資料 02 登場キャラクター(その1) ※イラストあり
※こちらの設定資料の内容には、『第七部 使徒と魔人篇』終了時点までのネタバレが含まれています。ご注意ください。
■ケイ・アラカワ(安良川 圭) Kei Arakawa
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本作の主人公。本作はケイの一人称で語られる。
普通の会社員だったが、クランシーの使徒を名乗る老人によって異世界であるフロレンスに転移させられてしまう。転移の際に老人から、すべてのモノの状態が把握できる能力を与えられた。得られる情報を整理して、考えてから行動するのが特徴で、それが本人の最も大きな能力であるとも言える。多少自分に自信がある過去を持つため、会社員時代の癖で他人に諂うことが少なく、言動がぞんざいになりがち。一方で変に身の程を弁えているところがあり、出来ない理想よりもできる現実を優先するところがある。
本人は否定するが、(特に美しく胸の大きい)女性好きである。普段は思考を優先するタイプだが、女性関係においては目の前の据え膳にどうしても手が伸びてしまうらしい。
無属性魔法の使い手で、本人の属性も無属性である。フロレンスにおいて、魔法が使える者の属性が無属性であることは非常に珍しい(まったく存在しない訳ではない)。また、フロレンスの人々に比べて異常に魔法の習得速度が速いという特徴を持つ。ただしケイ本人は、その習得速度の速さが不自然であることも認識している。
六大属性魔法をマスターしたことで、一部の人物からは賢者と呼ばれている。ただし、本人はその呼称がくすぐったいようだ。
クランシーの使徒である老人から制約を受けており、元の世界に関わることを話すことができない。その代わり、生命の危機に陥っても復活できるという加護を受けている。
劇中ではグレイスと出会ったことを切っ掛けにして、魔人を追い始める。最初、ケイ自身に魔人を命がけで追わなければならない理由はなかったが、依存関係にあるグレイスを助けたいという思いを持っていた。
旅が進んでいくことで、次第に魔人を追う理由が自分の中にも芽生えてくる。最終的には自分が考え、自分が正しいと考える行動のために、魔人を追い、魔人が現れる転移門を探すようになる。
最終装備:
支配者の魔剣、審判の法衣、支配者の籠手、魅了の指輪
■グレイス Grace
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クランシー教会の神父であるロドニーを調べていた黒髪の美女。普段は長い髪をアップスタイルに纏めている。男装していることが多いが、凹凸の大きい体型のため、男性に間違われることはない。
剣と三属性の魔法を使いこなす魔法剣士だが、剣士と言うよりもスキルの特徴から、偵察の役割を引き受けることが多い。得意技は音を立てずに動ける技『シークレットステップ』からの不意打ち。
人間には珍しい闇属性(少ないだけで、いない訳ではない)。そのため、魔法は闇属性魔法を最も得意にしている。
魔人すら簡単に打ち倒すことが出来る、強力な『魔人の剣』を体内に隠し持っている。ただしそれを取り出すためには呪文を詠唱し、武器を取り出す者に直接素肌に触れさせなければならない。触る場所が胸になっているのは、武器を取り出すためのストロークを確保するため、身体の中で最も厚みがある部分に触れる必要があるから(※グレイスの身体の中で、最も厚みがあるのが胸の部分だから)。ちなみに、胸に触れればよいだけで、揉む必要はない。
本人曰く、魔人を倒す宿命を帯びており、フロレンスに仇なすという『魔人』を追っている。
また、ロドニー戦以後はケイとの関係を一蓮托生と語り、特別な依存関係だと認識している。そのため、基本的にケイの言動や行動に反対せず、最終的に受け入れてしまう傾向がある。
最終装備:
隠者の長剣、運命の短剣、生命の腕輪
■シルヴィア・エアハルト Sylvia Erhard
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港町アシュベルの魔法ギルド員。赤毛の美女。冒険者としての功績を求めてはいるが、パーティを組むメンバーがいない。ソロ活動には限界があるため仲間を募集しているが、なかなか上手くパーティを組めずにいた。幼なじみのクライブを(強引に)仲間にして迷宮に挑戦しようとしているところでケイと出会う。天真爛漫な性格で、時にはケイに対しても感情をそのままぶつけることがある。
元々はハーランドの地方貴族の出身で、実家が詐欺で取りつぶしにあったことで冒険者になった過去を持っている。その時の体験から、上辺だけの仲間ではなく、本当に頼りに出来る仲間を求める傾向が強い。
元々魔人に闘いを挑んだのは仲間の手助けをするためだったが、途中からクライブの仇を討つために変わり、その後はケイの目的を果たすために変わっている(どれも自分が主体の理由ではなく、ここからも彼女が仲間に依存していることが判る)。
