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異世界の不確定能力(アンノウンスキル)  作者: 焔伽 蒼
第三章 屯朶三姉妹編 
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【#042《リューネと屯朶》】

「事情は分かったよ。まさか、異世界へ跳ばされて帰ったと思ったら城ごと家族達が消失してるなんてね。でも御三家の中でも戦闘においては最強を誇る天塚一族が、全滅したとは考えにくいんだよね~」



真美は顎に人差し指を当てて、頭を悩ませていた。



「姉さん、舞ちゃん、この話って昔に起きた事件に似てると思いませんか?」



麻夜が意味あり気な事を言った。真美も舞も「……」と黙ってしまう。



「昔に起きた事件?」



良夜が首を傾げると、麻夜が説明をしてくれた。



「はい、10年ぐらい前なのですが、当時は屯朶一族の者も13名程居ました。しかし、ある日この村に強大な力を持った魔族がやってきたのです」


「……っ」


「……」



なぜだか真美が歯噛みをして、舞が俯いてしまった。その中で、麻夜は淡々と冷静に説明をする。



「……?」



良夜は何か違和感のようなものを感じた気がしたが、それは麻夜の説明を聞くと違和感も薄れていった。



「その魔族は心を操る能力を持った上位種以上の存在でした。それは屯朶で一番実力のある人に入りました……そして一人、また一人とその人は皆を……」


「……LV5以上の存在か(しかも屯朶のような強大な魔力を持った者に干渉出来る程の……)」



宰は記憶にある園臣家で知り得た魔族の情報を思い返そうとする……が。



「おかしい。LV5(上位)とLV6(最上位)に“心を操る魔族”だなんて該当しない」



その時だった。今まで姉達の影に隠れるように、良夜達から一歩離れていて三女の舞が表情を強張らせて出てきた。



「そんなことない!あれは……あの禍々しい魔力にその実力は間違いなく……!」


「む……」



舞は目に涙を浮かべていた。流石の宰も、どうしたら良いのか分からなく、ケイ達に助けを求めるが、無言で目を反らされた。



「貴様ら……!」


「舞……」


「舞ちゃん、泣かないで」


「泣いて……ない」



真美と麻夜は舞を心配する。だが、良夜には何か拭えない違和感があり続けた。



(……やはり変だ……。舞さんが泣いているのは魔族に殺された家族に向けられたもの……だが、真美さんと麻夜さんから感じるのは……)



真美は舞が落ち着いたのを確認すると、宰の方を見た。



「上位以上に心を操る魔族はいない━━━出来ればその事を詳しく教えて貰えないかな?」


「知ってる範囲なら全部教えよう」


「ありがとっ。じゃあ、何で園臣さんは“いない”と言う事を断言出来るの?」


「私の家系は今でこそ園臣流抜刀術と言う武となっているが、その昔は退魔師として剣を振るう家系だったからだ。魔族の情報(データ)に関してなら、御三家よりもある」


「退魔の一族だったんだ……それなら信じられるよ。ちなみに何だけど、魔王の情報とか残ってるかな?」


「? 魔王は御三家が滅ぼしたのでは?園臣の情報にもそう記してあるのだが……」


「うん、念のために……ね。 ……思わぬところで求めていた情報と出会えた」



真美が無意識に漏らした最後の言葉は、ボソッと小さく呟いた程度だったので誰にも聞こえなかった。



「クルゥ!」


「ひゃう!?」



突如、ドラゴン“リューネ”が良夜の前で翼を広げて吠えた。

その存在に驚いたのは、一番遠くにいる舞だった。



「どうした、リューネ!?」


「なに、この可愛い生き物!?と言うか龍種ね!この異常な生命力は!」


『!?』



真美が一瞬でドラゴンと看破したことに誰もが驚いた。



「ドラゴン……?」



するとドラゴンだと分かった舞が、何かを思い出す。



「クルルル!」


「何!?本当か……?」


「良夜、リューネは何て言ってるの?」


「俺達が初めてリューネと出会った樹海あるだろ?」


「えぇ、無限卿ね……」


「名前初めて聞いた……て言うか知ってたのかよ」


「後からハーベルトに教えて貰ったのよ。それでリューネは何て?」


「どうやら、俺達が逃げた後、目の前にいる少女に威嚇されたんだと……」



リューネは羽ばたき、真美と麻夜に目もくれず舞の側に降り立った。



「目の前の少女って舞さんの事なの!?」


「おい、リューネ!」


「クルルル!」



リューネは舞の前で翼を広げ威嚇を開始した。



(やっぱりあの時のドラゴンだ。て言うか、追い掛けられていた人達がこの人達だったなんて……)


「今度は退かないと訴えている」


「あの時リューネが追い掛けて来なかったのって、舞さんのおかげだったんでね」


「ありがとな。あの時は助かったよ。でも、どうやってリューネを威嚇したんだ?」


「あ……えーと……」



舞が急に口ごもってしまった。実のところ舞は、屯朶としての能力を上手く使えないでいた。

なので説明しようにも、何て言ったら良いか解らなかった。



「エレメントを使ったのよね」



真美が助け船を出してくれた。



「エレメント?」



良夜の疑問に真美は愛嬌良く直ぐに答える。



「屯朶一族が扱う異常能力(シリアル・スキル)の事だよ~」


異常能力(シリアル・スキル)?」



今度は魅紅が答えてくれた。



「天塚一族で言う紅炎みたいなものよ。御三家が最強と言える大半は、異常能力(シリアル・スキル)のおかげ何だから」


「そうなのか……。それでエレメントってどういう力なんだ?」


「今度は私が答えよ~。あ、でも、話すと長くなるからざっくり説明するね。エレメントって言うのはね、元素の事だよ」


「うんうん」


「……」



真美は黙ってしまった。



「……?」


「?」



なぜだが真美はきょとんとしている。良夜達も、その態度にきょとんとするしかなかった。



「……あの、説明の続きは……?」



恐る恐るユウが聞くと。



「以上だよ~」


「ざっと過ぎるわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」



草原の大地に良夜のツッコミが炸裂した。しかも「わぁ」の部分が山でないのに、山びこするほどの大音量で。



『to be continued』


どもども、焔伽(ほとぎ) (あおい)です!


最近思うのですが、仕事中に小説のネタの事とか考えてしまいます。余裕際あれば思い付いたネタを適当な紙にメモるのですが、余裕ないとメモれませんし、休憩時間になる頃には忘れてしまいます。「休憩の刻の頃に 忘」です(笑)


後ですね。キャラを登場させる時に説明する特徴とかがすっごく苦手です。髪の毛の説明ばっかりですが、髪フェチだからではなく、その辺しか紹介できないのです。

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