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くまクマ熊ベアー  作者: くまなの
クマさん、新しい依頼を受ける

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975 クマさん、マーネさんと再会する

「みなさんの水着、とっても可愛らしいですね。特にシュリの水着はクマですか?」


 シュリはワンピースの水着にクマの尻尾がついており、クマの水泳帽子を被っている。


「全部、ユナさんがデザインした水着なんですよ」


 ノアが自慢げに話す。


「そうなのですか?」


 セレイユがあらためて全員の水着を見る。

 フィナはフリルがついた白いビキニの可愛い水着。

 ノアの水着はフィナと色違いの青色。

 ミサは同じ感じに腰と胸にフリルがある緑色の水着だ。

 わたしがデザインしたものをシェリーが作ってくれたものだ。

 そして、わたしも自分でデザインした水着を着ている。

 ビキニで白いスカートタイプ。

 ちなみに、わたしが自分で着たいからデザインをしたわけではない。

 適当に元の世界にある水着を参考しながら複数描いたものの1つだ。

 しかも、このときは国王に砂漠へ魔石を運ぶ仕事を頼まれ、わたしの水着は適当に頼んだら、シェリーが複数の水着を作ってくれた。


「ユナには服のデザインをする才能もあるのですね」

「才能なんてないよ」


 元の世界にある水着や漫画で女の子が着ていた水着を思い出しながら、描いただけだ。

 つまり盗用、盗作、パクリだ。

 わたしが考えてデザインしたわけじゃない。

 ただ、デザインを盗用、盗作、パクリをしても怒る人も訴える人も、この世界にいないだけだ。

 だからと言って、わたしがデザインしましたと胸を張って自慢をするつもりはない。


「ユナは謙虚ですね」

「セレイユ様の水着は?」


 ノアが尋ねる。

 セレイユが着ている水着は競泳水着みたいな感じだ。


「これは学園で配布される水着ですよ。この湖で泳ぐこともありますので」


 つまり、この学園の生徒は全員泳げるってことだ。


「学園の授業ではないので、プライベートですから、わたしもユナたちみたいな水着にすればよかったです」


 ルリーナさんも水着はこの街で購入したと言っていた。

 可愛い水着も売っているのかもしれない。


「それにしても、お風呂のときも思いましたが、ユナは細くて綺麗ですよね」

「セレイユに言われても嫌味にしか聞こえないよ」


 こればかりは、自分を鏡で見ろと言いたくなる。


「2人とも綺麗ですから大丈夫です。早く行きましょう」


 水着に着替えたノアが手を引っ張る。

 小屋から出たわたしたちは桟橋までやってくる。

 桟橋にはボートが並んでいる。

 桟橋を通り、ボートの前までやってきて、あらためてボートの形を見る。

 湖や川で行うボートレースに近い。


「そんなにじっくり見て、どうしたのですか?」

「どうやって動かすのかなと思って。セレイユは乗ったことがないって言っていたけど、分かるの?」

「一応、分かりますよ。ただ、上手に教えられるかどうかと尋ねられたら、分かりませんが」


 まあ、乗ったことがないんだから、しかたない。説明書を読んだだけなのかもしれない。

 もしもの場合は、上手に乗れる人に教わることもできると教えてくれる。そんな話をしていると、どこからともなく話しかけられる。


「それなら、わたしが教えましょう」


 声のしたほうを見ると見た目は子供、中身が大人のハーフエルフがいた。


「マーネさんが、どうしてここに?」

