第62話 出発前の確認
「いやね、昔テレビで『黒B●TA天国』っていう深夜番組があったんですよ、
毎週見ていたはずなんですが、その内容がまっっったく思い出せないんだよねー、
同時期くらいにやってた『ネグ●モグラ』っていう番組はうっすらと憶えているんですけどね、ええ、なんとなく」
静まり返る修行場秘密基地のエントランス、
今日はいよいよ悪女強奪ツアー出発の朝なのだが、
例によって異世界転生者探しのトークをしてしまった。
(うん、ピクリとも反応が無い)
もしここで誰かが僕の話に乗っかって、
『居たなあ黒B●TAオールスターズとか』
だなんて言われたら
『おーーい、ちょっとこーーーい!!』
って言って秘密基地の裏へ連れて行く所だった、
いやいや嫌だぞこの中に元メンバーとか居たら!
やり難いだろう、という話はこれくらいにしてっと。
(許されるなら『天使のU・B・●・G』の話までするぞゴルァ)
いや今は実況中じゃない、
だったとしても目の前の仲間をこれ以上放置は良くない、出発前の確認を。
「ということでいよいよ出発なんですが、やはりまずは闘技場です、
僕が単独で闘いに行きますんで、後はまあ、最後まで勝ったら流れで」
「わかったわテイクちゃん」「テイクくん任せて」「逃がさなければ良いのだなテイク」「テイク様、捕まえますね」
ただ、お目当ての悪女勇者が逃げるのが、
逃げ切るのがある意味『この世の摂理』であるのなら、
どれだけ対策しても逃げ切られてしまうのだろう、ならば……
(戦う前に購入する、という手もある)
奴隷だからね、
いくら戦闘奴隷といえど、
国が買えるレベルのマニーを出せば何とかなるかも?
「ほんでハ……ハッスルハゲさんは、あっ言っちゃった」
「ハゲと言おうとして不味いと思い、ハッスルと言っておいて続けてハゲと言ってしまいましたな」
「さすがリーフ師匠、よくわかってらっしゃる」「最近、シヴァール殿にお願いすればテイク殿のお仕置をしてくれると」「やめてー!」
ちょっとご褒美だけどね。
「して、わたくしどもは悪魔の捜索ですな」
「うん、女神様の見せてくれた回想だと、占い師に化けてて、
味方の重要人物を奥へ連れて行って、行方不明になって次に会ったときは魔法で敵になってるんだ!」
で、一番信愛度の高い仲間が話し掛けると魔法が解ける、
いや、いったい奥で何をされたんでしょうねえ妄想が捗る、
あの魔物の悪魔を手に入れたら、個人的にやらせてみたい、僕に。
(ぜってー興奮する)
小説版では『私の目を見て……』で終わったって実況中に聞いたな、
まあイケナイ想像はこれくらいにして、話を続けないと、何せ出発前だ。
「では我々は囮ですかな」
「魔法耐性をマックスにしてるけど、関係ないかも知れない」
「少なくともわたくしは、よほどの攻撃魔法でないと」「相手は高位の魔物、悪魔だからね」
それに『ストーリー』にはそんなの関係ないんですよ、
でもリーフ様が魔法で魔物側に落ちたらどうするんだろう、
今、信愛度が一番高いのって誰だろ、嫌だぞリリアンちゃんとかだったら。
「リーフ様、恋人は居る?」
「孤児院の子供達みんなが大切な存在ですな」
「跡継ぎはどうするの」「すでに孤児院出の子が」「あっ、前に聞いたかも」
ええっと対象相手が居ない場合はどうなるんだろ、
ひょっとしてリーフ様を持っていかれたままになる?!
さすがにそれは嫌だなあ、教会の、孤児院の子らも可哀想だし。
(ステータス見ちゃえ、えいっ)
そこには驚くべき文字が!
『信愛度A テイク』
俺かあああああああああああ!!!
(確かA以上ならOKなはずだ)
やっべ、いくらゲテモノ喰いもイケる俺でもこれは無い、
いや待て待て、初期のは『男の友情』的なやつだったはず、
もちろん最新版に近いシリーズは同性婚もあったけれども!
「ええっとリーフ様、女神様からのお告げです」
「何ですかな?」「きちんとした女性の恋人を作りなさい」
「……女神様に言われたのであれば、考えましょう」「うん、しくよろー」
適当な熟女を見繕おうっと。
「ということでおいらやリーフ様、そしてみんなのハッピーエンドのために、魔物討伐へしゅっぱーつ!!」
「「「「「「「「「「おおおおおおおおおおーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」
正確には悪女確保のためだけどねっ!!




