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異世界の不確定能力(アンノウンスキル)  作者: 焔伽 蒼
第五章 夜魅・奇襲編 
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【#091《勝利を信じて》】

【昼、都市クレイシス・情報管理局前広場】



「……“絶対零度”……」



ヒュースがそう言い放つと、身体から冷気が放たれ、自分を中心に辺りを凍結させていった。

周りの建物や地面もそうだが、気温も極端に低下しているせいか、俺達の肌までもパリパリと氷が張ってきている。


目の前が一瞬で銀世界に変えられてしまっていた。



「恐ろしいわね……彼女、あれでまだ本気じゃないわよ」


「マジかよ……」


「そうかも……もしヒュースさんが本気だったら、私達も凍結させられたと思う……」



舞には見えたのだろう。ヒュースの放った際の冷気が全力ではないことが。


実際、俺もその考えが正しいと思う。


見たところ、この技は範囲を指定出来ないらしい。向こうにいる火西や雨水も、寒そうにしている。

俺達を凍結させようとしたら、あっちの味方も一緒に凍らせてしまうのだろう。


すると雨水が口を開いた。



「おい、舞だったか? 場所を変えようぜ」


「……」



舞は俺の方を見てきた。行っていい?って顔だな。



「止めても無駄だろうからな……死ぬなよ?」


「うん!」


「リューネ!舞を助けてやってくれ!」


「グルッ」



分かったと返事をしてくれた。



「場所を変えます!」



舞はリューネの背中に乗って移動していった。



「聞き分けが良い女で助かるぜ!」



雨水は足元に波を出現させ、それに乗ったサーファーのように舞を追い掛けて行った。



「私達も離れましょうか」


「そうだね。この冷気じゃ、僕らの力は半減しちゃうしね」



火西は着いてきなよと言って、舞達とは逆方向に歩き出す。



「私は最初から全力で勝ちに行くわ」


「ああ」


「だから良夜も負けないで!」


「勿論だ!さっさと終わらせて、マスヤバに行こう!」


「ええ!」



魅紅も火西の後を歩き出す。

そして俺はヒュースの方へ視線を向けた。



「待たせたな」


「……別に。 ……始めていい?」


「ああ……だが、その前に1つ答えてくれ」


「……?」


「何で犯罪者なんかになった。なぜ夜魅に協力している」



それは最初から感じている疑問だ。どうもヒュースからは悪意と言うモノを感じない。

これは気のせいとかじゃない。昔から人の悪意を見てきた俺だから言える核心だ。

だから、ヒュースの意思を聞きたかった。



「……」



だが答えてくれない。


答えられない理由があるのか?

それとも迷っているのか?



「…………ここにしか居場所が無いから」



その答えてくれた言葉を切っ掛けに、ヒュースの攻撃が始まった。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



リューネに乗って高速で移動していた舞は、町外れにある平野地を戦う場所に選んだ。


直ぐに雨水が追い付き、舞から距離が離れた所で止まった。



「平野地か……まさかここでなら俺の水を封じられるとか思ってんじゃねぇよな?」


「そんなことはありません……」


「ならこれに耐えて見せろ!“水流突破”!」



雨水さんの右手から水の砲撃が放たれてきた。


確かに雨水さんが言うような期待はしていたけど……目的は他にもあるもん!



「平野地なら土のエレメントが一番発揮しやすいから!そして、水は土に弱い!」



国連の皆さんに教わった五元素の知識、それに応じた技の特訓!

護身用で教えてくれたエレメントの力が役に立つ時!


わたしは土に地面を当てて、エレメントを流し込む。そして目の前に土の壁を作り上げた。


予想通り水は左右に弾く事に出来た。



「へぇ。性質を良く心得ているな。しかも、土壁も水の抵抗が左右に逃げるように、三角形状に作られている。頭も回る!」



雨水さんはわたしの手段を分析出来るだけの余裕がある。


倒す為の策はある……けど、まだ足りない。


もっとあの感情を出させないと……!



「次はちっと強力なの行くぜ!」



雨水さんは詠唱を始めた。



次回へ続く!!


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