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23/23

23・上手く説明出来んものはせんぞ・・

小倉にあるキャバクラで・・


すでに会合場所のキャバクラに来ている小泉とダリア。

ここはラナが事件を起こしたキャバクラで、

あの事件以来店は開いてない。


ダリア(まぁ・・これは追加で受けるしかない・・)


この店の保証だ。もうこの店で営業は出来ないだろうから、それなりの金を・・


若衆「金岡さん来られました!」


少しウチの相談役が遅れると聞かされていた・・


『ガチャ』


そして店の扉が開き・・


金岡「・・・・金岡ぁ・・」

ダリア「くっ!」


これが金岡・・噂の・・

とんでもない覇気・・これで本当に堅気なの!?


あのダリアでさえ気圧される・・

タダモノではない・・見たことのないレベルの人物・・

そして・・・


『ポトッ・・ポト・・ポト・・』


テーブルに金岡が指を落とす。ラナの指だ・・


金岡「・・・・・・・・・・・・・」

ダリア「・・・・ではこちらが・・ご迷惑お掛けしました・・」


そう言って丁寧にハンカチに指を包む。

もう接合など無理なので意味などないが、

『ウチの』可愛いラナの指だから丁寧に・・


この人か・・ラナの指を飛ばしたのは・・

いや、この人でしかない。平然と若い女の指飛ばすなんて・・



金岡「・・・・・・・・・・・・」

小泉「金岡くん。条件が・・」


こうこうで、と小泉が説明するが金岡はダリアから視線を外さない。


そして遂に金岡が声を発する。


金岡「・・・まだ他に言いたい事があるじゃろうが・・」

ダリア「そっ、それでは!ラナを引き渡してもらえますか。」


そう・・ラナの救出奪還。東京へ・・・

だが・・


金岡「無理じゃ・・」

ダリア「何故ですか?」

金岡「チャカ貸せぇ・・」

ダリア「ちょっと待って下さい!」


無理じゃ、なぜです?振り向いて若衆にチャカ貸せ?何て展開が早いんだ・・

脅しじゃない・・・この人は躊躇わずに撃ってくる。

私が金岡さんのこれが際立ってるなと感じたのは、

圧倒的スピードでの実行力と曲げない信念だ。

躊躇わない・・自分の信念の為には・・

これが修羅の国のヤクザの相談役にもなるほどの人物・・


若衆「金岡さんどうぞ・・」

ダリア「ラナはぁ!!」


バカか!!!渡すんじゃないわよ!


若衆が金岡に拳銃を手渡した瞬間にダリアが立ち上がって大声で喋りだす。


もうつまらぬ事はこの人には無理・・正直に・・


小泉「大刀さんの犬じゃと!?」


あのラナって女が?

なるほど!それを金岡くんは女から知ったのか。


じゃあ尚更、東京じゃなくて・・



小泉「こっちが殺して大刀さんに送り付けてやるわ!」


このワシを撃ちやがって!ふざけやがってあの女!

もう三州からも脱退じゃ!京堂会嵌めやがって!

京堂会は三州の東京進出の足掛かりに捨て駒として使われたんかクソが!


金岡「・・・・・違うんじゃ・・会長よ・・」


ワシはそういう意味で女を返さんのじゃないんじゃ・・


今ラナは・・ワシの傍におるんじゃ・・

その、なんちゅうか・・上手く説明出来んからせんわ・・


まぁ殺すなら・・


金岡「俺ごとラナの命取ってくれや・・」


ワシはそれでええぞ・・


小泉「・・・・・・・・いえっ・・・自分には無理です・・」


急展開だが小泉は当然金岡には逆らわない。

この人の今までの京堂会への功労は嘘じゃないし間違った事もしない。

それにこの人が女を庇うのには理由があるはず。


小泉「じゃあ停戦の条件は!?」

ダリア「それは守ります」


騙されていたのは、どちらもだし・・

音を上げこちらが負けたのは事実。

となると・・


小泉「金岡くんっ!」


三州は?京堂会はどうすれば?

それによく分からん・・あの女の指飛ばしたのは金岡くんだし・・

だが今となってなぜ庇う?生かす?


金岡「・・・俺が最後に抱いて眠ろうと思ったんじゃ・・・・」


それだけじゃ・・


抱いたんじゃ・・

この誰よりも悲しい儚げな女を・・



ダリア(だひゃぁ・・・・こりゃすごい・・・)


