忍び寄る影
軋むような音を立てて大きな扉が開くと、中からキャロラインが現れてライアンを部屋の中へと招き入れた。彼女は傍を通り過ぎていくライアンを横目で見つめると、親しげな笑顔を浮かべた。
ライアンは写真に写っていたパウラにそっくりなキャロラインに見つめられると、落ち着かない気持ちになった。
縞瑪瑙造りの広い部屋には、アジア系で体格のいい長身の男が工具を手にし、巨大な天体模型、オーラリーをいじっていた。短い黒髪に黒い瞳、よく日に焼けている男の顔には右目のすぐ下から顎に向かって縦に6センチほどの深い傷があった。その傷はつい最近負ったようだった。服装はトレーナーとジーンズという格好をしている。おそらく彼がトヨヒコなのだろうとライアンは思った。
トヨヒコとは対照的に、革張りのソファーにはスーツを着た白人の男が腰かけていた。その上品で知的な顔立ちの痩身な男は、金縁の細いフレームのメガネをかけて本を読んでいた。綺麗に整えられた金色の髪にはこめかみに白い髪が少し混じっている。年齢はどちらも四十代後半から五十代前半に見えたが、アジア系の男は白人の男よりわずかに年下かもしれない。
二人はライアンを目にすると、ほとんど同時に微笑んだ。
「やあ、ライアン。はじめまして」、アジア系の男は一瞬だけ顔を上げて言うと、再び視線をオーラリーの歯車部分に落として手を動かした。「今ちょっと手が離せなくてね。このままで失礼するよ」
「こんばんは」とスーツ姿の男が言った。男は彼女にソファーに座るよう勧めると本を閉じた。「私はケビン・クラインと申します。彼はトヨヒコ・サナダ。お目にかかれて光栄です」
「はじめまして。ライアンと言います」
ケビンが右手を差し出した。ライアンもためらいがちに手を差し出すと、二人は握手をした。
「ライアンというお名前は自分で決めたんですか?」
「そうです」
ケビンはにっこりとした。「地上以外ではなんという名前だったんですか?」
ライアンは少し言葉に詰まった。
「……サリエルという名前だったらしいです」
ゴールデンレトリバーがやってきて、ケビンの足に頭を寄せた。それからライアンの足にも同じことをした。彼女は手を伸ばして犬の頭をそっと撫でた。サリーにそっくりの犬だった。
「ここに来るまで大変だったでしょう?」
ライアンは控えめにうなずいた。
ケビンはテーブル越しにしばらくライアンを観察していた。それから何かを納得したようにうなずくと、眼鏡の位置をずらした。
「私はこの孤児院をリチャード・モーズリーという篤志家に任されています。孤児院とひとくちにいっても我々がやっていることは範囲がとても広く複雑で、簡単には説明できません。マスター・ヒドルストンからある程度ここのことは聞いていますね」
「はい」
「もう御存知のように、ここは地上にある六つの聖域、サンクチュアリのひとつです。世界中に拠点を置くサンクチュアリから我々が結界と呼んでいる光のバリアを上空に張り巡らせ、脅威となりうる外的から地上を守っています。もちろん目には見えませんが」とケビンは静かに語った。「もし結界が破られたら地上の生きとし生けるものものはほどなく全滅するでしょう。あなたはその光を見たことがありますか?」
ライアンはうなずいた。「はい」
「それはとても美しい光景です。あなたにもいずれ強化のお手伝いをお願いするかもしれません」
「オリバーさんは普段どこにいるんですか?」
「マスター・ヒドルストンは一応オマハ在住となっていますが、自宅にはほとんど帰らずに各地のモーテルや我々の所有する山小屋で寝泊まりしています。彼は素晴らしい才能の持ち主ですがサンクチュアリには滅多に姿を現しません。ここを拠点にしてくれれば我々も助かるんですが」
