【#090《遂に衝突!》】
【昼、都市クレイシス・情報管理局前広場】
「二度目の爆発……!これは魔法によるものか!?」
「えぇ!恐らく火系中級魔法の爆炎ね!私も使えるから分かるわ!」
「どうするの!?逃げる?」
「もしかしたら夜魅の可能性もありそうだな……。リューネを預けた小屋に行かねぇと!」
「そうね!でも、その前にお客さんが来たみたい……」
『!?』
俺と舞は驚いた。いつの間にか、回りを赤と黒の斑点模様をしたコートを着た人間に取り囲まれていた。
「何者だ、こいつら……」
明らかに殺気を向けて来ている。舞を後ろへ隠しながら、周囲に警戒網を張る。
「その人間の血と魔族の血を表した赤と黒の斑点模様……Blood Poison!C級犯罪組織ね!」
奴等は無言のまま襲って来た。
「良夜!舞を守って!舞はいつでも治癒を出来る状態に!あいつらはC級のトップ、手強いわよ!」
やるしかないと覚悟を決めた時、急に辺りが謎の連続爆発に見舞われる。
「な、なに!?」
「更に敵が……!?」
「違う!この魔法は……!」
俺は魅紅の迎撃態勢を右腕で制し、まさかと空を見上げる。
「ゴギャァァァァァア!!」
「リューネ!」
そこには元の大きさに戻っていたリューネがいた。
「リューネちゃんだ!」
「どうしてここが分かったの!」
リューネが風を吹きたてて地面へと降り立った。周りの通行人達なんか「ドラゴンだぁー!」「さっきの爆発もドラゴンなの!?」「良いから逃げろ!」と散々な事を言ってくれた。
ちなみにブラッド何とかって奴等は、リューネの魔法によって全滅していた。
魅紅が「まあ人間や魔族に勝てる強さと言っても、龍種が相手じゃ、こうなるわよね」と解説し、舞が「何だか可哀想だね……」と同情していた。
強さの設定だった割にはモブのような扱いだったな。哀れな。
「グルル」
「何々。爆発音がしたから、俺達が心配になり、臭いを辿って来た……だって」
『リューネ(ちゃん)……!』
何だか二人がきゅーんと、トキメいている気がした。
現に舞はリューネの足にしがみつき、魅紅はどこから出したのかパンを与えていた。
「でも助かった。ありがとな、リューネ」
「グルゥ」
「!? 羅生!」
俺は咄嗟に霊源結界“壱の型”羅生を展開した。
ガガガッと羅生にぶつかって来たのは水だ。
それもライフル並の威力のある水弾だ。
「よく気付いたな!」
「お前は……!」
「夜魅の雨水だ!潰すぜ?」
やはり夜魅だったか!
ヒュォォ……
この寒気……マジかよ……!
「お前まで居るのかよ……」
通った道全てが凍り付く圧倒的な氷性質の魔法を使う人間……
「最氷・ヒュースっ!」
「……」
「あれれ? まだ始めてなかったの?」
今度は横から声がする。
「警備隊の人ら弱すぎだよ。陽動しておくつもりが、全員倒しちゃったから、こっちに遊びに来たよ。あ、僕は火西、夜魅だよ」
「夜魅が二人に加え、最氷まで……割りとピンチかもね。私たち……」
珍しく魅紅が弱気になっている。
でも言わんとしていることは分かる。相手が夜魅となると、一対一が打倒だ。しかし、数こそ同じとは言え舞は戦闘に向いていない。
つまり舞を守りつつ、夜魅とヒュースを相手にしなければいけないのが現状だ。
基本何かを庇いながら戦うのは、戦力が低下してしまう。更には数での不利……極めてマズイ状況だ。
「わたしも戦う!」
「え? いや、待て!舞は戦いには━━━」
「向いてないのかもしれない……でも、わたしだって御三家だもん!何よりお姉ちゃん達の妹として守られてるだけなんてイヤ!」
「でも……」
魅紅も舞を止めようとしていた。心配なんだ。俺だって止めたい……。だが
「もう昔のような弱い存在で有りたくない!」
その真っ直ぐな瞳で言う言葉には重みがあった。
俺も魅紅も、舞の気持ちを尊重したい。だから、本気で止めることが出来ずにいた。
「良いね。強き者の眼だ!決めた!俺と一対一で勝負しようぜ!」
雨水が舞に指差した。それでも舞は怯まず、凛と見返していた。
「……良夜、私は火使いをやるわ。貴方は最氷を頼める?」
「……まあ、仕方無いな。ヒュースとは一度戦ったこともあるし、適任だと思う」
「魅紅ちゃん?良夜くん?」
俺と魅紅は舞の肩に片方ずつ手を乗っけた。
「任せるわよ、舞」
「舞、頼んだぞ」
「……っ」
舞は俺と魅紅の手をそっと握った。
「うん……二人も頑張って!」
「ええ!」
「おう!」
この戦いで、正式に夜魅との決戦の火蓋が切って落とされた。
次回へ続く!!
始末屋情報4
物語には零弐を中心にした三つの世界があります。
一つは家族としての世界。
二つは始末屋としての世界。
三つは学生としての世界です。
それぞれにヒロインがいます。ちなみにメインが誰になるかは、プロットですら未だ決まっていません。
零弐が中心なら、どの世界が主人公の世界なんだと聞かれれば、7~8話ぐらいまで見て頂ければ、解ると思います。
俺充!も同時に更新です。ではではw




