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93/104

12秒

AIとの共同執筆です。

「詩人の歌じゃあ、鼻先に剣を叩き込めば勝ちだって言ってたぜ!」

戦士の若者が、買ったばかりの自慢の鋼鉄の剣を掲げて笑った。

彼らが手にしたガイドブック――『初心者でもできる竜殺し』――には、ドラゴンの懐はガラ空きで、勇気を持って飛び込めば誰でも英雄になれると書かれていた。

だが実際は何もかもが違っていた。

そのガイドブックによると討伐した場所はダンジョンの最奥、とあったがいるわけがない。

そもそもどうやってあの巨体で狭いダンジョンの奥までいけたのか、という話になる。

なので、彼らは現実にドラゴンがいるとされている火山へと向かった。

「あっちぃ…。」

過酷な環境にそいつはいた。

そして目の前に現れた「それ」は、物語とは何もかもが違っていた。

まず、熱だ。

対峙するだけで、吸い込む空気が肺を焼く。

「うおおおごほっごふっ!!!」

ドラゴンの吐息ブレスを待つまでもなく、ただそこに存在しているだけで周囲の酸素を食いつぶす巨大な高熱の塊。

「ぐえああああ!!!!!た、盾が……盾が熱くて持て……くかあああああ!!!!!」

ブレスの直撃をくらい、重戦士が悲鳴を上げながら炭となった。

ドラゴンの咆哮は吟遊詩人が語る「歌」のような威厳のある響きではなく、鼓膜を物理的に破壊し、平衡感覚を奪う超重低音の衝撃波だった。立ち上がることすらままならず、残った3人は地面に這いつくばる。

「……あ」

魔法使いの少女が、最後に見たのは巨大な影だった。

ドラゴンはわざわざ火を吹く必要さえなかった。ただ、数トンの自重を乗せて「足」を下ろしただけだ。

少女は鈍い音と共に赤黒い何かとなって死亡した。

詩人が歌った「華麗なステップ」を試みる余裕など一秒もなかった。

暗鉄のような鱗に覆われた巨躯が通り過ぎたあと、そこには英雄の卵だったものと、熱でひん曲がった「安物の鋼鉄」が転がっているだけだった。

ドラゴンからすれば、彼らは外敵ですらなく、ただどこかから寝床に入ってきた少し大きめの虫程度の認識だったに違いない。


ここまでたったの12秒。

ドラゴンは退屈そうに唸り声を一声あげ、再び眠りについた。



普通に考えればこれほど強大な敵にしかもたった4人で無策に突っ込めばどうなるかわかるはず。


皆さんも偽情報にはご注意を。


それでは今日も安全第一で頑張ってください。

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