表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界の不確定能力(アンノウンスキル)  作者: 焔伽 蒼
第二.五章 旅立ち前夜編
41/140

【#035《温泉へ迎え!! 後編》】

「う~ん……」


「グル?」



良夜はラ・フェイスの屋根に登って、星空と夜風を堪能しながらドラゴンの事を考えていた。

ドラゴンはドラゴンで、良夜の事を見て、きょとんとしている。ドラゴンの大きさは、屋根に登っても尚余りうる巨体で、今後着いて来るとして、その巨体はどい隠す?

速く地球へ帰るためには、情報収集が必要となる。となれば、あらゆる人間や交通機関も利用することになるだろう。

宿泊施設だってそうだ。ラ・フェイスはたまたま受け入れてくれたが、普通なら飼い主共々入店禁止の筈……、それは魅紅が言っていたから間違いないだろう。

聞く限りでは、龍種と言う存在が非常識に入るレベルらしい。非常識な世界から見た非常識とか、もはや普通の世界の普通な一般人な良夜には、荷が重すぎるのだ。

そんな悩みを察しているのか、ドラゴンもどこか不安そうだ。

これも魅紅から聞いた話だが、ドラゴンは知能が非常に高く、その高さは人類に匹敵するとも言われている。



「人間の言葉も分かると言ってたよな……。なあ、お前は俺なんかを認めてくれているようだが、俺はそんな立派な人間じゃないんだぞ?」


「グルル!」



ドラゴンは何かを確信しているかのような表情で鳴くが、良夜にはその言葉が分からない。



「せめて、お前の言葉だけでも解ればな……」


「グル……」



そんな時だった。裏山の方から、小さいが確かに爆発のような音が聞こえた。



「何だ!敵か!?」


「違うよ、早乙女君」



庭からユウが話し掛けてくる。



「風代か……違うって、どういう事だ?」


「覗きだよ。伊座波君達が、宰様達が入っている温泉を覗きに行ったんだよ。さっき渕垣君の気配が消えたから、多分迎撃されたんだね~、我らが宰様か、君のとこのお姫様にね」


「命知らずにも程があるな……」


「それより早乙女君、どうかな?一緒に話しでもしない?互いに別世界の住人何だし、楽しいと思うよ?」


「悪くないな。ちなみに質問に答えられなかったら、罰金な。そして俺が答えられなかったら、慰めとして俺に課金で」


「何で!?それ、どうあっても僕のお金が減るじゃないか!」



━━━━━━━━━━━━━━━━━━



ユウが早速、良夜に弄られていた頃、ケイとリュウは何故か裏山の山頂まで来ていた。



「ハァ……ハァ……!中央部に行こうとしていたのに、何で天辺(てっぺん)まで来ているんだ……!」


「ハァハァ……し、仕方ないだろ……中央辺りに異常なまでのトラップが仕掛けてあったあげく、そのトラップを交わしていったら、いつの間にか山頂まで追い込まれてたんだからなぁ!」


「確かに!と言うより、あの凶悪なトラップは何なんだ!?地面が爆発したり、飛び道具が連射したり、(しま)いには大爆発する飛び道具まで飛んで来たぞ!」


「何らかの武器だろうが、見たことがなかった。相当高価な武器なんだろう!武器は魔力を使わないだけに察知が難しいから厄介だ!」


「仕方ない!能力を使う!」


「!? それじゃお前だけしかたどり着けないだろぉ!」


「……確かに、リュウの能力は回避には不向きだな」


「だろ?」


「それが何だ!」


「えぇぇぇぇえ!?」


「ぶっちゃけ言おう!俺が楽しめれば、それで良い!」


「なぁ━━━!」


希少能力(レア・スキル)“閃光光来”発動!さらば!」



ケイは目にも止まらぬ速さで、山の中を駆け抜けた。あらゆるトラップが襲い掛かるが、光速移動をするケイには当たらなかった。


残されたリュウは、一人で危険地帯を歩くのも無理だと思い、山頂に取り残されてしまった。



「ふふふふ!多少の犠牲はあったが、間もなく中央部!至宝の光景は俺が頂く!」



ついに変態(ケイ)は、温泉の入り口へ着いてしまった。

直ぐに気配を消して、暗殺者のような足取りでドアへくっつく。そしてそぉっとドアを開けると、そこには有り得ない光景があった。



「な、何!?」



ついドアを開けて、大声を出してしまうような光景━━━それは、誰も居ないであった。



「まさか……遅かったのか?」


「いや、ちょうど良かった」



ゾクッと後ろから人の気配がする。ケイは恐る恐る、後ろへ振り向くとそこには浴衣を来た魅紅・宰・ミイシャの姿があった。



「浴衣……だと!?」



湯上がりなのだろう。艶々(つやつや)しい髪から湯気が立ち上っていて、浴衣の上下からは僅かに下着ラインが見えていたせいか、ケイはこれはこれで有りだと思った。



「中々賑やかだったぞ。爆発音や鐘のような音は、見事に風情をぶち壊してくれた」


「それが覗きが理由だなんて……中々面白いわ」


「あぅぅ……」



宰と魅紅は笑っていたが、ミイシャは何かに凄く怯えて、ドアの陰へ隠れてしまっていた。



「そんな貴方に、私達から(ささ)やかなお礼よ」



魅紅は紫煙の鎌「デュゴス」を、宰は大刀を装備していた。



「あ、お、お礼なんて大丈夫……です!」


『却下』



魅紅は紅炎の刃を、宰は斬撃波を放ち、それが合体して紅炎の斬撃波となってケイを狙う。



「が、合体して━━━って、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!?」



━━━この日、三名の気配が消えた。



『to be continued』

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