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第十四話:決めろ!トウコンチョーク! 必殺技名は叫ばない派らしい

ここで第1話につながります。

十三話→一話→十四話という流れです。


作者は素手で向かってくるボスに対してショットガンをぶっ放す

汚い桐生ちゃんをよくやりますが龍が如くが大好きです!

 以上、回想終わり! って戦闘中に他のことばっか考えてたら危ないな。


 ま、いいか。やることは一緒だ。余計な考え事を振り払うついでに向かってきたアリ男をクローズラインで迎撃、倒れるアリ男を踏み台にして、後続にシャイニングウィザードをお見舞いする。

 変身アイテムのコンセプトゆえか、なんかプロレス技がしっくりくるなあ。当面このファイティングスタイルでやってみようかな。


 しかし、装着者の力を高めてくれるはずの闘魂スーツだが、まったくそんな感じがない。本当に強化されているんだろうか?実感がわかない。


 ここは凶器を使えってことかな?試してみるべく、周りに何かないか見渡すと、警備員の休憩スペースらしきものがある。お、パイプ椅子があるじゃん。やっぱ凶器と言ったらこれだよね!


 アリ男の包囲をジャンプで脱出、休憩スペースに着地、すかさずパイプ椅子を折りたたんで装備した。やってみるか!



「オラァッ!」


 とりあえず振り下ろしてみる。座席部分がアリ男の頭にクリーンヒットして、座席部分はどこかに飛んで行ってしまった。アリ男の命とともに。


 さらに後ろに回り込もうとしている奴に対し、残ったパイプ部分で振り向きざまにフルスイング。力を入れすぎたのか吹っ飛んでいかず真っ二つになった。あんまりやりすぎると桜子がまたえらいことになってしまうので自重しよう。


 しかし、やはり、凶器を持ったからといってパワーアップしたという感覚はない。壊れてるのかな?顔隠せれば問題ないので、後で校長に確認してもらうことにしよう。


 さて、他のみんなは大丈夫かな。大半は俺とシャルルで引き受けたつもりだけど。特に松田君。


 シャルルは問題なく順調にアリ男を屠っていっていた。戦い方は俺よりスマートである。しかし、手刀や抜き手を多用しているため、バラバラになったアリ男がそこいらにが転がっている。桜子的にはこれもまずそうだが今更考えても仕方ないな。まあ、彼自身は問題あるまい、次々。



 その桜子はポージング用のバトン(リサイクルショップで100円で買ってきたらしい)を使って、アリ男と2対1で戦っていた。

 たしか通常の状態だと、アリ男とほぼ互角だったんだよな。これは加勢にと思った瞬間、バトンでぼこぼこと2体まとめて殴り始めた。


「きしょい!近寄んな!」


 あまりおしとやかとは言えないが、2対1でも互角以上に戦えている。どうやら、凶器でパワーアップというのは本当のようだ。しかし、バトンを凶器にしちゃいかんよ。新体操に従事する皆さんごめんなさい。



 続いて矢田さんことブルーは、これまた2対1で戦っているが、桜子よりもさらに押しているな。体捌きが美しい。聞いたこと無かったが、あれはおそらく何かやってるな。


 お、投げ飛ばした。合気道かな?


「クスッ」


 と、それで終わらずに笑いながらヒールの部分でグリグリ踏みつけてとどめを刺している。あ、合気道かな?さらにもう1体を手にしたもので殴りつける。

 あれは、ビール瓶? 当然割れるが、手元に残った割れた瓶の先端を迷わず、アリ男の顔面に突き刺した。


 シャルルならずとも怖い、やっぱりこの子には関わらないでおこうかな、俺のために。



 あとは松田君ことレッド。あのお花畑野郎に向かっていったが。おお、互角に戦えているようだ。角材はなぐりつけたのか半分に折れていたが、手にしてさえいれば、パワーアップは有効なようだ。


 いけるか?と思った瞬間、改造生物の頭の花が破裂、周囲に何か、おそらくは種を撃ちだした。まともにくらったレッドが吹き飛ぶ。これはいかん!が、まだまわりのアリ男を排除できていない。シャルルは・・・、同じか。



