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12・アフター。関門海峡。


小泉「金岡くん、このあと橋渡りませんか?」

金岡「ええのぅ」


なんだろ?危ない橋?会長自ら?

あと、小倉の人と広島の人ってほぼ同じ方言に聞こえる。

じゃっかん個性?の違い位しか変わらないような。


小泉「お前も連れていっちゃろうか?」

ラナ「私!?いや、まだ勤務中なので・・」


そう言ってラナは黒服やオーナーの方を見て、どうなのかを伺う。

会長の誘いだし、断れば手りゅう弾投げられるの?


『コクッ・・コクッ・・』


先上がりでいいよ。行っても・・・とオーナーがうなずく


オーナー「村雨君もお願いね」

村雨「あっ!はいっ!」


なんだよこの地獄のアフターに俺も付き合うの?

まぁラナに護衛が必要って事でしょうがない。


オーナー「ラナ専属の黒服も同行させますがよろしいですか?」

小泉「おう。構わん構わん。」



小泉「金岡くんこちらに」


車が三台並べられ先頭の車両に小泉と金岡。

そして2台目は護衛の車。そして最後尾の車にラナと村雨


若衆「橋渡るぞ」

村雨「あ、はい。運転よろしくお願いします」


そういって一行は車で高速に乗り・・


ラナ「わぁ高ぁーーい。綺麗ぃ」

村雨「これが関門海峡か」


橋を渡る・・これの隠語か。

長州の下関に行く・・の。


小倉から下関は夜に車で飛ばせば30分位だ。

電車だとたったの15分で着くらしい。


「ウィーーン・・」


ラナが車の窓を開け・・


ラナ「うわ・・なんか異様・・」

村雨「それ思った・・」


一昔前は賑わっていたんだろうなと思える街並みだ。

今はシャッターの閉まった空き物件が多く目につく。

何かスラム街とまではいかないが治安が悪そうな地域だとすぐに分かってしまう。


何か韓国っぽい門を抜ければ焼肉の匂いが漂ってくる。

この辺りも古びたビルが多く空き店舗も多い。


若衆「下関はいわゆる在日が多いからな」

村雨「なるほどそれで韓国街があるのか」


在日が多い地域って治安が悪いんだよなぁ・・


若衆「金岡さんも在日で、ここ下関の人だぞ」

ラナ「あっ!へーーー。」


長州の人なんだ。

もしかしてただ帰りたかっただけじゃ・・

いや、小泉会長がうまく誘ったのか。これなら断れないだろうと・・


若衆「ほれ着いたぞ。俺達は車で待機だ。」


そう言って古びれたビルにある韓国料理屋の前で降ろされる。


村雨「おっ♪」

ラナ「おっ♪よ。」


絶対美味いぞー。めちゃ家庭的で穴場っぽい。


店員「いらっしゃいませ。奥の席にどうぞ」


おっ、個室か?そりゃやっぱ会長クラスになるとね・・

そして奥の階段を上がれば・・


戸郷「それでは入りますっ!」

客「丁っ!」

客「半っ!」

客「半じゃ!」


村雨「うぉ!」

ラナ「ええええええええ!!」


なっ!こんなの昔のヤクザ映画でしか見たことないぞ!


小泉「ほらっお前も賭けぇ!」


そう言ってラナに数十万を渡す小泉。


ラナ「あわっ!あわっ!」


・・って・・ちょ・・・丁っ!


村雨「いや・・」


ノリノリやんラナ・・


賭場だ・・丁半博打。未だにこんな世界が現代にあるとは・・

畳の上に敷かれた白い布の上に札束が飛び交う異様な光景。

橋渡るってのは賭場に行きませんか?行こうの隠語か!

