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くまクマ熊ベアー  作者: くまなの
クマさん、新しい依頼を受ける

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959 クマさん、毒沼と戦う その2

 毒沼の上に立つのは人だけではなく、ウルフ、クモ、馬、鹿、ネズミ、様々な動物たち、さらにはヴォルガラスや様々な鳥、ヘビや蝶、コカトリス、様々な毒沼生物がいる。

 しかも、紫色をしており、ゾンビがどろっと溶けた感じだ。

 わたしは沼の周りにあったものを思い出す。

 人が死んだ者の形をしているなら、他の生物も沼に取り込まれた生物たちってことだろう。

 そんな生物の形をした毒沼生物が沼の上を歩き、わたしを襲ってくる。

 わたしは無数の風の刃を放ち、動物、人、形どった毒沼生物に攻撃を仕掛ける。

 攻撃を受けた毒沼生物は崩れ落ちる。

 人の形をしたものに攻撃を仕掛けるのはいい気分じゃない。

 とくに小さい人の形をしたものは気分が悪くなる。

 幼くして、この沼に殺されたってことだ。

 そんな感傷にひたる暇もなく、次々と毒沼生物が襲ってくる。

 風の刃で横一閃する。

 ウルフの形した液体はピチャと音を立てて崩れ落ちるが、すぐにウルフの形になる。

 コカトリスが襲ってくる。

 水でできているのに、どうして空を飛べるのか疑問だ。

 風の刃で切り刻むが、小さい生物と違ってコカトリスは崩れ落ちたりしない。

 風の刃が通った箇所がくっつき、元の姿に戻る。

 それなら、これはどう!?

 クマパペットを握り、無数の空気弾を放つ。

 沼でできたコカトリスの体に拳ほどの穴が無数に空き、今度は崩れ落ちる。

 毒沼生物は一体一体は弱いけど、次から次へと湧いてくる。

 これがアイアンゴーレムとかだったら、鉄がゲットできて嬉しかったけど。

 毒沼生物なので倒しても魔石が手に入るわけでもなく、毛皮も肉も手に入らない。

 毒沼で作られた液体なので、倒しても無価値だ。

 水の的に攻撃をしているだけになる。

 しかも、このままの状況が続けば、わたしが不利になる。

 この毒沼生物を作る行いが、コストなしなのか、それとも魔力を使っているのか、魔力を使っているなら、どの程度の魔力の消耗なのか分からない。

 もし自分の体の一部である沼の水だけで作っていたら、ほぼ無限に作り出されることになる。

 倒しても沼の上に落ちて、再利用される。永久循環のようなものだ。

 せめてもの救いは形だけで、本来の生物としての力を持っていないことだ。

 そうはいっても、数が多すぎる。

 次から次へと人や動物、魔物を形どったものが作り出される。

 相手も消耗していると思いたいが、楽観的な考えは捨てる。

 ……なにか考えないとジリ貧だ。

 だからといって、すぐに倒す方法は思いつかない。

 電撃魔法を使って、沼の中にある魔石を破壊する?

 でも、化学の授業で海に雷が落ちても表面上を四方八方に広がるだけと習った記憶がある。

 でも、可能性は0ではない。

 わたしは試しに電撃魔法を沼に向かって放ってみる。

 沼の表面上を電撃が走り、沼の上に立つ毒沼生物は崩れ落ちる。

 電撃は沼の表面を走っただけだった。

 毒沼生物を一掃するのは楽だけど、沼の生物を倒すまでにはいかない。

 そうなると、やっぱり。


「消耗戦と行きますか」


 わたしはクマの形をした炎を作り出し、沼地に放り投げる。

 もの凄い湯気がでてぐつぐつと炎のクマの周りが沸騰する。


「わたしの魔力が尽きるのか先か、沼の水がなくなるのが先かの勝負だ」


 沼だって水分だ。

 蒸発すれば水は消える。

 魔力の消耗戦は未知数だけど、水を消すことはできる。

 残ったものがなにになるかは知らないけど。

 わたしは毒沼の横を走りながら、炎のクマを放り込んでいく。

 沼の上に現れる毒沼生物は次々と蒸発するように消えていく。

 毒沼の中で炎のクマが燃え上がる。

 毒沼は沸騰して、蒸気が上がる。

 あの蒸気は毒だったりするのかなと思いつつ。攻撃の手は止めない。

 毒沼の横を走りながら、次々と炎のクマを放り投げていく。

 飛んでくる鳥やヴォルガラス、コカトリスは小型の炎のクマや中型のクマを放ち、蒸発させる。

 再利用はさせない。

 ヴォルガラスとコカトリスに対処していると沼の奥が小山のように盛り上がる。そして、口みたいに開くと、紫色のガスのようなものが吐き出される。

 毒を吐いてもわたしには効かない。

 気にせずに、その口みたいな穴にクマの炎を撃ち込もうとしたとき、炎のクマが爆発する。

 その爆風でわたしは吹っ飛び、後ろにあった木にぶつかる。

 衝撃はあったけど、クマ装備が守ってくれたから痛みはない。

 なんだったの?

 わたしは立ち上がり、毒沼に目を向ける。

 沼の一部が燃えている。

 もしかして、引火性の毒ガス?

 沼は爆散したけど、また小山のように盛り上がる。

 なんの生物か分からないけど、知能が高い。

 普通の毒ガスが効かないと分かると、毒沼生物を作って襲ってくる。

 そして、わたしが火の魔法を使い始めたら毒ガスを引火性の毒ガスに変化させた。

 沼のくせに知能が高すぎる。

 高位のスライム?

