第43回『『HAKO NIWA シークレット!』で使用しているその他の小技』(『HAKO NIWA シークレット!』の宣伝も兼ねてます)
いつもは日常系コメディが専門の筆者が、なろうファンタジーのテンプレに初挑戦しました!
『HAKO NIWA シークレット!』
https://ncode.syosetu.com/n6394jf/
人外転生(みかん箱)+ガチャ、ダンジョンに置き去り、ざまぁ(軽微)、レベルアップ→進化、チートスキル、そして、変形ロボとてんこ盛り!、ちょっと長めの短編です。
読んでくださると嬉しいです。
『HAKO NIWA シークレット!』で使用している小技をいくつか紹介します。
『統一しないで列挙』
作中に出てくるこの一文を見て下さい。
"今の私には、笑うとエクボのできるほほも、それをつねる指も、困惑して傾げる首もない。"
"頬をつねる指"、"傾げる首"、は、信じがたい時の仕草という共通点がありますが、"エクボのできるほほ"だけ系統がちょっと違いますよね。
全部を同じに統一しない書き方は、一捻りしてあるような印象を与えられます。
ちょっと遠い話題から入って、それを参照しつつ本題、さらに例を付け足していって本題を強調することで、言いたいのはこっちというのを伝えます。
ちなみに、この一文は、さらに、身体の部位というのも共通になっていて、そっちを使ったダブルミーニングにもなっているという、もうひとつのギミックも同時に兼ねていたりします。
『時系列が連続していない時の繋げ方』
本文のこの部分ですね。
"隠れていた通路の角から、少女が顔をのぞかせた。
次からは、大事なものは箱にしまっておこうと思う。
それからの道中は。"
時系列がつながっていない代わりに、共通点があったり、似た意味をもつ言葉を"つなぎ"として書きます。
次からは → それからの
ですね。
もう一例です。
テーマ『チャイムの音がする』
https://ncode.syosetu.com/n4278gf/17/
の冒頭部分です。
"「ちょっ、待って、たんま、たんまって言ってるでしょ、このガキどもー!」
子供と大人の違いは何か。"
時系列がつながっていないかわりに
このガキどもー → 子供
ですね。
時系列が飛んじゃったり、あっちこっちしちゃうのは、普通にあることなので、いちいち時系列がつながっていないことを説明するとモッタリしちゃったりもするので、重宝します。
『話題の中心では無いところを拾う』
複数箇所で使っているのですが、例えば、この部分です。
"一人が仲間から離れて、ランタンをかざしながら側に来て屈む。宝箱を調べるつもりだ。
おおっ、何気に明かりを見るのは初めてだよ、ランタンなんだね。まだ電気の無い文明レベルと思っていいのかな。なんて、呑気にしている場合じゃないから!"
本来、話題の中心となるところとは、違うところを拾って、次の話題につなげています。
えっ、そこなの?
っていう、読者からのツッコミを狙うのですが、意表を突くという一面があるので、ミステリーの謎解きなどにも使えます。
また、文章に余裕をもたせたり、面倒な描写をしないで済ませるのに、使えたりします。
現在進行系の出来事を説明する描写が続くと、説明文だらけになってしまって、文章が平坦になったり、必要最低限だけの性急な文章になったりしがちなので、一旦、そこから離れるために使います。
まあその、ついでに、面倒な細かい描写から、読者の目をそらしてごまかすのにも使えちゃったりもするわけですね。
コメディでは、使い勝手の良い小技です。
『HAKO NIWA シークレット!』
ファンタジーの短編です。
↓にリンクがあります。良かったら、のぞいていってくださると嬉しいです。




