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忘れてしまいたい・・・  作者: naomitiara-tica
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11/15

男と別れ話をする

この作品は、全て妄想であり、創作です。

私は男と別れるつもりだった。


清美の事件で、女の醜さが出た自分にホトホト嫌気がさしていた。

今までの私だったら営業マネージャーと噂がたった女子営業の人にも普通に知らんぷりして接触していた。私には関係ないし、大人なんだから自分達で考えて行動すればいいと、対岸の火事だった。


しかし今回、いざ自分が当事者となったらどうだ?

噂を利用して相手を退け、退社にまで追い込んだ。もちろん相手に営業の実力も無かったからなのだが。

いずれにしても、そんな自分が、つまりはろくでなしな男に引っかかって振り回されている自分が哀れで惨めで堪らなかった。


私は意を決して男に会って、だいぶ深入りし過ぎたからそろそろ普通の上司と部下に戻りましょう、お互いの為じゃないですか?と諭した。

すると男が、もしかして清美に付けた成績の事を気にしているのか?と言ったので、私はとぼけて、あぁ、そー言えばAさんが、なぜ佐藤さんが来てくれなかったのか?ってお茶とケーキをご馳走されましたよと、やんわり嫌味を言ってやった。


しかし男は何も答えなかった。私は一気に言った。

『マネージャーには若くてお金持ちの奥様がいるし、将来の出世コースでしょ?成り行きとはいえ、今更ですけど年上の私と付き合う意味も良く分かりませんし。これからうちの息子も受験ですし、あんまり夜、家もあけたくないなと思って。奥様、本当に気づいてないんですか?』


すると男はさめざめと泣き始めた。


昔、何人もの美人女優殺しの俳優の別れ話が有名だったが、まさか自分が同じ目に会うとは思わなかった。その俳優が何かで言ってそうだ。勝気でプライドが高い女程、男に泣かれるのが弱いと。


果たしてその通りだった。

情けない事に私は今まで耐えて来た感情がドッと押し寄せ、男と一緒に泣いてしまったのだ。


ああ、本当に馬鹿な馬鹿な私。

男の餌食になるのはこれからだってのに。


ああ、やっぱり簡単には別れられませんね。

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