トヨヒコが視線を落としたまま言った。「オリバーは昔から現場で仕事をするのを何よりも好むからね」
「悪魔祓いのことですか」
ケビンはうなずいた。「そうです。とは言ってもいわゆる悪魔とは滅多に遭遇しません。ほとんどはその手先です。我々は結界の管理の他に人々を苦しめる悪霊や人間に紛れ込んで暮らしているクリーチャーを探し出して排除しています」
「とても危険な仕事です。どうしてオリバー単独でやらせているんですか?」
「本来なら最低でも二人以上で調査に取り掛かってもらいたいんです。リチャードは何度もヒドルストンにそう提言しました。しかし彼はあることがきっかけで他人と組むのを強く拒否しています。彼は一匹狼です」
キャロラインは紅茶の入ったカップを銀のトレイに載せて運んできた。
「あなた方は専門家なんですよね」とライアンは確認するように言った。「悪魔に魂を狙われている人間がここからそう遠くはない場所にいます。正真正銘の悪魔です。いつどこに現れるのかは不明です。何か情報はありませんか?」
ケビンは目を細めた。「マスター・ヒドルストンは自然現象と超常現象の識別が出来ます。誰にでも出来ることではありません。その兆候を辿っていけば目的にたどり着けるかもしれませんね」
「オリバーさんはコロラドにある農場に向かったんだと思います。でも彼一人では危険すぎます」
ケビンは小さく微笑んだ。 「オリバーのことが心配なんですね」
ライアンはうなずいた。
「たしかにオリバーは怖いもの知らずで無鉄砲なところがあります。初めてここに来た子供のときからずっとそうでした。リチャードはそんな彼のことを特に目にかけていました」
ケビンは続けた。「しかし彼はもうアルコール依存症の父親に怯えて母親を恋しがっていた無力な子供ではありません。十分な経験を積んでいます。私は彼の意思を尊重します」
ライアンはしばらくのあいだ言葉を失っていた。
「オリバーさんは悪魔を捕らえて再び地獄に下りるつもりです、ミスター・クライン。そもそも彼の探している魂が地獄に捕らわれているのかも不明です。あんな恐ろしい場所にもう一度行こうなんて正気とは思えません」
「業火に焼かれ、何度も身を引き裂かれてもがき苦しむんですね?」
ライアンは深くうなずいた。
「はい」
「ライアンはそこに行ったことがあるんですか?」
「遠くから眺めたことがあるだけです。どうか彼を止めてください」とライアンは言うと深く頭を下げた。「お願いです」
ケビンはいったんテーブルの上のカップに視線を落とし、それから顔を上げてライアンを見た。
「それはおそらく誰にも出来ないでしょう」
ライアンは軽く唇を噛むと、不安定な動きを繰り返しているオーラリーに目をやった。
「ずいぶん冷たいんですね」
キャロラインは何も言わずにケビンの隣に腰を下ろした。
トヨヒコは止まったり動いたりを繰り返している不安定なオーラリーから顔を上げると、間をとってから質問した。「お嬢さん。ひとつ聞きたいんだけど、何十億といる人間の天国行きと地獄行きの区別を誰がどうやって決めてるんだい? その理由は?」
「それは位の高い天使の仕事です」とライアンは答えると目を伏せた。「けれど私たちは地獄を創造したのは神ではないと教えられました。あの場所は悪魔と人間の憎しみが生み出した場所です」
キャロラインは目を細めた。「本当に?」
ライアンはうなずいた。
「地獄にはサタンとその子供たちが待ち構えています。彼らは王家と呼ばれ地獄で最も恐れられています。オリバーはこれまで何度も悪魔を追い返したと聞きました。そんな彼が再び地獄に戻ったら悪魔の格好の餌食です。苦痛に満ちた罰が永遠と繰り返されるんです。意思がどうとか言ってる場合じゃありません。あなた方は黙って彼を見殺しにするつもりですか?」