火属性の魔法を得意にしており、港町アシュベルの冒険者たちの間では、『爆炎』という異名を取っている。『爆炎』の異名は、彼女が火属性魔法の爆炎を得意にしていることと、彼女の装備が真っ赤なチュニックであることなどが由来。ただしその異名には、仲間も一緒に燃やし尽くしてしまうという、困った魔法使いであるという意味も含んでいる。ただし実際は火属性よりも土属性の扱いに長けており、通常一枚しか出せない岩壁を、最高で十枚以上同時に展開できるという特殊な能力を持っている。
セクシーなスタイルの持ち主で、若干それを自分から武器にしようとしているところがある。ちなみに本人はスタイルの良さ(※オッパイの大きさとも言う)では、グレイスに勝っていると思っているようだ。
最終装備:
暁星の杖、明星の魔法盾、黒魔導師のローブ、黒魔導師のチュニック、黒魔導師の帽子
■セレスティア・パスカリス Celestia Paschal
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白銀の戦乙女の異名を取るハーランドの聖騎士。金髪の美女。
西方の地方の出身だったが、年若くして実力を認められ「聖騎士」の異名を取った(一般的に男性の聖騎士は「サー」と呼び、女性の聖騎士は「デイム」と呼ぶ。ただし女性で聖騎士になれる人物がいなかったため、「デイム」は実質彼女個人を呼称する名称になった。※サーとデイムは英国騎士がモチーフ)。
一〇代にして西方騎士団の団長を任命され、数年の間、国境の街エイヴィスに常駐していた。ハーランドは若く美しい彼女を白銀の戦乙女と呼び、王国と騎士団のイメージアップに使おうとしたため、彼女を『王国の広告塔』と揶揄する人も多くいる。
元々槍の使い手だったが、国王から聖乙女の剣を下賜され、それ以降は剣を使うようになっていた。光属性の攻撃魔法とレベルの高い回復魔法を使いこなし、まさに重装騎士としての比類無き能力を持っている。
エイヴィスに常駐していた時に交流のあった隣国ロアールの将軍、ヴァイスから警告を受け、それ以降魔人を意識するようになる。国境を護り続けるよりも、魔人を追い詰めることが街や人を護ることに繋がると考え、騎士位を返上してケイたちと共に一人の冒険者として魔人を追うようになった。
宰相のオルガとは年少のころから交流があり、母娘と呼べるような関係にあるようだ。
なお本人は明言しないが、同じパーティにグレイスやシルヴィアのような体型の女性がいることに、コンプレックスを抱いている。男女の付き合いをした経験がないため、男女の仲に関しては疎い。
見た目、性格共に王道の女騎士キャラとして設定されているが、物語が進む毎にだんだんと弄られキャラに変わりつつあるのは、本人の本意ではないようだ。
最終装備:
聖乙女の剣、聖乙女の鎧、聖乙女の盾、短槍
■アスリナ・ユートレッド Aslina Ughtred
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ルーメンの森の側にあるクランシー教会で、手伝いをする緑髪の美少女。教会に運ばれて来たケイを介抱し、フロレンスの様々な基礎情報を教えた。また、ケイに魔法の使い方を教えた人物でもある。クランシー信徒(*)。
ロドニーの魅了に掛かり、良いように使われていた。最終的にはロドニーが魔人化するにあたって、その身を餌にされてしまう。ケイは生前の彼女に十分な感謝ができなかったことを悔いながら、教会の近くに墓を作った。
(*)神官、神父などの職に就く者は「信徒」と言い、クランシーに対して信心を持つ一般人を「信者」と言う。
■クライブ・オーランド Clive Orland
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港町アシュベルを拠点にする冒険者。大柄な身体を活かした重装剣士の役割を担う。
実直で真面目。言葉丁寧で冒険者には珍しい優しい性格。ただ、そこが仇になって過去、他のパーティメンバーにいいように使われてしまったこともあるようだ。
前のパーティに所属していた時、強敵との戦闘で敵のターゲットを維持することができず、思いを寄せていた同じパーティの女性を死なせてしまった過去がある。クライブの胸元には、その女性が大切にしていた『魔法の掛かった時計』(実際はキッチンタイマーとして女性が使っていたストップウォッチに近いもの)が形見として収められている。
シルヴィアとは幼いころに学校が同じだったという、幼馴染の仲(ハーランドは幼い頃の学校だけ貴族と一般人が混じる)。ただし、特別仲が良かった訳ではない。実質幼馴染であることを言い訳にして、パーティメンバーを探していたシルヴィアが、クライブをいいように巻き込んでいるのに近い。
過去の経緯からもパーティメンバーを護り抜くことに信念を持っている。中級者レベルの数値やスキルを持っており、重装剣士としての能力もそこそこ高い。
主人公ケイたちとパーティを組んだ後、森の中の迷宮に挑み、魔人のジノ&クルト戦でシルヴィアを護って帰らぬ人となる。彼の仇を討つことが、その後シルヴィアが魔人を追う上での大きな理由になった。






