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黒髪は星を集める〜追放皇子と十二星座の仲間たち〜  作者: S@Y@


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第42話:不屈の防壁と、極彩色の胎動


アルゴが掲げた氷の剣から放たれた、数千、数万の氷刃──【断頭氷刃カプリコーン・スライサー】が、全方位から逃げ場のない速度で俺たちへと殺到する。


「――っ! させません、我がマスターの歩みを止めることなど……絶対に!!」


俺がバフのスタックを命じた刹那、レオンが黄金マリーゴールドの髪を激しく振り乱しながら、俺の前に割って入った。

彼の掲げる天秤盾から、眩いばかりの黄金の光がドーム状に展開される。


キィィィィィィィンッ!!!!


凍土の空間全体を揺るがすような、凄まじい硬質音が炸裂した。

アルゴの絶対零度の刃が、レオンの絶対防御の結界に次々と激突し、爆発的な白い火花を散らす。


「くぅぅぅ……ッ!!」

レオンの口から、苦悶の調べが漏れた。

概念すらも裁くはずのレオンの盾が、寒気によってミシミシと悲鳴を上げ、その足元から白い霜が急速に這い上がっていく。レオンの身体が恐怖ではなく、文字通りの「凍結」によってガタガタと震え始めた。


「無駄だと言っている。我が忍耐の氷は、貴様たちの防壁ごと、その命の灯火すらも凍らせる」

アルゴが深藍ディープブルーの瞳を冷徹に光らせ、さらに剣を押し込む。氷刃の質量と寒気が倍加し、レオンの盾にピキピキと無数の亀裂が入り始めた。


「レオンッ!!」

フェリスが悲鳴を上げるが、レオンは一歩も退かない。オッズアイの瞳に、執念の炎を燃え上がらせて叫ぶ。


「我がマスター……! 規律の男たる私が……これほどの無謀を容認するのは、これが最初で最後です……! 皆の者、我がマスターの言葉に従えッ! 今ここで、全ての力を重ね掛け(スタック)するのだ!!」


「ガハハ! よく言ったレオン! 魔王様、俺の剛力、いくらでも持っていきなされッ!!」

ゴルドが雄叫びを上げ、その巨体から溢れる黄金の闘気を俺へと送り込む。


「ふふ、お望み通り、私の神罰の毒熱を全部あげるわ。このしつこい氷を、内側から腐らせて融解させなさい!」

サシャの紫色の髪が妖艶に膨れ上がり、猛烈な熱を帯びた紫の魔力光が俺の身体へと流れ込む。


「あはは! 僕の風も連れてってよ、シリウス! 寒気ごと吹き飛ばす、神速の追い風だ!」

シオンの新緑ミントグリーンの髪が激しく弾け、俺の背中に目に見えぬ疾風の翼が展開される。


フェリスの治癒と魔力増幅、レンの幻影による空間攪乱、そして耐え続けるレオンの規律による魔力収束──。

アリエスからサジタリウスまで、7人の『身内』たちの全魔力が、俺という中心点に向けて一気になだれ込んでくる。


「状況把握──。あぁ、最高に熱いじゃねぇか」


冷気でガタガタだった俺の魔力経路マナ・ラインに、仲間たちの意志と熱量が爆発的にスタックされていく。

俺の肉体を中心に、サクラピンク、ゴールド、ヴァイオレット、プラチナシルバー、深紅、黄金、新緑の七色のオーラが、この絶対零度の世界を拒絶するように激しく渦巻き始めた。


バギィィィィンッ!!!


ついにレオンの天秤盾が限界を迎え、砕け散る。

だが、その瞬間にアルゴが見たのは、七色の極彩色の神気を身にまとい、ニヤリと不敵に口元を歪める俺の姿だった。


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