ライアンが視線を感じて顔を上げると、そこにいる全員が揃って彼女のことを見つめていた。四人のあいだにしばらく沈黙が降りた。
「すみません」とライアンは少し迷ってから言った。
ケビンか短く首を振った。
「あなたのおっしゃるとおりでしょう」
トヨヒコが穏やかな声で言った。「ここは帰る家のない子供たちが集まる場所だ。僕たちは君が過去誰であれ君のことを歓迎するよ」、それから少し迷ったようにライアンに尋ねた。「ところで君には天使だったときの超自然的な力が残っているのかな? もちろんなかったところで問題ないんだけど」
ライアンはしばらく沈黙していた。
「失礼ですがその傷はいつ負ったものですか?」
「先週アイオワで狼人間にやられたんだ。一匹は退治してもう一匹には逃げられた」
ライアンはソファーから立ち上がるとゆっくりトヨヒコに歩み寄っていった。トヨヒコの身長はちょうどオリバーと同じくらいだった。
ライアンは右腕をトヨヒコの顔に向かって差し出すと、空気中からパワーを吸い取って指先に全神経を集中させた。
トヨヒコの黒い瞳には、小柄な少女の指先で渦を巻いている高純度のエネルギー波がはっきりと見てとれた。少女は腕を伸ばすと、彼の右頬に自分の冷たい指をつけた。一瞬で肌が温かくなり、たちまち傷が癒えていくのをトヨヒコは感じとった。
少女はトヨヒコの顔から指を離すと、彼の目をまっすぐに見上げた。
「今の私にはこれくらいしかできません」
トヨヒコは工具を手に持ったまま早足で窓辺に近づくと、窓際に立ってガラスに映った自分の顔をじっくりと眺めた。彼は思わず傷のあった部分に五本の指を何度も這わせた。それから急いでライアンに振り返った。
「驚いたな。一生残るもんだと思っていたのに」
ライアンは軽く頭を下げてからソファーに座りなおした。
「お見事ですね」とケビンが言った。
キャロラインは同意するようにライアンの顔を見つめてうなずいた。
「聞きたいことが山ほどあるんだ。万物の神はどんな姿をしているんだい? 天国はどんなところで天使はどれくいるんだい? それから……」
「マスター・サナダ」と言ってケビンはトヨヒコの言葉を遮った。「そう急かすものではありません。彼女にもいろいろと事情があるでしょう」
ケビンに指摘されたトヨヒコは指先で軽く顔を掻いた。
「はいはい。わかりましたよ」
「私には語れるほどの記憶は残っていないんです」とライアンは言った。それから落ちてきた前髪を手でかき上げた「リチャードさん……とは連絡がつきましたか?」
キャロラインは首を振った。「マスター・リチャードとはまだ連絡が取れないのよ。彼のことは尊敬も信頼もしているけど彼はいつも誰にも相談せずに突然いなくなるの」
トヨヒコは困ったように口元を緩めた。
「君の言いたいことよくわかった。でもオリバーはそんな簡単にくたばるような男じゃないよ」
ライアンは口をつぐんでいる。
キャロラインが小さな咳払いをした。「マスター・クライン。マスター・サナダ。今夜はもう遅いですし彼女も長旅で疲れているでしょう。詳しい話の続きは明日にでも」
キャロラインは曖昧な笑みを浮かべるとライアンの顔を覗き込んだ。
「じきにリチャードには会えるから」
ケビンは膝の上に揃えて置かれたライアンの両手をじっと見つめた。
「その魔除けはマスター・ヒドルストンが?」
ライアンはうなずいた。「できるだけ早いうちにタトゥーを入れるよう言われました」
「とても古く珍しい図柄です。相変わらず精巧ですね」