「うん? 誰? わたしを知っているの?」


 マーネさんが目を細めるようにわたしを見る。

 上から下へ、目が動く。

 そして、わたしの手と足で反応する。


「もしかして、ユナ?」


 そこで、判別するんだね。

 一緒にお風呂に入っているはずなんだけど。

 まあ、お風呂でジロジロと相手を見ることはないけど。


「ユナがどうして、ここにいるの?」

「わたしはセレイユに誘われて、マーネさんこそ、どうしてここに?」

「それは、わたしが作ったボートの動作確認? 危険がないか、改良点の確認ね」

「マーネさんがこのボートを作ったの? 薬草の研究者じゃ」

「わたし薬草以外にも魔道具の研究をしているって言ったわよね」


 確かに、そんなことを言っていたかもしれない。

 それで、双頭の蛇の魔石を使って通信の魔道具を作るって言っていた。


「それにしても、クマの格好をしていないと、あなただと分かりにくいわね」


 それって、わたしのことをクマで判別しているってことだよね。


「マーネ様はユナと知り合いなのですか?」

「少し前に、薬草の採取を手伝ってもらったのよ」

「ユナは本当になんでもしているのですね」


 なんでもはしてないよ。

 エレローラさんの頼みだったから、手伝ったんだよ。


「ユナさん、こちらの子は誰でしょうか。ユナさんとセレイユ様のお知り合いみたいですが。それにあの乗り物を作ったと聞こえたのですが」


 貴族のノアでも、マーネさんのことを知らないみたいだ。

 ミサも分からないような顔をしている。

 2人が知らないのだから、フィナとシュリもマーネさんのことは知らない。


「前にエレローラさんから手紙で呼び出されたことがあったでしょ」

「はい」

「そのときに呼ばれた理由がマーネさんだったんだよ」


 わたしは簡単に説明する。

 エレローラさんに呼ばれた理由がマーネさんだったこと。

 そして、マーネさんの頼みで貴重な薬草の採取に行ったこと。

 優秀な薬師であると同時に魔道具に詳しいこと。


「マーネよ。よろしくね。見た目はこれだけど、立派な大人よ」


 マーネさんは大人って部分を強調して言う。

 でも、シュリとかあまり、信じていないようだったので、補足する。


「エルフだから、成長が遅いんだよ」


 実際は違うんだけど、マーネさんの体のことは説明はできないし、面倒なので、そう説明する。

 マーネさんも否定はしない。

 フィナたちはマーネさんを不思議そうに見ているけど、信じてくれたみたいだ。


「それじゃ、わたしがボートの説明をしてあげるわ」


 マーネさんは教師のように説明をし始める。


「このボートが作られた理由だけど、元は大型の船を魔道具で移動できる研究は前々からされていたの。でも、かなりの魔力を使うから実用的じゃなかったの。それで、しばらく放置されていた研究だったんだけど。小型の船ならってことで暇つぶしに作ったのが、このボートよ」


 マーネさんは、そう言って、水上車に目を向ける。

 大型船を造る副産物だったらしい。


「作るの大変だったのよ」

「そうなの?」

「いろいろと問題点があったのよ。魔石で動かせる船の重量ね。あまり大きいと動かないし、遅くなる。距離も短くなる」


 確かに、大型トラックと小型車ではエネルギーの量が違う。

 軽い車は燃費がよくて、重い車は燃費が悪いって聞いたことがある。


「重たくなれば、荷物も運べないでしょう。だから、運搬用ではなく、娯楽用として作ることにしたの。もし、もっと研究が進めば、効率がよい魔法陣が作られたり、船の構造が作られたりしたら、今よりもよいものが作れることができるわ」