「なんのまだまだ!」



 よかった、無事だ。闘魂スーツはダメージを受けているが本人は無事なようだ。しかし、どうしたものか、と思っていたら、



「レッド、援護します」


「もう早く終わらせて帰ろう」



矢田さんと桜子がフォローに回ってくれた。これでレッドも体制を整えられるな。と、その時、


「フハハハハハハハハハハハッ!」


 あっ!この下品な笑い声は、


「どうかな?新改造生物ホウセンカ男の実力は?」


 やっぱりプリンスルナティックさんだ!現れたな。


「またお前か、お漏らし野郎!」


 あ、挑発しようとしたら思わず本音が出てしまった。まあ漏らしたのは事実だし、繰り返すが悪党に人権はないので問題はないな。


「き、貴様!おのれ!私は漏らしてなどいない!」


「まあ、そう気にすんなよ。大は大丈夫だったのか?」


「ああ、そちらは大丈夫だ」


「そうか、よかった。う○こマンにならずに済んでよかったじゃん」


「そうだな………、て、おのれ!なおも愚弄するか!」


 あ、気づかれたか。奴をいじるのはこのくらいにしておこう。早く3人のフォローに回らなくては。


「3人とも、もうちょっと踏ん張ってくれ!」


「すぐに向かう!」


 3人に檄を飛ばす。こういうのも久しぶりだが、彼らは未成年だ。戦士としての誇りもあるだろうが(桜子以外は)、何かがあっては遅い。それはこれまでの経験で十分に理解している。


「ふ、無駄なことだ。ホウセンカ男はアリ男より強力な能力を与えた。観念するのだな」


「そんなのやってみなけりゃ分かんないぜ!」


 ダメージを受けてもレッドの戦意は衰えない。が、さっき吹っ飛ばされた時に角材を落としてしまったようで手ぶらだ。ブルーもビール瓶はアリ男に突き刺してしまったので素手、ピンクのバトンは曲がっていた、これは100円だし仕方ないか。


 凶器を持て、と伝えたいが、敵もいる中でこちらの弱みをさらすわけにもいかない。しかしなんとかせねば。


「いくぜ、芳香剤野郎!」


「ホウセンカよ、レッド」


「花なくなっちゃったけどね」


 そうこうしているうちに3人とも向かってしまった。ええい邪魔だ、アリ男ども。またさっきのを食らったらダメージを受けている松田君が特に危ない。


「葵!雑魚は任せろ!」


 俺の焦りを察知してくれたシャルルがすかさずフォローに回ってくれる。よし、これで3人のフォローに………。


「甘いぞ!黄色!」


まわれる、そう思った瞬間、俺の前にプリンスルナティックが立ちはだかった。本能が察知する。

 こいつは強い、常識で測っていい相手ではない。馬鹿なのに。


 俺やシャルルと同じように人の限界を超えているのは間違いない。ついでに馬鹿さも。


「どけ、小○男!」


「やかましい!合流はさせんぞ」


 俺の安い挑発にたやすく乗って手にした剣で攻撃してくる。やはり早い!これまで戦った中でもトップクラスのスピードだ。

 どうやら怒らせすぎて若干のブーストがかかっているようだ、反省反省。しかしそれだけでは説明がつかない。やはり人間に出せる力と速さじゃない。そのあとも連続して攻撃を繰り出す。しかもシャルルほどではないがなかなかの腕前、少なくとも剣術は間違いなく俺より上。俺の方が速いからかわせているが、どうなってるんだこいつ?


「わが攻撃をしのぐとはやるではないか黄色」


「あいにくと鍛えてるんでね!」


といいつつカウンターで攻撃を加える。

 狙いは見事に成功した。これまでに自分と互角にやりあえるやつがいなかったんだろうけど油断しすぎ、ついでに興奮しすぎである。

 それに、あまり正義のヒーローが狙うところじゃないから俺の狙いに気付かなかったのだろう。



「!!!!!!!!!!」



 よし!ローブロー成功!ハードコア仕様の!


 ちゃんと手加減したし、当て方は調整したからつぶれてはいないだろう、さすがに寝覚めが悪いし。万一の時はゲイバー探してきて職の斡旋くらいはしてやらないといけないとは思うが。こいつ顔だけはいいから結構いけるだろうし。


「これでよし、3人とも今いくぞ」


 今度こそフォローに、と思ったその時、殺気を感じとっさによける。


「おのれ、貴様、男としてその攻撃が許されると思っているのか!?」


 おおう、思った以上に頑丈だなこいつ。


「知るか!悪党に人権はない!」


 うまく動けないようだが、さすがに背はむけられない。これは3人で何とかケリをつけてもらわねば。そのためにはあの破裂攻撃を封じなければならない。


 ………て、よくよく見たら頭から花がなくなっている。ひょっとして、あいつもう同じ攻撃できないんじゃ………。試してみるか。


「おい、そこの馬鹿!」


 お、反応した、よしよし。しかし、なんて言おうと思ったときに松田君が目に入る。ふむ、野球か。


「へいへい、ピッチャービビってる!」


 何言ってんだろ俺。他の4人だけでなく、プリンスルナティックさんまで痛みをこらえつつも呆れた目をしている。しかしやめるわけにはいかん。


「お前の種飛ばしなんて、ション○ンカーブよりちょろいぜ。なあ、小○男さん?」


 お、怒りだしたぞ、ついでにプリンスルナティックさんも。


「おのれ、どこまでも愚弄しおって!やれい、ホウセンカ男! ………ん、どうした?」



 ホウセンカ男、さっき種を破裂させて飛ばした時と同じような動作をするが、思った通り種は飛んでこない。そりゃそうだ、種は飛ばし終わっているんだから。

 つまり今のあいつはただのアリ男と同等の強さ!挑発するまでもなく、本当に馬鹿だな。


 あとは、3人に何とか凶器を。プリンスルナティックさんのすきをついて取りに行ける位置に何かないか?………よし、あれだ!



