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異世界の不確定能力(アンノウンスキル)  作者: 焔伽 蒼
第五章 夜魅・奇襲編 
95/140

【#088《国際情報管理局》】

【深夜、屯朶の村メティア】



「寂しい村だね、人の気配がない」


「当たり前だ。屯朶の村は7年前に廃村認定されている」



ここに良夜達を追ってやって来た夜魅襲撃部隊がいた。


夜魅構成員の火西と雨水を筆頭に、特A級犯罪者“最氷・ヒュース”、B級犯罪者チーム“殺戮兄弟”、C級犯罪者組織“Blood Poison”、総勢45名がクレイシスへと向かって進行していた。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



夜魅の本拠地、トップの最上支土は襲撃以外にももう1つ作戦を発令していた。



「さっき長距離念話(バイタル)で火西からメティアへ着いたと連絡があった」


「そう。 それじゃあ、ワタシも行くわ」


「頼んだぞ、更」



夜魅の参謀であり、支土の右腕でもある白折更(しらうり さら)も動いた。



「フッ 後は待つだけか。色々と」


「また悪巧み?」


明衣(めい)か」


「名前で。明衣は夜魅でのコードネーム。左腕に対して他人行儀過ぎないかな?」


「ああ、すまない。 それで、どうしたんだい?暁美(あけみ)


「更っちだけ動かすの?」


「そうだよ。君はまだ待機だ」


「襲撃部隊、戦力としてどうなの? 不安な気がするんだけど」


「心配ないさ。確かに火西と雨水だけでは、万が一の可能性がある。 だけど、あっちにはヒュースがいる」


「……最氷か。まあ、あの子も送ったのなら安心かもね。何せ、夜魅に所属したことによって、その危険度は特A級からS級にまではね上がったくらいだし」


「ああ。彼女は元々S級の実力があった。 だが大きな動きをしなかったから特A級止まりだったけど」


「夜魅みたいな凶悪犯罪組織に加入したせいで上がったって事かー」


「失礼な話だよ」


「よく言うよ。 ま、いっか。用があれば呼んでよ、自室で寝てるから」



暁美は支土の部屋を後にした。



「仕事はあるんだけどな。 左腕を強調する癖に、その自覚がないんだよね。暁美は」



やれやれと、支土は空を見上げた。綺麗な星空が見える。



「明日は快晴だね」



━━━━━━━━━━━━━━━━━━



国際情報管理局、そこはアルカティア全土を取り仕切る世界三大組織筆頭である“倫理会”が運営する国際会館の1つ。


魅紅が言うには世界のありとあらゆる情報が揃う場所で、その情報密度は1級指定(最高機密)を始め、2級指定(国家裏情報)・3級指定(古代文献や企業機密)・4級指定(全世界全住民表)・5級指定(民間事情)まである質量だ。


一般人が閲覧出来るのは5級指定までで、4級・3級指定は三大組織勤めの人間、つまり魔法倫理協会・国際連合軍・グラナ帝国軍の人間にしか閲覧出来ないらしい。


2級は三大組織の中でもごく一部の幹部のみで、1級に至っては三大組織のスリートップにしか出来ない徹底ぶりである。


それほどまでに監査が厳しいと言うのに……、俺達は今、2級指定情報閲覧フロアに来ていた。



「……なあ、魅紅よ……」


「何? 喋る前に調べた方が良いわよ、30分しか時間取れなかったんだから」


「ああ、分かってる。分かってるさ。この30分にどれだけの価値があるかを」


「それなら……」


「だが言わせてもらう。お前ら何者だよ、マジで!」



俺達が2級フロアにいるのが問題なのだ。なぜ、入るも困難と言われる三大組織(地球風に国家公務員)の大幹部(地球風に各分野の長官以上)にしか見れない情報を見せてくれるんだ!それを聞きたかった。



「何でって言われても……ねぇ?」


「う、うん……この紋印って、こういう使い方するんじゃなかったの……?」


「さも不思議そうにされても!」



舞も屯朶の紋印を持っていた。どうやら10年前の事件後に世話になった国連の人間に、使い方を教えてもらったみたいだ。


最初こそ2級フロアへ行きたいと言ったら、管理局の受付の女性に怪しまれたが、魅紅が紋印を見せた途端、大慌てで女性は奥から偉い人っぽいスーツ姿の男性を連れてきて、丁重に2級フロアにまで案内された。


しかし、どんな者でも決まりで2級フロア閲覧時間は10分しか設けてくれないらしく、仕方無いと皆が諦めようとしたら、そのスーツ姿の男性(てか、あの人ってここの管理者じゃね?発言権もあったし)が、舞の顔をじーと見るなり名前を訪ねてきて、緊張しながらも舞が「屯朶舞……と申します。あ、紋ならあります!」と答えると、紋印を見た男性は「失礼しました!天塚様の他に屯朶様までいらっしゃるとは……!」と、30分まで時間を延長してくれた。



「いやね? お前達が御三家とか言う大貴族のような存在なのは知っていたが、まさか三大組織の大幹部以上の力を持っているとは思わなかったよ」


「まあ、見れるんだから細かい事は良いじゃない」


「わたしは良く分からないかな……そういうの余り教えてもらって来なかったし」


「そんな軽くて良いのか……」



後にだが魅紅で10分の制限時間だったのが、舞で30分まで延長された理由が分かるのだが、それはまたの話。


更にこの時、クレイシスの直ぐ側まで敵が近付いてきたのだが、これを知るのに時間はそう掛からなかった。



次回へ続く!!


始末屋情報2


この小説のもうひとつのテーマ、それは家族です。


零弐に妹が二人ほど出来ます。メインヒロインが誰になるかは、秘密ですがヒロイン格であることは間違いありません。

ヒロイン格は他にもいます。また、男性キャラも結構出ます。基本は日常を描きつつ、時にシリアス、時にバトル、時にえrゲフンゲフン!ハプニング等を取り揃えて行きますので!


連載まではもう少々お待ちください。

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