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チャカチャカチャッカ!!  作者: 山中一郎
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「全魔法陣、起動中! 少しずつですが、フォマルハウトの体に回復の兆しが現れ始めています!」

「よし! そのまま治療を続行しろ! 必ず彼を蘇生させるんだ! ノーデンス様が時間を稼いでいられるのも、そう長くはないぞ!」

 ノーデンスとクトゥルフが戦っている間、ルルイエの郊外で、銀の腕の医療班が総力を挙げて純の治療に当たっていた。

 指揮を執るルイスが、治療班から受け取った純のカルテを確認し、焦りを募らせる。

(フォマルハウトさんの生命活動は、停止寸前でなんとか続いている。ジョルドがギリギリの所で救助してくれたのが効を奏したか。なにより、ファイアスターターの旧き印に蓄えられていた超越者の力のお陰による所が大きい。凍らされた時、まだファイアスターターはフォマルハウトさんの体を守っていた。そこからすぐに治療魔法陣にまで彼を運べたからこそ、彼はまだ生きている。だが――――)

 ルイスの苦悶する瞳が、クトゥルフに砕かれた純の左腕を見る。砕かれた左腕の回収はまだ済んでいない。

 純に力を与えるファイアスターターは、今もまだどこかに落ちたままなのだ。

(このまま蘇生術式を完全に終えてしまうと、フォマルハウトさんは間違いなく死ぬ。治療魔法陣だけでは生命活動を維持しきれない。超越者の力がなければ、体が魔法陣の効力に耐えきれない。ファイアスターターに蓄えられた超越者の力は膨大な量だ。あれを回収して、左腕につけ治すことさえできれば……!)

 焦りに駆られ、ルイスが構成員に状況の伝達を急かす。

「まだか!? まだ、ファイアスターターは見つからないのか!?」

「それが……。戦闘部隊は現在、クトゥルフに力を与えられたと思われるディープワンズ数十人と交戦中で……。ファイアスターターの落ちているルルイエの中心部に全く近づけません!」

「クソっ!!」

 ルイスは戦う力のない自分を恨み、戦闘部隊と共にファイアスターター回収と前線の維持のために戦っているジョルドに、一縷の望みを託した。


 ルルイエの中心に向かうジョルドと銀の腕戦闘部隊の前に、クトゥルフから力を分け与えられたディープワンズが立ちふさがる。

 ジョルドは銀の腕に雷をまとわせ、テレキネシスで戦闘部隊を攻撃するディープワンズたちを殴り飛ばしていく。

「すまん、ジョルド!」

「気にするな! 攻撃の手を緩めちゃダメだ! 僕たちがやられたら、後方の支援部隊とフォマルハウトはお終いだ!」

 純が苦戦したのと同じ、クトゥルフに力を与えられたディープワンズ数十人を相手に、ジョルドは必死に持ちこたえていた。

「フォマルハウト……! ここで君を死なせはしない……!」

 ディープワンズたちの攻撃は凄まじく、多勢に無勢と言う他にない。ジョルドは徐々に数が減っていく戦闘部隊に心を痛めながらも、決して戦う意思を捨てようとはしなかった。

「闘うんだ……! 君のように……! どんなやつらが相手でも!!」

 ディープワンズを食い止め続けていたジョルドも、ついにテレキネシスの波に吹き飛ばされ、次々に押し寄せるテレキネシスの波に押し潰されていった。



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