 作ってこそ研究が進む。

 車や船だって100年前と今とは全然性能は違う。

 速度も運べる重量も数も違う。


「それで、まずは1人用のボートを造ったわけ」


 なるほど。


「このハンドルは?」


 ボートにはまるで車のようなハンドルが付いている。でも、この世界には車はない。

 なのにハンドルが付いている。


「ああ、舵輪のことね。それは大型船の帆を動かすのに舵輪を回して、向きを変えるんだけど、知らない?」


 ああ、海賊漫画に出てくる船が、大きなハンドルを回していた。

 確かに、ハンドルらしきものがある。「舵を切れ」と言って、回しているシーンがある。

 なるほど、ハンドルはそこから来ていたのか。


「この舵輪を動かすことで、船の後ろから吹き出す風の向きが変わるのよ」

「それじゃ、これは風の魔石?」


 ハンドルっていうか舵輪の握るところに魔石がはめ込まれている。


「ええ、ここに触れると風が吹き、筒を通って、船の後ろから風が吹き出す仕組みよ」


 魔石でジェット噴射みたいにして、動かしているってことみたいだ。


「マーネさん、凄いね。こんなボートを作るなんて」

「欠点だらけで、実用的じゃないわ。長時間の運用は無理。重量制限もある」


 そう言われたら、そうだけど。


「湖を2~3周したら、魔石の魔力がなくなります」


 補足するようにセレイユが説明してくれる。

 確かにそれでは実用的ではない。

 その度に魔石の交換とかしていたら、手間や魔石代がバカにならない。

 コストが見合っていない。


「でも、この街の利益を生み出す一環として、マーネ様のお力を借りて、研究しているところです」

「この大会もその一つよ。いろいろな人が乗り、どんな乗り方をすると、速くなるのか、よい情報が取れるからね」


 だから、視察ってことか。


「それじゃ、危険もあるってこと?」

「絶対に安全とは言わないわ。馬車だって、車輪が外れたりするでしょう。でも、安全になるように作ったし、過去の大会を見て、改善点を見つけて、その度に修正しているわ」


 この世に絶対安全な乗り物はない。

 船だって、波が強ければ転覆する。船同士がぶつかれば壊れる。

 飛行機だって、故障すれば落ちる。

 車だって、事故る。

 自転車でもそうだ。

 でも、危険から身を守ることはできる。

 車のエアバッグもそうだ。

 事故から守ってくれる。


「でも、溺れて大変なことになるのだけは防ぎたいので、参加条件に泳げる人になります。この街の人は泳げる人が多いので、それでユナたちに確認するのを忘れてしまいましたが」


 安全にも気を使っているみたいで、よかった。


「では、そろそろ乗りましょうか。みんな乗りたそうにしていますから。マーネ様、よろしくお願いします」


 セレイユがお願いすると、ノアたちも「お願いします」と言う。

 開発者のマーネさんがボートの乗り方を教えてくれることになった。

 でも、マーネさん、運動ができるようには見えないけどボートを操縦できるのかな?



見た目は子供、中身は大人のマーネさんが再登場。


※皆が着ている水着は書籍版の水着を調べて書いたため、なろうで書いた水着と違うかもしれません。

そのあたりはご了承ください。(うろ覚えですが、変えた記憶が微かにありますので)


※7月3日にくまクマ熊ベアー外伝~ユナのよりみち手帖~ 5巻が発売しました。

※6月5日にくまクマ熊ベアーのコミカライズ14巻と文庫版13巻が発売しました。

店舗購入特典もあります。詳しいことは活動報告にてお願いします。


PASH! BOOKS 10周年記念 POP UP SHOPにて販売されましたグッズがFuuuuオンラインショップにて販売が開始されました。

気になるグッズがありましたら、よろしくお願いします。

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くまクマ熊ベアーぱーんちのフィギュアが9月に発売予定です。


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※予約期間:2026/04/01(水)~2026/09/30(水)まで


※22巻の発売の情報はもう少しお待ちください。


※誤字を報告をしてくださっている皆様、いつも、ありがとうございます。

 一部の漢字の修正については、書籍に合わせさせていただいていますので、修正していないところがありますが、ご了承ください。

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― 新着の感想 ―
見た目は子供、中身は大人のカガリさんとマーネさんが連続登場w 結構な方がスクリューに言及されているけど、回転力を得るのって思いの外大変なんだよ。 現在のこっちの世界で回転力を得る方法は大きく3種類。…
たしかに帆船だと重くなるからスクリューとか水の操作で直接の方が効率は良さそうですね
白い水着を作れるとはシェリーさん腕を上げたな
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