もしこの人と先に出会っていたら人生設計が狂っていたかも・・・

そう思えてしまうほどの男だ・・


金岡「・・・これぐらいの女じゃないと・・」


抱こうと思わんわ・・


残り少ない命の自分より儚い女が居る・・

もう行く場所も帰る場所もなく、

俺が指までも飛ばしてしまった・・


小泉「・・・それが金岡くんだと思います。」


狂気と優しさを持ち合わせた誰よりも魅力ある漢。

俺も金岡くんには金岡のままで死んでいってもらいたい。


小泉「同意。東京には渡さんし、ウチも殺さんっ。」

ダリア「ええ・・・私も・・」


私も・・・うまく言えないけど・・それでいい。それがいい。

八木原にはうまく伝えます。


だがそうなると・・

六本木と京堂会がラナを狙わなくても・・


小泉「大刀さんが女殺しに来るんじゃ?」

金岡「来るじゃろ。そもそも狙いはワシじゃったらしい」


当初の狙いは・・


小泉「・・・なるほど・・確かに・・」


もし金岡くん殺されとったら、ワシは東京に総攻撃仕掛けたと思う。

怒りに任せて徹底的に・・


大刀のラナへの指示は、小泉ではなく金岡を殺せ・・

だが圧倒的オーラの前でラナは撃てずに固まった。

だが責務を果たす為に小泉に狙いを変え・・


ダリア「あのっ!」

金岡「・・・なんじゃ?」


急にダリア思いたったかの様に大声で・・


ダリア「金岡さんっウチの八木原と会って頂けませんか!?」

金岡「・・・・八木原ねぇ・・」

小泉「ほう・・」


ええんじゃないか?もう共通の敵は見つかった・・

京堂会と六本木は和解。問題は大刀と赤坂・・

金岡さんは、大村と牧村の破門取り消せって・・

そうなると赤坂は竹千代と園田くらいで大幅な戦力ダウン。

一気に六本木が潰すだろ。そして大泉先生が・・


小泉「六本木に早く赤坂潰せと急かしとる!?」

ダリア「はい。竹千代の金狙ってます」


ほう・・六本木も知ってるんか・・

そしたら・・


小泉「折半で叩かんか?」


六本木と京堂会で・・大泉に取られるくらいなら・・


ダリア「だとしたら話が早くなるのが・・」


ダリアも頭の回転は速い。すべてを紐づける。


ダリア「京堂会子飼いの死体処理班をご紹介していただければ」


そして情報の共有を・・・

大泉が殺しで使ったらしい。そして・・


ダリア「大刀さんもカタギの若い子数名殺してるはずです」


過去の広島で・・


そして行方不明になってるジュリって娘も・・


ダリア「もしまだ確認出来てないなら探してみませんか?」


さすがに、もしかしたらは無いと思いますが・・

場所突き止めて・・もし死体が出れば大刀は一気に追い詰められる。



小泉「・・・無理じゃ・・・・・」

金岡「・・・・分からんのじゃ・・・・明確な場所が・・」

ダリア「申し訳ございませんでした・・」


そりゃ掘り起こしてやりたいがのぅ・・


何となくは分かるんじゃが、

埋めた処理班も、だだっ広い山中で目印も付けてないから分からんのじゃ。

それほどええ仕事してるって事じゃ。埋めた本人すら分からん。

見つけるには半径100メートル位掘り返さんと無理じゃ。

まぁそしたら他の死体もゴロゴロ出てきて逆に面倒じゃ。

京堂会もその場所は都合がええから使わせてもらっとるんじゃ・・


小泉「ダリアよ、死体処理班ってのは・・・」


当然ウチの実働部隊だ・・

だから誰をいつどこでなんて、すべての情報を俺は知っている。

広島のキャバ穣や、共黒会組員の失踪。

大泉先生が東京で薬使ってハメて急死した女、

そして京堂会絡みの未解決事件の死体も埋められてるのは全部そこじゃ・・


大体ジュリの死を金岡くんに伝えたのはこの俺じゃ・・

だが金岡くんはこの事は恨んでない。

大体殺したのは大刀じゃないのだ・・大刀と揉めてた相手グループじゃ。

あの時はヤクザ抗争の駒として、広島の若者が数人亡くなった・・


金岡くんが大刀さんを恨んでないのは、大刀さんがきっちりカタキを取ったからじゃ。



金岡「まぁ今は止めとけ・・」


それをメインの武器にするのを。

それを使う時はダメ押しでじゃ。

大体時間が掛かるし、逆に狙われるぞ。死体掘り返してる所を・・


簡単じゃない。天才だ大刀はこっちの考える事はすべて読まれる・・


小泉「でもそろそろパイされるんじゃ?」


大刀の釈放・・


金岡「・・・いや、出てこんだろ。」


京堂会と六本木が組んだと分かったら・・

大体この留置は自分は無関係、アリバイ作りの為のでっち上げの留置じゃ。

まずは身の安全優先。留置場の中なら安全じゃ。


だが裏目に出とるのぅ大刀さんよ。

そのせいでアンタの実行力、行動力も使えずにいる・・

アンタは自分の能力しか信じてなかったはずなのに・・

もう守りに入ったんか?自分の手は汚さず人の手だけ使って・・


まずは・・


金岡「明日の夜、東京で会う段取りせぇ・・・」

ダリア「はいっ!ありがとうございます!」


まずはここから・・・

いや、その前に私が八木原への説明、説得か。


金岡「そうじゃ・・・ダリアいう女よ」

ダリア「はいっ!」


一つだけ頼まれてくれんか・・

そう言って金岡がダリアに何かを・・


ダリア「分かりました。」

金岡「頼むのぅ・・」


全然いいんですが・・

いや・・そのだらんと座ったまま握ってる拳銃をもっと早くに置いて頂けたら・・



そしてホテルに帰るダリアだが・・


眠れない・・

短かったが濃厚だった小倉滞在・・

ワンチャン撃たれて殺されてた・・

未だに脳内で登場した時の声、金岡ぁ・・が再生され続けてる・・


「何しよっとかこらぁ!」

「ああ!やっちゃろうかい!殺すぞぉ!」


窓の外から聞こえてくる喧噪さえ穏やかに聞こえる。


ダリア「殺さない・・殺さない・・」


そんなの簡単に言う人は。本当に殺す人は躊躇わない。

金岡さんが拳銃受け取ろうと手を伸ばした瞬間この人は引くと感じた。


上手くいけばいい・・・

そうすればラナも生き残れる・・


最後に愛を知って・・・


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