。僕のことを」
これはゆかり向かって言っていない。僕の目線はその先の壁にむいている。
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