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「どうぞ入って」とキャロラインは言ってライアンを先に部屋に入れると、自分も中に入った。「ゆっくりお風呂に入って疲れを取るといいわ。できたら眠る前に5分でもいいから瞑想すると気分がだいぶ落ち着くわよ」
「ありがとうございます」
「そんなにオリバーのことが気になるなら連絡してみたら?」
ライアンがなんと答えたらいいかわからず黙っていると、キャロラインは小さく首を振ってから、そっと少女の肩に自分の手を置いた。
「おやすみなさい。ライアン」
そう言ってキャロラインは静かに扉を閉めた。
ライアンはがらんとした室内を見まわした。部屋の中にはかすかにワックスの匂いが残っている。壁沿いには大きめのシングルベッド。品のいい水色のカーペットの上には古い聖書と辞書の並んだ本棚とデスクが置かれている。壁には埋め込み式のクローゼットも備わっている。
ライアンは大きく深呼吸をすると、床にリュックを置いてそのままベッドの上に突っ伏した。身体から全身の力が抜けていった。
彼女は清潔なベッドの上に横たわったまま、両手の甲に油性マジックで描かれた魔除けを長いこと見つめていた。しばらくたってポケットから携帯電話を取り出すと、画面に映し出されたオリバーという文字を無心で眺めた。やるせなさと息苦しさが同時に彼女を襲った。
――俺たちでその悪魔を退治するぞ。これが最初の一歩だ。わかったなライアン――
嘘つき、とライアンは思った。
私ならあなたの力になれるのに。しかし具体的にどう力になれるというのだろうか。今のライアンにできることといえばせいぜい傷を治すことと、対象者の記憶を何時間か消せる程度だ。その他には唐突に浮かび上がってくる幻影。
初めてその幻を見たとき、彼女はそれを予知夢の一種だろうと考えた。しかしそうではなかった。彼女は深い森の中で見た父親のグレーの瞳を思い、背中を小さく丸めると首を振った。
ふと脳裏にペネムとアリエルの姿が浮かんだ。遠い遠い記憶。かつての同志。
天使ならどうだろう? おそらくペネムやアリエルでは力不足だが、彼らを通して上級の天使に無実の魂の救済を頼めないだろうか?
彼女はベッドの上で吐息をつくときつく目を閉じた。天使を召喚する呪文などライアンには知る由もない。存在ならしているらしいが、天使を呼び出せるほどの圧倒的な霊力を持つ人間など現代にはまず存在していないだろう。オリバーですら明らかに無理だ。
彼女はベッドの上で起き上がると、シーツに置かれた両手を見下ろした。これを綺麗に消してしまえば、追手はすぐにでも目の前に現れるかもしれない。しかしそれは人としての彼女の死を意味していた。
ふいに目眩と吐き気を覚えると、ライアンは一気に疲労感に襲われ、再びベッドの上に倒れこんだ。そのまま彼女は死人のように深い眠りについた。
気がつくとライアンは裸足のままで荒れ果てた建物の前に立っていた。
月も星もない夜空には深くて重い雲が覆っている。近くから川の流れる音がする。凍てついた風がライアンの背中を押すように吹き抜けていく。建物の向こうは広々とした野原だった。
すぐそばには木で作られた大きな十字架が斜めになったままの状態で地面に突き刺さっている。
この光景は前回見た幻の続きだ、とライアンは思った。目を凝らしてよく観察すると、廃墟となった建物の裏手には何台かのピックアップトラックと大型のバイクが停めてあった。今彼女の意識は肉体を離れ、時間と空間の狭間を彷徨っている。
彼女は息を詰めて眉をひそめると、廃墟の中へと慎重に足を踏み入れた。
どうやらそこは古い教会のようだった。壁はほとんど崩れ落ち、ステンドグラスはところどころ割られている。しかし屋根の半分以上はまだ健在していた。奥へと進んでいくと、木製の重々しい扉が見えた。亀裂の入ったその扉は開かれたままになっている。