小泉会長は帯付きのまま、どんどん張っていく。

そしてなにより異様なのが・・


金岡「丁ぉ・・・」

戸郷「・・・・・」


所作というか、佇まいというか・・

落ち着いているというよりか、何か人を殺しに掛かってるような雰囲気だ。


ラナ「・・・私も丁・・」

小泉「半じゃ!」


では開きますっ・・


戸郷「・・2、6の丁!」

ラナ「うしっ!」

小泉「続くのぅ」


何度かプレイしてたら・・


戸郷「それでは先に入られたお客様、最後の一投となります!」

ラナ「ん?」

小泉「時間制限じゃ」


なるほど・・あくまで韓国料理屋に飲み食いに来てるだけの時間内に。

こうする事で賭場が開かれてることを察知されにくくする。


それからあっという間に時間が経って・・


戸郷「それでは・・」

小泉「よしっラストじゃ!」


こちらも最後の一振り。


小泉「半っ!」


小泉会長は頑なに、ほぼ半。本日すでに結構な負けが込んでる・・

そして・・


金岡「・・・・・」


絶対丁って言う・・・私もそれに乗っかろう・・

何か先を読む力がすごいんだよなぁ金岡さんって・・


金岡「・・限度いくらじゃ?」

ラナ「ん?」


金岡さんがサイコロ振ってる胴元に賭けれる限度額は幾らなのだと・・


戸郷「・・・勘弁してもらえませんか金岡さん・・」

若衆「当、賭場は一回の限度額を100万円とさせていただいております・・」


ふっ・・


金岡「・・半じゃ・・」


『ピラッ‥』


そう言って今まで数十万単位で張ってた金岡さんが・・


ラナ(・・・千円だ・・急に。じゃあ私も・・)


ラナ「半っ」

小泉「さぁ来いっみんな半じゃ!」


あっ!!!!!!そうか!


戸郷「・・・2、3の半!」

小泉「よしっ!本日負けじゃけど終わり良ければばすべて良しじゃ」

ラナ「うっ・・」

村雨「・・あ・・わ・・」


ブルッ・・寒気が・・俺とラナは手が震えて・・・

会長は見えてないのか?この戸郷さんて人と金岡さんのに睨み合いが・・


そう完全に読み切っていた・・

最後会長に花を持たすと・・だから限度額は幾らだと聞いた。

だが限度額まで張らず急にたった千円だけ。

戸郷さんの顔を立てたのか?それとも逆ギレなのか?

本当に堅気かこの人?この人の方がよっぽど怖いぞ俺・・

戸郷さんって方は三州会の若頭らしいぞ・・この小泉会長より上の役職だ。

だがこの金岡さんはそれさえも・・ヤクザさえ超えて行ってるぞ・・


『スッ・・』


戸郷「本日はありがとうございました」


先に戸郷さんが目を背けた・・

金岡さんは、まだ鬼の目のような・・

何か目がギュっと一段前に出て睨みつけてるような感じだ。

まるで人殺しの目だ・・・

ヤクザでも殺すぞ・・・そう言ってる様に感じてしまう。


ラナ「あーー美味しかった」

村雨「ぶははは」


なんだその下手な演技は!

でもとてもいい経験が出来た。俺まだ足震えているけど・・

長州ヤクザが老舗の名門って言われてるのがよく理解出来た。

いわゆる博徒ってやつだ。


金岡「じゃあの・・」

ラナ「・あ・・うん・・・・じゃなくて、はいっ!」


そっくり・・・あの人に・・

やっぱ長州も言葉使い一緒だ・・広島と・・


金岡さんは多少小泉さんと話してそのまま歩いて夜の街に消えていく。


若衆「ほれ帰るぞ乗れ」

村雨「はいっよろしくお願いします」


無事小倉に生還。いつのまにか小泉会長はまたどこか別の店へ。

ふぅ~・・まるで夢の中だった。まだフワフワしてる。


ラナ「ねぇ村雨」


小倉の事調べてきてるんでしょ、教えてよ。


てか、まだ帰りたくない。

帰って一人になると『罪悪感』に包まれそう・・


村雨「よしっじゃあちょっと歩くぞ」

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