 うまく動けないプリンスルナティックさんから飛び退く。といっても、3人とは逆方向だ。動けないとはいえ、奴から視線を切るわけにはいかない。


 よし、これは彼女だな。


「矢田さん、受け取れ!」


 チェーン付きのポールを引き抜いて投げる。俺の予想を裏切らず、彼女はチェーンをつかんだ。ポールはレッドが受け止めた。


「ありがとう伊達さん!」


「助かります」


「うちだけなしって差別じゃん」


 一人むくれているがやむを得ん。


「レッド、露払いをお願いします」


「了解!闘魂フルスイング!」


 ポール担当のレッドが野球のバットよろしくホウセンカ男の頭をフルスイングする。こうして現実で戦ってるヒーローを客観的に見ると結構えぐいなあ。


「いまだ霧瀬ちゃん!とどめだ!」


「いきますよ、フフッ」


 いうや、ホウセンカ男の首をチェーン締め上げ始めた。うん、こっちは問答無用でえぐいな。やると思ってたけど。せめてヒーローらしく技の名前くらい言えよ。


 やがて、けいれんの後、ホウセンカ男は動かなくなった。確かに逝った。早かったな。


「馬鹿な!ホウセンカ男が!貴様ら5人そろったことでパワーアップしたというのか?」


 唖然とするプリンスルナティックさんだが、種明かしは不要だ。


「これがおれたちの力だ!ってあれ?」


 レッドが啖呵を切ってくれるが、既にプリンスルナティックさんはいなかった。謎の液体による水たまりを残して。ついでに生き残ったアリ男たちも。逃げ足早え! 

 一応、水たまりは撮っておく。



「と、ともかく、俺たちの勝ちだ!ゲームセットだぜ!」


 あ、それ、勝利のきめ台詞ね。ともかく、トウコンジャー5人そろっての初出動は何とか勝てたようだ。相手が馬鹿で助かったというのが正直な感想だが、まあよかろう。変身を解こう。


「みなさんお疲れ様でした!」


「3人ともよく頑張ってくれた」


「お疲れ様です」


「やったな、松田君大丈夫?」


「よし、かえろー」



 一番ダメージを受けていた、松田君の状態を確認しよう。元気そうではあるが念のためだ。


「僕なら大丈夫です!闘魂スーツがダメージ吸収してくれたので!ただ、修理は必要ですね!」


 やはり大丈夫そうだ、よかったよかった。


「帰るのは賛成だけど、これかたづけなくて大丈夫?前回よりはましだけど、けっこうな状態になってるよ」


「ギャー!言わないで、見ないようにしてんだから!」


「心配は無用です。後始末については校長先生が手配されているので、私達は気にしなくてもいと言われています」


 そうなのか。一般の研究者からは貴重なサンプルとして扱われてるのかな?現場にいるのは馬鹿ぞろいだけど、すごい技術なのは確かだし。


「よし、そういうことなら気にせず帰るか」


 ここは年長者としてきっちり締めて解散だ!


「ところで伊達さん!」


 おや、なんだろう?


「最初の前口上、あれはなんですか!?もっとまじめにやってください!」


「たしかにあれはないですね」


「分かった分かった。次はちゃんとやるって」


 締めようとしてるんだからもう終わろうよ、ということで適当に返事をしておく。


「その発言は分かってません!」


「一人だけ空気読めてないのは困ります」


 この後高校生2人にあらかじめセリフは決めておけと10分ほど説教された。が、拒否した。ああいうのはその場で湧き上がるものを口にしないとね♪


 といったら、説教が30分追加されたorz


 と、ともかく、こうして俺の戦隊ライフは始まったのである。

ひと段落ついたので一旦ここで締めたいと思います。

一応続きも少しは書いているのでサブタイトルはそのままの形式にしました(まあその場の思いつきなだけですが…)。

こんな駄文にブックマークや評価、感想をありがとうございました!


作者のモチベーション的に評価やブックマークは外さず放置していただけるとありがたいです!

今後ともよろしくお願いいたします!

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