彼女は息を殺し、身を潜めて扉の中を覗き込んだ。
中には20代から30代半ばの男女が我が物顔で焚き火を囲んでいた。 男が三人に女が三人。全員革ジャンに革のパンツという格好で地べたに座りこみ、炎を囲みながら楽しそうに会話をしている。空になった酒瓶や空き缶が至る所に転がり、ピザの空き箱やスナック菓子の袋、雑誌などが無造作に放置されている。
ライアンはその男女の中に、かつて自分に向かって銃を構えた目つきの悪い小柄な男がいるのを見つけた。よく目を凝らして見ると、彼らは全員が武器を所持していた。手の届く場所に銃やナイフ、チェーンが置かれている。
「そろそろメインディッシュにするか」と小柄な男は大声で言うと、まわりにいる仲間たちを見まわした。彼らはそれぞれ賛成意見を口にした。
小柄な男はニヤリと笑うと、そばにいる大柄な男に話しかけた。「今夜の獲物は久々に若くて上等品だな。あいつなかなかやるじゃないか」
髪も髭も伸び放題の大柄な男は、口にタバコをくわえたまま深々とうなずいた。大柄な男はゆっくりと立ち上がると、部屋の中央の柱に向かって悠然と歩き出した。
柱には大学生風の若い男女が身体をロープで括り付けられていた。二人とも口にはガムテープが貼られている。
大柄な男は恐怖のために涙をとめどなく流している若い女の頭を愛おしそうに何度も優しく撫でると、焚き火を囲んでいる仲間に振り返った。
「お前たちは知らんだろうが昔は子供なんてそこら中にいて、一人や二人消えたところでまわりもろくに探しやしなかったんだ」
小柄な男がうっとりとした様子で言った。「俺は一度しかありつけてないが、子供特有の甘い血は格別だったな」
「今じゃ甘やかされたガキがちょっと行方不明になっただけで大騒ぎだからね」と酒瓶を手にした女が言った。それからタバコの煙を細くゆっくりと吐いた。「まあ、いいじゃない。孤独な一人暮らしの老人の血なんていい加減飽きたわよ。今夜はご馳走ね」
ライアンは小さく息を呑んだ。
髭を伸ばした大柄な男は腰を曲げて、縛られている男女の顔や身体を品定めするかのようにじっくりと交互に見比べた。
やがて男は姿勢を戻すと、暗がりに立たずんでいたもう一人の人影に近づいていった。
その人物は、暗闇の中で身動きひとつせず、フードのついた暗い色のコートを頭からすっぽりとかぶっていた。そのせいでライアンにはもう一人仲間がいたことに気がつかなかった。
「一度に二人も攫ってくるなんて新入りにしちゃ上出来だな」
ライアンは二人のやり取りに注意深く耳をすませた。
フードを被った謎の人物は、柱に縛り付けられている男女を眺めて少しのあいだ押し黙っていた。
「どちらか一人は私がもらう。お前たちは好きな方を選びなさい」
ライアンのいる位置からははっきりと聞き取ることはできなかったが、そのいくらか低い声の持ち主は女のようだった。
「なんだと?」、髭の男が少し驚いたように聞き返した。「獲物は平等に分けるのが昔からのしきたりだ。守れないなら出て行ってもらう」
「とろい人間なんてこれから先いくらでも捕まえてやるわ」
そのやや掠れた低めの声には聞き覚えがあった。ライアンは息を整えるとわずかに身を乗り出し、より深く耳に意識を集中させた。
「私はお前たちよりも遥かに長く生きている」
フードを被った何者かは、目の前にいる大柄な男の吸血鬼に向かって落ち着いた声で言うと、フードに手を伸ばした。
「私は日の光を浴びても火傷なんかしない。お前たちには無理でしょうけど望むなら仲間を増やしてやってもいい。わかったら私の指示に従いなさい」
ライアンは瞬きを何度か繰り返すと、暗い視界に映った人物を食い入るように見つめた。
それは間違いなくソフィアだった。