 とにかく、こんな生物がいたら、死の山と呼ばれるわけだ。

 救いがあるとすれば、ここにとどまり、村や街に移動しなかった事だ。

 でも、未来のことは誰も分らない。

 動物や魔物がいたから、ここにいただけかもしれない。

 動物や魔物などの生物がいなくなり、本当に死の山となったら、食事を求めて徘徊するかもしれない。

 そんなことになれば、ドワーフの町にやってくる可能性もある。

 そうなれば、わたしの知り合いが死ぬことになる。

 お酒の材料の問題だけじゃなくなってきた。

 どうやったら、倒せる?


 考えている間にも沼の口らしきものが開き、紫色の毒ガスを吐き、沼の上にはいろいろな動物から魔物、人の形をした毒沼生物が生み出される。

 沼の上には鳥、ヴォルガラス、コカトリスが襲ってくる。

 引火性の可能性があるので、風魔法を使って対処する。

 これじゃ、初めに戻っただけだ。

 終わりが見えない物量で押されれば、わたしに勝ち目はない。

 引火するガスが危険なら、吹き飛ばせばいい。

 魔力を集め、竜巻を起こす。

 沼の上に竜巻が現れ、毒ガス、沼も一緒に巻き上がっていく。

 ガスを吐き出す沼も一緒に巻き込む。


「これはおまけだよ」


 毒ガスと沼を巻き上げる竜巻に向けて炎のクマを放つ。

 竜巻の中でバチバチと音をしながらも、炎の竜巻に変わる。

 炎のクマがガスに勝ち、巻き上げた沼の水も蒸発させる。

 そして、竜巻が収まった跡には、なにも残らない。


「今ので、謎の沼の生物を倒せてたりしない?」


 そう思って、探知スキルで確認するけど、「no data」と表示される。

 つまり、倒せていないってことだ。

 でも、毒ガスと液状生物は一掃できた。

 だけど、生きているってことは毒ガスは作られ、毒沼生物はすぐに復活する。

 どうにかして元を倒さないと終わらない。

 わたしは柱を作り、上に移動する。

 ヴォルガラスやコカトリス、小鳥が襲ってくるが、ここなら火の魔法は使えるので、蒸発させる。

 飛んでいる毒沼生物を倒し、邪魔なものがいなくなると、わたしはクマパペットに魔力を集め、無数のクマの炎を撃ち込む。

 あっちこっちで炎のクマが沼の上で燃え上がる。

 もうひとつ試したいことがある。

 電撃クマを作り出し、高速回転させる。

 電撃クマを沼の奥深くまで電撃を打ち込めば、沼のどこかにある魔石を破壊することができるかもしれない。


「いけ!」


 電撃クマを放つ。

 電撃クマが通った箇所が爆発する。それでも電撃クマは一直線に沼に向かう。

 一筋の光となり、沼に直撃する。


「おまけだよ」


 電撃クマは一個でない。上空から、電撃のクマが流れ星のように毒沼に降り注ぐ。


「どう?」


 沼が静かになる。

 毒沼生物も湧きださない。

 もしかして、倒した?


「ふぅ」


 やればできるものだ。

 柱を縮め、下がっている時だった。

 油断、気が緩んだ。探知スキルの確認を怠った。

 力を抜いていた瞬間だった。

 沼が一気に盛り上がる。

 沼が強大な壁のようにそびえ立ち、わたしに向かって倒れてくる。

 完全にミスった。

 逃げようとしたとき、足に蛇が纏わり付く。

 足を振り上げる。

 その行動が致命傷だった。

 気にせずに逃げるべきだった。

 目の前に巨大な沼が迫ってきて、わたしは飲み込まれた。


「……うぅ」


 わたしは立ち上がる。


「危なかった」


 スキル、水中呼吸がギリギリ間に合った。

 わたしはクマの形をした空気玉の中にいる。

 あと少し遅かったら、沼に飲み込まれていた。

 クマの着ぐるみがどこまで毒沼から守ってくれるかは分からない。

 試すこともできないし、試したいとも思わない。

 もし、着ぐるみの中に毒沼が入ってきたと考えるだけでぞっとする。


 さて、どうしたもんか。

 沼の深くまで降りていた。

 このまま浮上して、沼から出てもいいんだけど。

 想定外だったけど、せっかく沼の中に入ったんだ。

 周囲は見えないけど、毒からも守ってくれている。

 しかも、誰も襲ってこない。

 沼の中に取り込んだら、倒したと思っているのか、平和なものだ。

 このままどうにかすればいいのでは?

 わたしは探知スキルを使うと「no data」と表示される。

 この表示されているところに、この沼の本体があるはずだ。

 反応はあっちだね。

 クマの空気玉を移動させる。


試したい魔法がいくつもあると、書く順番に困る。

使わないとなんで?となるので、さじ加減が難しいです。


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参考にしたいと思います。リクエストがあれば活動報告にて、よろしくお願いします。

22巻の発売の情報はもう少しお待ちください。


※誤字を報告をしてくださっている皆様、いつも、ありがとうございます。

 一部の漢字の修正については、書籍に合わせさせていただいていますので、修正していないところがありますが、ご了承ください。

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― 新着の感想 ―
>相手も消耗していると思いたいが、楽観的な考えは捨てる >……なにか考えないとジリ貧だ >だからといって、すぐに倒す方法は思いつかない ユナは鉱山でミスリルゴーレムと戦った時や、デゼルトのピラミッド…
>「わたしの魔力が尽きるのか先か、沼の水がなくなるのが先かの勝負だ」 >魔力の消耗戦は未知数だけど、水は消すことはできる ユナはミリーラの町でクラーケンと戦った時にも、「勝負はわたしの魔力が切れる前…
お、いつの間にか電撃クマで遠距離攻撃が出来るようになってる?! なるほどそのまま電撃を飛ばすんじゃなくて、クマの形にしてしまえば狙った場所に当てられるのか。
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